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特集・逝ける映画人を偲んで 2004-2006

街燈 地獄非行少女卍

日本映画のかしい歴史を築き、
しまれながら逝去された映画人の方々を、
それぞれの代表的作品を上映することで追悼する企画 「特集・逝ける映画人を偲んで」を2年ぶりに開催します。
残念ながら、この3年のうちにも、日本映画は多くのかけがえのない才能を失うこととなりました。
企画では、2004年1月1日から2006年12月31日の間に逝去された方々へのオマージュとして、64作品を54番組で上映し、
野村芳太郎、石井輝男、鈴木尚之、
岡崎宏三、高村倉太郎、伊福部昭、
丹波哲郎、岸田今日子、三橋達也

の各氏をはじめとする80名近くの映画人の業績を顧・彰します。
縁りの方々のみならず、広く映画ファンの皆様のご来場をお待ち申し上げます。

註)本企画には、昨年度企画「特集上映 岡本喜八 日本映画のダンディズム」、本年度企画「追悼特集 映画監督 今村昌平と黒木和雄」、「映画監督 川島雄三」で特集した各監督作品は含まれておりません。

料金
一般500円 高校・大学生・シニア300円
小・中学生100円 障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。
発券・開場は開映の30分前から行い、
定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。発券は各回1名につき1枚のみ。
定員:310名(各回入替制) http://www.momat.go.jp/


~2007年9月26日(水)まで連日上映
※ただし毎週月曜日は休館

上映タイトル一覧
紫色の人名は今回の上映で追悼する方々です(出演者の場合、カッコ内は映画中の役名)。
9月8日(土)
血を吸う薔薇

血を吸う薔薇(1974/東宝映像/83分/35mm/カラー)

(監)山本迪夫(脚)小川英,武末勝(撮)原一民(美)薩谷和夫(音)真鍋理一郎(出)黒沢年男,田中邦衛,佐々木勝彦,岸田森,望月真理子,太田美緒,桂木美加,荒牧啓子,麻里ともえ,片山滉,鈴木治夫

山あいの女子大学に赴任してきた教師が吸血鬼になった学長夫妻と対決する、いまやカルト的な人気を誇る和製ホラーの秀作。岡本喜八門下の山本迪夫監督はテレビドラマを中心に活躍したが、劇場用作品としては「血を吸う」シリーズをはじめとする怪奇映画に力量を発揮した。

(13:00~)

午後の遺言状

午後の遺言状(1995/近代映画協会/112分/35mm/カラー)

(撮)三宅義行(監)(原)(脚)新藤兼人(美)重田重盛(音)林光(出)杉村春子,乙羽信子,観世栄夫,朝霧鏡子,永島敏行,倍賞美津子,松重豊,瀬尾智美,木場勝己,上田耕一,津川雅彦

山荘を訪れた老女優の、管理人や役者夫婦との葛藤を通じて“老い”のテーマに迫った新藤兼人監督後期の代表作。撮影の三宅義行は、近代映画協会で黒田清巳に師事、『ある映画監督の生涯 溝口健二の記録』以来、新藤作品を支えてきたキャメラマンである。

(16:00~)

9月9日(日)

青春の海(1974/東宝=にんじんくらぶ/89分/35mm/カラー)

(監)(脚)岡本愛彦(出)高木均(源次役)(原)富島健夫(脚)野口溪(撮)奥村祐治(美)平田逸郎(音)田中正史(出)原田大二郎,青木英美,常田富士男,春川ますみ,島早苗,高橋有希子,野村昭子,伊川東吾,佐野厚子,佐藤輝昭,桐谷夏子

放送記者からテレビのディレクターへ転身、記録映画でも活躍した岡本愛彦。劇映画では青春映画を得意とし、本作でも港町を舞台に、大人の世界に押しつぶされる若い男女の悲痛な青春を描いた。舞台俳優でアニメ「ムーミン」のパパ役の声優でもある高木均が、少年を抑圧する無骨な身寄りを好演。

(13:00~)

波影(1965/東京映画/106分/35mm/白黒)

(撮)岡崎宏三(監)豊田四郎(原)水上勉(脚)八住利雄(美)伊藤熹朔(音)芥川也寸志(出)若尾文子,中村賀津雄,大空真弓,乙羽信子,浪花千栄子,沢村貞子,春川ますみ,山茶花究,三島雅夫,太刀川寛,田武謙三,柳家小せん,深見泰三,大辻伺郎,ロミ山田,木村俊恵

名撮影監督・岡崎宏三が、自ら白黒撮影の代表作に挙げた豊田四郎の名篇。日本海の小村を舞台に、若尾文子演じる薄幸の娼婦の半生を綴った水上勉の世界を、岡崎は強めのコントラストで画面に構成した。『甘い汗』『千曲川絶唱』など、豊田・岡崎のコンビには他にも数々の傑作がある。

(16:00~)

9月11日(火)
まあだだよ

まあだだよ
(1993/大映=電通=黒澤プロ/134分/35mm/カラー)

(出)松村達雄(内田百閒役),頭師孝雄(北村役)(ネガ編集)南とめ(監)(脚)黒澤明(原)内田百閒(撮)斎藤孝雄,上田正治(美)村木与四郎(音)池辺晋一郎(出)香川京子,井川比佐志,所ジョージ,油井昌由樹,寺尾聰,日下武史,小林亜星,平田満,渡辺哲,松井範雄,杉崎昭彦,冷泉公裕,岡本信人,竹之内啓喜,吉岡秀隆

文学者・内田百閒の半生を描いた黒澤明の遺作。脇役として登場することの多かった松村達雄だが、慕ってくる元教え子たちに囲まれて飄々とユーモア溢れる暮らしを送る百閒を見事に演じている。頭師孝雄も元教え子の一人として出演した。

(15:00~)

砂の女

砂の女(1964/勅使河原プロ/147分/35mm/白黒)

(出)岸田今日子(女)(監)勅使河原宏(原)(脚)安部公房(撮)瀬川浩(美)平川透徹,山崎正男(音)武満徹(出)岡田英次,三井弘次,伊藤弘子,矢野宣,関口銀三,市原清彦

昆虫採集のためにやって来た砂地で民家に軟禁状態になり、もがく人間像を描いた安部公房の名作に勅使河原が挑んだ一篇。幅広く、そして力強い演技で高く評価された岸田今日子は本作では、殺気立った様子で男を逃すまいとする女を熱演した。

(19:00~)

9月12日(水)

黄色い風土(1961/ニュー東映東京/90分/35mm/白黒)

(監)石井輝男(美)近藤照男(出)丹波哲郎(木谷役),利根はる恵(バーのマダム役)(原)松本清張(脚)高岩肇(撮)星島一郎(音)木下忠司(出)鶴田浩二,佐久間良子,曽根晴美,小林裕子,神田隆,春日俊二,須藤健,柳永二郎,藤里まゆみ,八代万智子,吉川満子,故里やよい

ニセ札が巻き起こした連続殺人事件を追う週刊誌記者の物語。新東宝から移籍して東映アクションに新風を吹き込んだ監督石井輝男だが、本作のような推理ものにも興味を持っていたと本人はいう。スムーズな語り口で緊張感のある佳作として当時より好評を得た。

(15:00~)

網走番外地 望郷篇

網走番外地 望郷篇
(1965/東映東京/89分/35mm/カラー)

(監)(脚)石井輝男(出)中谷一郎(猛役)(原)伊藤一(撮)稲田喜一(美)藤田博(音)八木正生(出)高倉健,林田マーガレット,桜町弘子,杉浦直樹,田中邦衛,嵐寛寿郎,東野英治郎,砂塚秀夫,安部徹,由利徹,待田京介

任侠映画ブームの火付け役の一人でもある石井輝男の「網走番外地」シリーズの第3作。故郷長崎の自分の組を他の組の横暴から守るべく、主人公(高倉)が奔走する。『独立愚連隊』(1959年)以来、数多くの岡本喜八監督作品にも出演した性格俳優・中谷一郎は本作では長崎の組長の息子を演ずる。

(19:00~)

9月13日(木)

人情馬鹿(1956/大映東京/71分/35mm/白黒)

(出)角梨枝子(村田ユリ役),根上淳(日下検事役)(監)(脚)清水宏(原)川口松太郎(撮)高橋通夫(美)仲美喜雄(音)米山正夫(出)菅原謙二,藤田佳子,船越英二,潮万太郎,三田隆,進藤英太郎,浪花千榮子,滝花久子,小原利之,小山内淳,ジョー・オハラ,ペギー葉山

デビュー当初から溌剌とした美人女優として華々しく登場し様々な大スターと共演した角梨枝子。大正時代を舞台とする川口松太郎の人情劇を現代風にアレンジした本作では、愛する男のために自己犠牲も厭わない健気なキャバレーの歌手を演じている。

(15:00~)

大坂城物語(1961/東宝/95分/35mm/カラー)

(撮)山田一夫(音)伊福部昭(特技撮影)有川貞昌(出)丹波哲郎(石川貞政役),藤木悠(塙団右衛門役),中北千枝子(八重の局役)(監)(脚)稲垣浩(原)村上元三(脚)木村武(美)植田寛(編)岩下廣一(出)三船敏郎,香川京子,星由里子,久我美子,山田五十鈴,夏木陽介,平田昭彦,志村喬,市川団子,田崎潤

「謙虚な物作り」の精神を重んじ、多くの作品でコンビを組んだ稲垣浩から絶対的な信頼を得ていた撮影監督・山田一夫。そのカメラが豊臣、徳川間の争いをダイナミックに捉えた。また、和楽器が巧妙に用いられる伊福部の時代劇映画音楽は、本作でも箏の調べを効果的に交えている。

(19:00~)

9月14日(金)

花火の街(1937/J.O.スタジオ/74分/16mm/白黒)

(出)竹久千恵子(お千代役)(監)石田民三(原)大佛次郎(脚)竹井諒(撮)上田勇(美)高橋庚子(音)深井史郎(出)小林重四郎,深水藤子,原健作,瀬川路三郎,清川莊司,深見泰三,石川冷,滝澤静子,石川秀道,岩居昇,杉昌三,八幡震太郎,光明寺三郎,對馬和雄,岩間櫻子,岡田和子

明治初期の横浜を背景に展開される恋愛劇映画。本作で淪落の女・お千代を演じてみせた竹久千恵子は、当時その独特な大人の色気でファンを魅了した。また同じ石田監督の作品の中では、『夜の鳩』(1937年)でも世慣れしすぎた水商売の女を好演した。

(15:00~)

笛吹川

笛吹川(1960/松竹大船/117分/35mm/カラー)

(出)田村髙廣(定平役),渡辺文雄(虚吉役),武内亨(武田勝頼役)(監)(脚)木下惠介(原)深沢七郎(撮)楠田浩之(美)伊藤熹朔,江崎孝坪(音)木下忠司(出)高峰秀子,市川染五郎,岩下志麻,川津祐介,田中晋二,中村萬之助,加藤嘉,井川邦子,安部徹,小林トシ子,山岡久乃,市原悦子

モノクロをベースに部分着色が施された幻想的な色彩構成で展開される木下恵介の野心作。同監督の『女の園』(1954年)などの作品で高峰と共演し阪東妻三郎の息子として注目を浴びた田村髙廣だが、「阪妻二世」のイメージからは身を引いて、堅実な演技に徹する俳優として確かな評価を得た。

(19:00~)

9月15日(土)
張込み

張込み(1958/松竹大船/116分/35mm/白黒)

(監)野村芳太郎(出)田村高廣(強盗殺人犯・石井役),小田切みき(肥前屋の女中・喜和子役),多々良純(佐賀署の巡査・佐々木役)(原)松本清張(脚)橋本忍(撮)井上晴二(美)逆井清一郎(音)黛敏郎(出)大木実,高峰秀子,宮口精二,高千穂ひづる,菅井きん,清水将夫,内田良平,藤原釜足,浦辺粂子,北林谷栄,芦田伸介,近衛敏明

『ゼロの焦点』『砂の器』など、松本清張原作のシリーズに数々の秀作を残した野村芳太郎監督の、初めての清張原作映画。田村高廣が、殺人犯として警察に追われながらも、不幸な結婚をした女(高峰)を情熱的にさせる男性を熱演している。

(13:00~)

疑惑

疑惑(1982/松竹=霧プロ/127分/35mm/カラー)

(監)(脚)野村芳太郎(出)仲谷昇(白河福太郎役),松村達雄(原山正雄役),丹波哲郎(岡村謙孝役),新田昌玄(原)(脚)松本清張(脚)古田求(撮)川又昻(美)森田郷平(音)芥川也寸志,毛利蔵人(出)桃井かおり,岩下志麻,鹿賀丈史,柄本明,真野響子,森田健作,伊藤孝雄,内藤武敏,名古屋章,小林稔侍,河原崎次郎,三木のり平,北林谷栄,山田五十鈴

夫の保険金殺人の疑惑を一身に浴びた妻をめぐる緊迫した法廷劇。ふてぶてしい容疑者役の桃井かおりと冷徹でシャープな弁護士役の岩下志麻の役者としての個性を存分に活かし、ラストに至るまで壮絶な“女の対決”を実現した野村演出の醍醐味が味わえる。

(16:00~)

9月16日(日)

拜啓天皇陛下様(1963/松竹大船/100分/35mm/カラー)

(監)(脚)野村芳太郎(出)多々良純(浦上准尉役),小田切みき(浦上の妻役)(原)棟田博(脚)多賀祥介(撮)川又昻(美)宇野耕司(音)芥川也寸志(出)渥美清,左幸子,中村メイ子,高千穂ひづる,長門裕之,藤山寛美,加藤嘉,西村晃,森川信,穂積隆信,桂小金治,葵京子,津村映子

野村芳太郎の、サスペンス映画と並ぶ看板ジャンルである喜劇を代表する一篇。無学でとことん人情に弱く、軍隊生活を極楽だと思っている鈍重な男の姿を淡々と描写し、渥美清という笑いと哀しみを同時に体現できる演技者の力を引き出している。

(13:00~)

牝犬(1951/大映東京/100分/35mm/白黒)

(出)根上淳(白川圭一役),利根はる恵(アサミ役)(監)(脚)木村恵吾(脚)成沢昌茂(撮)山崎安一郎(美)柴田篤二(音)飯田三郎(出)京マチ子,志村喬,久我美子,加東大介,北林谷栄,藤原釜足,狩野新

120本以上の作品に出演し、数々のスターたちと共演した大映の二枚目スター根上淳本人が出世作とする一本。堅物の会社員(志村)が熱愛する踊り子(京)に惚れられながらも、その男の令嬢(久我)を誠実に愛するサキソフォニストを演じた。

(16:00~)

9月18日(火)
街燈

街燈(1957/日活/91分/35mm/白黒)

(出)岡田眞澄(小出英夫役),青木富夫(監)中平康(原)永井龍男(脚)八木保太郎(撮)間宮義雄(美)松山崇(音)佐藤勝(出)月丘夢路,南田洋子,葉山良二,中原早苗,渡辺美佐子,草薙幸二郎,細川ちか子,山岡久乃,北林谷栄,芦田伸介,小沢昭一,刈谷ヒデ子

製作再開後の日活に入社し、デンマーク人の血をひき端正な容姿でスクリーンに華を添えた岡田眞澄は、ファッション業界を背景に入り乱れる恋愛関係を描いた本作で、女店主にかわいがられる軟派な美青年を演じている。新鋭中平康のもと、都会的な斬新さが追求された作品。

(15:00~)

絞死刑(1968/創造社=日本アート/シアター/ギルド/118分/35mm/白黒)

(脚)佐々木守(出)渡辺文雄(教育部長役)(監)(脚)大島渚(脚)田村孟,深尾道典(撮)吉岡康弘(美)戸田重昌(音)林光(出)尹隆道,佐藤慶,小山明子,戸浦六宏,石堂淑朗,足立正生,松田政男,上野堯,小松方正,薄井孝雄,寺島アキ子,桜井啓子

在日コリアンである死刑囚の刑の執行が失敗、そこから次々と滑稽な事態が展開してゆく大島渚の代表作の一つ。佐々木守らの筆になる痛烈なユーモアを渡辺文雄ら大島組の常連俳優たちが見事に具現化し、創造社のもっとも創造的な時代を代表する作品となった。

(19:00~)

9月19日(水)
地獄

地獄(1960/新東宝/101分/35mm/カラー)

(出)沼田曜一(田村役),三ツ矢歌子(幸子,サチ子役)(監)(脚)中川信夫(脚)宮川一郎(撮)森田守(美)黒沢治安(音)渡邊宙明(出)天知茂,林寛,大友純,山下明子,津路清子,宮田文子,中村虎彦,徳大寺君枝,小野彰子,大谷友彦,宮浩一,山川朔太郎,石川冷,新宮寺寛,泉田洋志

恐怖映画の名匠・中川信夫が、禍々しい地獄絵図をスクリーン上に現前させた日本映画史上の奇作。後に日本の民話の語り部としても知られた沼田曜一がここでは主人公の悪魔的な友人を、新東宝のスター・三ツ矢歌子は幸薄いながらも可憐なヒロインを二役で演じている。

(15:00~)

ハル

ハル(1996/光和インターナショナル/119分/35mm/カラー)

(撮)高瀬比呂志(監)(脚)森田芳光(美)小澤秀高(音)野力奏一,佐橋俊彦(出)深津絵里,戸田菜穂,内野聖陽,山崎直子,竹下宏太郎,水野あや,王紀平,楊学斌,銭波,八木昌子,潮哲也,平泉成

パソコン通信で心を通わせる孤独な男女のデリケートな感情に迫った森田芳光監督作品。高瀬比呂志は本作や『失楽園』『39 刑法第三十九条』などの同監督作品をはじめ、現代日本映画の撮影界を牽引するキャメラマンの一人であったが急逝した。

(19:00~)

9月20日(木)
誇り高き挑戦

誇り高き挑戦(1962/東映東京/89分/35mm/白黒)

(出)丹波哲郎(高山役)(監)深作欣二(脚)佐治乾(撮)星島一郎(美)荒木友道(音)河辺公一(出)鶴田浩二,梅宮辰夫,大空眞弓,中原ひとみ,小沢栄太郎,松本克平,春日俊二

義憤にかられた業界紙の記者が、元GHQの諜報員であり、謎めいた大企業の背後で暗躍する男を追いつめてゆく深作欣二監督の初期作品。丹波哲郎はその悪役を得意の英語も駆使しながら演じ、戦後社会に対するニヒリズムさえにじませることに成功した。

(15:00~)

宵闇せまれば(1969/プロダクション断層/43分/35mm/白黒)

(監)実相寺昭雄(脚)大島渚(撮)町田敏行(美)倉橋利韶(音)冬木透(出)斎藤憐,三留由美子,清水紘治,樋浦勉

アパートの一室で、4人の若者が開いたガス栓を放置して、誰が最後まで残れるか我慢くらべをする様を描いた大島渚脚本による密室劇。実相寺昭雄の自主製作によるデビュー中篇で、斉藤憐、清水紘治など自由劇場の主要メンバーが出演した。

二人でひとり(1970/東京映画=青島プロ/78分/35mm/カラー)

(監)(原)(脚)(音)(出)青島幸男(撮)鈴木斌(美)樋口幸男(出)三木のり平,中山千夏,萩本欽一,坂上二郎,佐藤英夫

豪華マンションに住む父とその愛人と、そこに転がり込んで彼女に惚れてしまった息子の三角関係を描く恋愛コメディ。放送作家として一時代を築き、参議院議員にもなったマルチタレント青島幸男が、監督だけでなく製作・脚本・音楽・主演をもこなした。

(19:00~)

9月21日(金)

宵待草(1974/日活/96分/35mm/カラー)

(録)古山恒夫(出)仲谷昇(谷川武彦役),江角英明(映画監督役),荻島眞一(北天才役)(監)神代辰巳(脚)長谷川和彦(撮)姫田真左久(美)横尾嘉良(音)細野晴臣(出)高橋洋子,高岡健二,殿山泰司,浜村純,夏八木勲,青木義朗,吉田次昭,司美智子,潤ますみ,丘奈保美,芹明香

大正時代、憲兵隊の襲撃に失敗し、孤立無援となったアナキスト集団のやるせない逃避行を、その時代の流行歌に乗せて描いた神代辰巳の一本。中平康『猟人日記』の怪演でも知られる文学座出身の仲谷昇は主人公の父親の代議士を、荻島眞一はビリヤード場の虚無的な男を演じている。

(15:00~)

実録阿部定

実録阿部定(1975/日活/76分/35mm/カラー)

(監)田中登(録)木村瑛二(出)江角英明(石田吉蔵役)(脚)いどあきお(撮)森勝(美)川崎軍二(音)坂田晃一(出)宮下順子,坂本長利,橘田良江,千早蘭,大谷木洋子,水木京一,五條博,小泉郁之助,久松洪介,庄司三郎,花柳幻舟

1936年の「阿部定事件」をもとに、死をはらんだ男女の情交を、煮詰めてゆくかのような濃密な演出で描きぬいた傑作。日活ロマンポルノを主な舞台に異彩を放った監督・田中登の代表作で、宮下順子の相手役を務めた江角英明の白熱の演技も忘れがたい。

(19:00~)

9月22日(土)
非行少女

非行少女(1963/日活/歌舞伎座/114分/35mm/白黒)

(撮)高村倉太郎(監)(脚)浦山桐郎(原)森山啓(脚)石堂淑朗(美)中村公彦(音)黛敏郎(編)丹治睦夫(出)和泉雅子,浜田光夫,香月美奈子,杉山俊夫,高原駿雄,浜村純,小池朝雄,北林谷栄,小林トシ子,沢村貞子,小夜福子,小沢昭一

川島雄三作品や日活アクションからロマンポルノまで日活撮影所を支え、日本の撮影界のリーダーでもあった高村倉太郎の浦山桐郎作品。荒んだ生活からなかなか逃れられない非行少女を演じる和泉雅子は、同じ幼稚園出身である高村の撮影した本作を「先輩の作品の中でも最も好きな映画」と述べている。

(13:00~)

黄色いからす(1957/歌舞伎座/104分/35mm/カラー)

(脚)長谷部慶治(次)(出)多々良純(秋月課長役),沼田曜一(村上先生役)(監)五所平之助(脚)館岡謙之助(撮)宮島義勇(美)久保一雄(音)芥川也寸志(出)淡島千景,伊藤雄之助,田中絹代,久我美子,設楽幸嗣,飯田蝶子,中村是好,髙原駿雄,島田屯

父親とうまく交流できない少年の描いた絵を通して、戦後の家族像を浮かび上がらせた名篇。『炎上』など市川崑作品の脚本家としても知られる長谷部慶次は、ここでは先輩の館岡とともに少年の繊細な心情をすくい上げた。多々良純は、復員した父親の会社の上司を演じている。

(16:00~)

9月23日(日)
宮本武蔵 一乗寺の決斗

宮本武蔵 一乗寺の決斗
(1964/東映京都/128分/35mm/カラー)

(脚)鈴木尚之(監)(脚)内田吐夢(原)吉川英治(撮)吉田貞次(美)鈴木孝俊(音)小杉太一郎(出)中村錦之助,丘さとみ,入江若菜,岩崎加根子,木村功,河原崎長一郎,谷啓,浪花千栄子,平幹二朗,佐藤慶,織田政雄,沢村宗之助,竹内満,香川良介,徳大寺伸,花沢徳衛,高倉健

晩年の内田吐夢と組み、秀作を生み出した脚本家・鈴木尚之の執筆した「宮本武蔵」5部作のうちの一つ。この5部作に対して内田が見せた並々ならぬ気迫が成功へと導いた、と鈴木は『私説 内田吐夢』で述懐する。クライマックスの決闘シーンは特に見所。

(13:00~)

黒の試走車

黒の試走車(1962/大映東京/95分/35mm/白黒)

(脚)舟橋和郎(音)池野成(監)増村保造(原)梶山季之(脚)石松愛弘(撮)中川芳久(美)山口熙(出)田宮二郎,叶順子,船越英二,髙松英郎,見明凡太朗,竹村洋介,菅井一郎,上田吉二郎,長谷川季子,大山健二,花布辰男,髙村栄一,伊藤光一

「兵隊やくざ」シリーズや喜劇「列車」「旅行」シリーズなど、多ジャンルにわたって活躍した脚本家舟橋和郎によるサスペンス映画。二つの自動車会社の熾烈な産業スパイ合戦を緻密にシナリオ化、さらに増村保造の演出を得て鋭利な切れ味を見せている。

(16:00~)

9月25日(火)

二十歳の原点(1973/東京映画/89分/35mm/カラー)

(監)大森健次郎(原)高野悦子(脚)重森孝子,森谷司郎(撮)中井朝一(美)樋口幸男(音)小野崎孝輔(出)角ゆり子,大門正明,地井武男,鈴木瑞穂,福田妙子,高林由紀子,丹波義隆,富川徹夫,川島育恵,津田京子

黒澤明に師事し、大作『地震列島』(1980年)の監督として知られる大森健次郎のデビュー作。二十歳で自殺した女子大学生・高野悦子の日記をもとに、若者の全共闘運動後の喪失感と生きることへの焦燥、揺れ動く恋心が描かれている。

(15:00~)

帝都物語

帝都物語(1988/エクゼ/135分/35mm/カラー)

(監)実相寺昭雄(出)島田正吾(目方新役)(ネガ編集)南とめ(原)荒俣宏(脚)林海象(撮)中堀正夫(美)木村威夫(音)石井眞木(出)勝新太郎,嶋田久作,原田美枝子,石田純一,姿晴香,寺泉憲,桂三枝,坂東玉三郎,佐野史郎,安永亜衣,山本清美,寺田農,峰岸徹,いとうせいこう,中村嘉葎雄,宍戸錠,井川比佐志,大滝秀治,西村晃

TBSの演出部でディレクターとして活躍の後、自ら設立した実相寺プロで、初期には日本の精神風土に基づくエロティシズムを追究した実相寺昭雄。本作は大正時代の帝都・東京の破壊勢力と防衛勢力が超能力で衝突する大ヒット作。ネガ編集の南とめは数百本の日本映画に携わった大ベテランであった。

(19:00~)

9月26日(水)
ひめゆりの塔

ひめゆりの塔(1953/東映/126分/35mm/白黒)

(出)小田切みき(生徒・尾台ツル役),徳永街子(生徒・安座間京子役),利根はる恵(安里ルリ役),原緋紗子(生徒の母役)(監)今井正(脚)水木洋子(撮)中尾駿一郎(美)久保一雄(音)古関裕而(出)津島惠子,岡田英次,信欣三,石島房太郎,殿山泰司,河野秋武,春日俊二,神田隆,南川直,清水元,香川京子,関千惠子

戦争の最前線で無惨な死を余儀なくされた沖縄のひめゆり部隊が描かれる。前年の『生きる』で若さ溢れるヒロインを好演した小田切みきは、本作でも悲惨な状況のもとでも必死で生き抜こうとする女生徒の一人を演じている。前進座出身で、近年まで老婦人役で親しまれた原緋紗子も端役として出演している。

(15:00~)

卍(1964/大映東京/90分/35mm/カラー)

(撮)小林節雄(出)岸田今日子(姉内園子役)(監)増村保造(原)谷崎潤一郎(脚)新藤兼人(美)下河原友雄(音)山内正(出)若尾文子,船越英二,川津祐介,山茶花究,三津田健,早川雄三,村田芙実子,響令子,南雲鏡子,富田邦子

弁護士の妻が、同じ絵画学校に通う女性に魅了されるまま同性愛に深入りし、夫なども巻き込んだ四角関係に突き進んでゆく。若尾文子から発散される妖艶さを正面から受け止めた岸田今日子の演技も絶品である。小林節雄は市川・増村作品などを支えた大映東京撮影所の名キャメラマンである。

(19:00~)

料金

一般500円 高校・大学生・シニア300円 小・中学生100円 障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。
発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。発券は各回1名につき1枚のみ。
定員:310名(各回入替制) http://www.momat.go.jp/

~2007年9月26日(水)まで連日上映
※ただし毎週月曜日は休館

2007/09/07/19:51 | BBS | トラックバック (0)
東京国立近代美術館フィルムセンター
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