きっと、キミにつながっている――。

　時は202X年。今よりもちょっと未来。子供たちの間で"電脳メガネ"が大流行していた。この"電脳メガネ"は、街のどこからでもネットに接続し様々な情報を表示する機能を備えた、子供たちになくてはならないアイテムだ。現代の携帯電話のように普及し、ほぼ全ての子供が持っている。
　舞台は由緒ある神社仏閣が立ち並ぶ古都でありながら、最新の電脳インフラを擁する地方都市「大黒市」。小此木優子(おこのぎゆうこ)は、小学校最後の夏休みを目前に、父親の仕事の都合で大黒市に引っ越すことになる。
　そこで出会ったのは、もう一人の"ユウコ"、天沢勇子(あまさわゆうこ)。同じ名前で同じ歳だがまったくタイプが違う二人。新しい学校で個性豊かな子供たちと出会い、電脳空間で次々と巻き起こるフシギな出来事を体験する。

新鋭アニメーション監督 磯光雄が手がける
注目のNHKオリジナルアニメーション『電脳コイル』

宮崎駿の『未来少年コナン』(78年4月～10月OA)、庵野秀明の『ふしぎの海のナディア』(90年4月～91年4月OA)など、今や世界に誇るアニメクリエイターが制作してきた、NHKアニメ。2007年5月にスタートした『電脳コイル』は、現在目本のアニメーション業界で最も注目を浴びる、新進気鋭の作家、磯光雄のオリジナルアニメーション。『おもひでぼろぽろ』(91年)や『紅の豚』(92年)などのジブリ劇場作品では原画で参加し、『新世紀エヴァンゲリオン』(95年)では原画のみならず設定、脚本も担当。『KILL BILL』(03年)のアニメパートでも作画に参加している。今作は、連続アニメとしては初監督作品となり、6年前から温めてきたオリジナルの企画でもある。電脳都市という斬新な設定に、普遍的で懐かしい風景を重ねた、これまでにない上質なこの作品は、子供だけでなく大人たちもきっと夢中になるはず！