日印交流年

インド映画の輝き

踊り子
料金
一般500円 高校・大学生・シニア300円
小・中学生100円
障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。
発券・開場は開映の30分前から行い、
定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、
要証明書。
発券は各回1名につき1枚のみ。
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター
大ホール

定員:310名(各回入替制)
http://www.momat.go.jp/

言語・多民族の社会と文化を土台としながら、近年は著しい経済発展の面でも注目されているインドは、一方で世界最大の映画大国としても広く知られています。
在、映画産業の中心地ムンバイ(旧ボンベイ)の映画界は“ボリウッド”と呼ばれるほどの隆盛を極め、その作品は世界各国に輸出されていますが、インドはその遥か前から、それぞれの地方で個性豊かな映画文化を紡ぎ上げてきました。

世出の“映画王”ラージ・カプールや伝説的な名監督グル・ダットに端を発し現在も国内映画産業の中核をなすムンバイ産のヒンディー語映画、世界的な巨匠サタジット・レイを輩出した東部のベンガル語映画、G・アラヴィンダン監督作品の醸し出す悠然としたリズムが日本の映画ファンにも支持された南西部ケーララ州のマラヤーラム語映画、きらびやかな娯楽性と強烈な民族性が共存する南部のタミル語映画など、各地の映画人たちが競い合うように多面的な映画史を形作ってきました。
また、や踊りを取り入れた娯楽作や麗なスター映画はもちろん、痛なラブ・ストーリー、衆生活に寄り添った作品、質な社会派作品など、テーマや作風の多様さにおいてもインド映画の魅力は尽きることがありません。
2007年「日印交流年」の記念事業として、この実りかなインド映画の歴史の中から、1980年代までに製作された名作32本を一挙上映する今回の企画は、フィルムセンターにおけるインド映画の上映としては過去最大の規模となります。歴史の中でさまざまな光彩を放ってきた、インド映画の華鏡のような魅力を存分にお楽しみください。


2007年10月9日(火)~11月16日(金)まで
※ただし毎週月曜日は休館

スケジュール

土・日曜日は、11:00と16:00より開映。

10/09(火) 15:00 『大地のうた』(125分) 19:00 『大河のうた』(109分)
10/10(水) 15:00 『遠い道』(48分) 『音楽ホール』(99分) 19:00 『大樹のうた』(106分)
10/11(木) 15:00 『家と世界』(139分) 19:00 『見知らぬ人』(120分)
10/12(金) 15:00 『ストリート・シンガー』(132分) 19:00 『コートニース博士の不滅の生涯』(122分)
10/13(土) 11:00 『放浪者』(175分) 16:00 『アーン』(88分)
10/14(日) 11:00 『2エーカーの土地』(131分) 16:00 『渇き』(147分)
10/16(火) 15:00 『雲のかげ星宿る』(127分) 19:00 『えび』(136分)
10/17(水) 15:00 『夫になりたかった幽霊』(82分) 19:00 『熱風』(136分)
10/18(木) 14:00 『炎』(198分) 19:00 『ミュージカル女優』(143分)
10/19(金) 15:00 『苦いひとくち』(92分) 19:00 『魔法使いのおじいさん』(89分)
10/20(土) 11:00 『踊り子』(145分) 16:00 『ねずみとり』(121分)
10/21(日) 11:00 『お水よお水』(143分) 16:00 『三日月』(144分)
10/23(火) 15:00 『パニおばさん』(108分) 19:00 『思い出の中から』(126分)
10/24(水) 15:00 『渡河』(130分) 19:00 『チダムバラムの愛』(103分)
10/25(木) 15:00 『第一の敬意』(163分) 19:00 『ゴアの恋歌』(141分)
10/26(金) 15:00 『青春の終着点』(132分) 18:00 『炎』(198分)
10/27(土) 11:00 『大地のうた』(125分) 16:00 『大河のうた』(109分)
10/28(日) 11:00 『大樹のうた』(106分) 16:00 『熱風』(136分)
10/30(火) 15:00 『見知らぬ人』(120分) 19:00 『遠い道』(48分) 『音楽ホール』(99分)
10/31(水) 15:00 『アーン』(88分) 19:00 『家と世界』(139分)
11/01(木) 15:00 『渇き』(147分) 19:00 『夫になりたかった幽霊』(82分)
11/02(金) 15:00 『2エーカーの土地』(131分) 19:00 『踊り子』(145分)
11/03(土) 11:00 『雲のかげ星宿る』(127分) 16:00 『パニおばさん』(108分)
11/04(日) 11:00 『チダムバラムの愛』(103分) 16:00 『第一の敬意』(163分)
11/06(火) 15:00 『放浪者』(175分) 19:00 『ストリート・シンガー』(132分)
11/07(水) 15:00 『踊り子』(145分) 19:00 『三日月』(144分)
11/08(木) 15:00 『ねずみとり』(121分) 19:00 『渡河』(130分)
11/09(金) 15:00 『えび』(136分) 19:00 『お水よお水』(143分)
11/10(土) 11:00 『炎』(198分) 16:00 『夫になりたかった幽霊』(82分)
11/11(日) 11:00 『思い出の中から』(126分) 16:00 『青春の終着点』(132分)
11/13(火) 15:00 『ミュージカル女優』(143分) 19:00 『苦いひとくち』(92分)
11/14(水) 15:00 『コートニース博士の不滅の生涯』(122分) 19:00 『2エーカーの土地』(131分)
11/15(木) 15:00 『魔法使いのおじいさん』(89分) 18:00 『放浪者』(175分)
11/16(金) 15:00 『ゴアの恋歌』(141分) 19:00 『アーン』(88分)

土・日曜日は、11:00と16:00より開映。

上映タイトル一覧
10月9日(火) 15:00~ / 10月27日(土) 11:00~

『大地のうた』
PATHER PANCHALI (SONG OF THE ROAD) ( 125分・35mm・白黒・ベンガル語 )

‘55(監)(脚)サタジット・レイ(原)ビブティブション・ボンドパッダエ(撮)シュブロト・ミットロ(美)バンシ・チャンドラグプタ(音)ラヴィ・シャンカル(出)シュビル・バナルジ、カヌ・バナルジ、コルナ・バナルジ

S・レイ監督のデビュー作。ベンガル地方の農村に暮らす貧しいブラーミン(最高位カースト)一家の少年、オプーを取り巻く世界を描く。『大河のうた』『大樹のうた』と共に「オプー三部作」と呼ばれ、インド映画の存在を世界に知らしめた作品である。カンヌ国際映画祭人間ドキュメント賞受賞。

10月9日(火) 19:00~ / 10月27日(土) 16:00~

『大河のうた』
APARAJITO (THE UNVANQUISHED) ( 109分・35mm・白黒・ベンガル語 )

‘56(監)(脚)サタジット・レイ(原)ビブティブション・ボンドパッダエ(撮)シュブロト・ミットロ(美)バンシ・チャンドラグプタ(音)ラヴィ・シャンカル(出)ピナキ・シェン・グプト、ショロン・ゴシャル、カヌ・バナルジ、コルナ・バナルジ

オプーの姉ドゥルガを病気で失った一家は、ヒンドゥー教の聖地バナーラス(ベナレス)へと移り住む。父が亡くなり、さらなる貧困生活の中で母とも離れ、少年から青年へと成長する多感な時代のオプーが描かれる。ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞。

10月10日(水) 15:00~ / 10月30日(火) 19:00~

『遠い道』 SADGATI (DELIVERANCE) ( 48分・35mm・カラー・ヒンディー語 )

‘81(監)(脚)(音)サタジット・レイ(原)プレームチャンド(撮)ショウメンドゥ・ラエ(美)オショク・ボース(出)オーム・プリー、スミター・パーティール、モーハン・アーガーシェー

インド近代文学の父プレームチャンドのヒンディー語小説「済度の道」の映画化。僧侶にこき使われた被差別カーストの農民が急死したことから、僧侶がその遺体を始末しなければならなくなる。ヒンディー語芸術映画の名優たちを使って、カースト制度の矛盾を描く。

『音楽ホール』 JALSAGHAR (THE MUSIC ROOM) ( 99分・35mm・白黒・ベンガル語 )
‘58(監)(脚)サタジット・レイ(原)タラションコル・ボンドパッダエ(撮)シュブロト・ミットロ(美)バンシ・チャンドラグプタ(音)ヴィラーヤト・カーン(出)チョビ・ビッシャス、ポドマ・デビ、ベーガム・アクタル

邸内の音楽ホールにインド古典音楽や舞踊の名手を招き、パトロンとしてその芸術を愛でる地主。だが、旧地主階級はもはや没落の一途で、新興成金の商人階級と張り合ううちに身を滅ぼす。実際の名歌手や舞踊手を出演させ、20年代の新旧富裕層交代を鮮やかに見せる。

10月10日(水) 19:00~ / 10月28日(日) 11:00~

『大樹のうた』
APUR SANSAR (THE WORLD OF APU) ( 106分・35mm・白黒・ベンガル語 )

‘59(監)(脚)サタジット・レイ(原)ビブティブション・ボンドパッダエ(撮)シュブロト・ミットロ(美)バンシ・チャンドラグプタ(音)ラヴィ・シャンカル(出)ショウミットロ・チャタルジ、シャルミラ・タゴール、オロク・チョクロボルティ、ショポン・ムカルジ

大学を卒業したオプーは、偶然から結婚することになった妻を深く愛していたが、出産で妻が亡くなり失意のどん底に。本作以降S・レイ映画の常連となる男優ショウミットロ・チャタルジ、ヒンディー語映画のトップ女優となるシャルミラ・タゴール両者のデビュー作。

10月11日(木) 15:00~ / 10月31日(水) 19:00~

『家と世界』
GHARE BAIRE (HOME AND THE WORLD) ( 139分・35mm・カラー・ベンガル語 )

‘84(監)(脚)(音)サタジット・レイ(原)ラビンドラナート・タゴール(撮)ショウメンドゥ・ラエ(美)オショク・ボース(出)ショウミットロ・チャタルジ、ヴィクター・バナルジ、シャティレカ・チャタルジ

ノーベル文学賞受賞者タゴールについてドキュメンタリーも撮っているS・レイは、タゴールの作品を3本映画化している。本作は、19世紀初頭のベンガルを舞台に、村の領主であり、進歩的な思想を持つ夫がありながら、独立運動の活動家に心惹かれていく女性を描く。

10月11日(木) 19:00~ / 10月30日(火) 15:00~

『見知らぬ人』 AGANTUK (THE STRANGER) ( 120分・35mm・カラー・ベンガル語 )

‘91(監)(脚)(音)サタジット・レイ(撮)ボルン・ラハ(美)オショク・ボース(出)マムター・シャンカル、ウトポル・ドット、ドリティマン・チャタルジ

92年4月に亡くなったS・レイの遺作。ある中流家庭に、妻の叔父であるという人物がやってくる。長年音信不通だった叔父は本当にこの人物なのか。疑う人々と叔父との対話を通して、物質文明の繁栄は人々に幸福をもたらしたか、という命題がレイの遺言のように語られる。

10月12日(金) 15:00~ / 11月6日(火) 19:00~

『ストリート・シンガー』 STREET SINGER ( 132分・35mm・白黒・ヒンディー語 )

‘38(監)(原)パニ・マジュムダール(撮)ディリープ・グプタ(音)B・C・ボーラール(出)K・L・サイガル、カーナン・デーヴィー(バラー)、ジャグディーシュ・セーティー

インド映画のトーキー元年=1931年に誕生した映画会社ニュー・シアターズの代表作。放浪の歌手の男女が都会に出るが、女性の歌が認められたことから男性は身を引こうとする。歌手としても有名な主演男優K・L・サイガルの歌が素晴らしい。グル・ダットも『紙の花』(1959)の撮影所シーンで本作の引用をしている。

10月12日(金) 19:00~ / 11月14日(水) 15:00~

『コートニース博士の不滅の生涯』
DR. KOTNIS KI AMAR KAHANI (THE JOURNEY OF DR. KOTNIS)
( 122分・35mm・白黒・ヒンディー語 )

‘46(監)(出)V・シャーンターラーム(原)(脚)K・A・アッバース(脚)V・P・サーテー(撮)V・アヴァドゥート(美)バール・ガジュバル(音)ヴァサント・デーサーイー(出)ジャヤシュリー、デーワン・シャラール

日中戦争時の1938年に、インドから中国に派遣された実在の医療使節団がモデル。5人の医師の1人コートニース博士は中国人女性と結婚したが、医療活動中に病没した。日本軍の侵略に反対する映画として、イギリス政府はもちろん、愛国者も共産主義者も支持した作品。

10月13日(土) 11:00~ / 11月6日(火) 15:00~ / 11月15日(木) 18:00~

『放浪者』
AWARA(THE VAGABOND/THE TRAMP) ( 175分・35mm・白黒・ヒンディー語 )

‘51(監)(出)ラージ・カプール(原)(脚)K・A・アッバース(原)V・P・サーテー(撮)ラードゥー・カルマカール(美)M・R・アーチュレーカル(音)シャンカル=ジャイキシャン(出)ナルギス、プリットヴィーラージ・カプール

「インド映画界のキング」と呼ばれた、製作者・監督・俳優R・カプールの代表作の一つ。夫に棄てられた貧しい女性を母とする青年が悪に手を染め、判事である父と法廷で対決する。娯楽性と共に社会性を持った作品として、中国や旧ソ連でも大人気を博した。

10月13日(土) 16:00~ / 10月31日(水) 15:00~ / 11月16日(金) 19:00~

『アーン』 AAN ( 88分・35mm・カラー・ヒンディー語 )

‘52(監)メーフブーブ(原)R・S・チョウドリー(撮)ファリドゥーン・イーラーニー(音)ノゥシャード(出)ディリープ・クマール、ニンミー、ナーディラー、プレームナート

メーフブーブ・カーンの名でも知られる大御所監督が作ったインド初のテクニカラー作品。日本で1954年に公開された88分の短縮版(オリジナルは161分)。王国の主権争いを軸に、王の妹に恋した正義漢の青年ジャイ(上映プリントの字幕ではジェイ)の活躍を描く。「アーン」は「誇り、信念」の意。

10月14日(日) 11:00~ / 11月2日(金) 15:00~ / 11月14日(水) 19:00~

『2エーカーの土地』
DO BIGHA ZAMIN (TWO ACRES OF LAND) ( 131分・35mm・白黒・ヒンディー語 )

‘53(監)ビマル・ラーイ(原) (音)サリル・チョウドリー(脚)リシケーシュ・ムカルジー(撮)カマル・ボース(美)ガネーシュ・ブサク (出)バルラージ・サーハニー、ニルーパー・ラーイ

左翼系演劇集団IPTA(インド人民劇場)のメンバーを中心に作られた社会派作品。金貸しでもある地主に土地を取り上げられそうになった農民が、都会に出てきて必死に働き、借金を返そうとする。独立直後のインドが直面する問題を平易な語り口で描き、観客の共感を呼んだ。

10月14日(日) 16:00~ / 11月1日(木) 15:00~

『渇き』
PYAASA (THE THIRSTY ONE/ETERNAL THIRST) ( 147分・35mm・白黒・ヒンディー語 )

‘57(監)(原)(出)グル・ダット(原)(脚)アブラール・アルヴィー(撮)V・K・ムールティ(美)ビレーン・ナーグ(音)サチン・デーウ・バルマン(出)ワヒーダー・ラフマーン、マーラー・シンハー、ラフマーン、ジョニー・ウォーカー

G・ダットの代表作の一つ。貧しい詩人と娼婦が詩を介して心を通い合わせるが、俗悪な世間が詩人を追いつめてゆく。挿入歌がいずれも印象的。主演女優W・ラフマーンはG・ダット作品のミューズで、彼の自伝的作品『紙の花』(1959)等でも共演している。

10月16日(火) 15:00~ / 11月3日(土) 11:00~

『雲のかげ星宿る』 MEGHE DHAKA TARA
(THE CLOUD CAPPED STAR/HIDDEN STAR) ( 127分・35mm・白黒・ベンガル語 )

‘60(監)(脚)リッティク・ゴトク(原)ショクティポド・ラジグル(撮)ディネン・グプト(美)ロビ・チョテルジ(音)ジョティリンドロ・モィトロ(出)シュプリア・チョウドリ、オニル・チョテルジ、ビジョン・ボッタチャルジョ

ベンガル地方では、時にはS・レイ以上に高く評価される映画作家R・ゴトク。分割された故郷ベンガルに対する深い愛は、東パキスタン(現バングラデシュ)からの難民一家を描く本作にも充満。一家の大黒柱となって働き、病に倒れるヒロインの叫びが耳に残る。

10月13日(土) 16:00~ / 10月31日(水) 15:00~ / 11月16日(金) 19:00~

『えび』 CHEMMEEN (THE SHRIMP) ( 136分・35mm・カラー・マラヤーラム語 )

‘65(監)ラーム・カーリヤートゥ(原)タカリ・シヴァシャンカラ・ピッライ(撮)マーカス・バートレー、U・ラージャゴーパーラン(音)サリル・チョウドリー(出)サティヤン、シーラ、マドゥ、K・シュリーダラン・ナーヤル

インド南西端、ケーララ州の進歩主義作家T・S・ピッライによる同名長篇小説(日本語訳は新宿書房刊)の映画化。妻や娘の貞節が漁師たちの命を守り、豊漁を招く、という言い伝えを背景に、海に生きる男と女の悲しい運命を描く。

10月17日(水) 15:00~ / 11月1日(木) 19:00~ / 11月10日(土) 16:00~

『夫になりたかった幽霊』
DUVIDHA (IN TWO MINDS) ( 82分・35mm・カラー・ヒンディー語 )

‘73(監)(脚)マニ・コウル(原)ヴィジャヤダン・データー(撮)ナヴローズ・コントラクター(音)ラムザーン・カーン、ハンムー・カーン(出)ラヴィ・メーナン、ライーサー・パダムスィー

インド西部ラージャスターン地方の民話を映画化。新妻に恋した幽霊が出稼ぎで不在の夫になりすまして家に入り込み、子まで成してしまう。原題は「板挟み」で、2005年にS・R・カーン主演『なぞなぞ』としてリメイクされた。M・コウルはインド・ニューシネマの中心的監督。

10月17日(水) 19:00~ / 10月28日(日) 16:00~

『熱風』 GARM HAVA (HOT WINDS) ( 136分・35mm・カラー・ウルドゥ語 )

‘75(監)M・S・サティユー(原)(脚)カイフィー・アーズミー(脚)シャマー・ザイディー(撮)イシャーン・アーリヤ(音)ウスタード・バハードゥル・カーン(出)バルラージ・サーハニー、ディーナーナート・ズッチ、バーダル・ベーガム、ギーター

1947年のインド・パキスタン分離独立直後の古都アグラを舞台に、イスラーム教徒の一家が、パキスタンに移住すべきか、インドに留まるべきか悩む姿を描く。監督のM・S・サティユーはIPTAの影響を受けた舞台演出家でもあり、脚本家のS・ザイディーは妻である。

10月18日(木) 14:00~ / 10月26日(金) 18:00~ / 11月10日(土) 11:00~

『炎』 SHOLAY (FLAMES OF THE SUN) ( 198分・35mm・カラー・ヒンディー語 )

‘75(監)ラメーシュ・シッピー(脚)サリーム=ジャーヴェード(撮)ドワールカ・ディヴェーチャー(音)ラーフル・デーウ・バルマン(出)アミターブ・バッチャン、ダルメーンドル、サンジーウ・クマール、ヘーマー・マーリニー、ジャヤー・バードゥリー、アムジャド・カーン

『荒野の七人』(1960)の翻案で、盗賊に家族を殺された村長が流れ者2人を雇い復讐する。大スター5人の豪華顔合わせ、盗賊の首領役A・カーンの熱演等が評判を呼び、数年間ロングランの大ヒットに。マルチスター映画ブームの原点で、当初は70mmで公開。

10月18日(木) 19:00~ / 11月13日(火) 15:00~

『ミュージカル女優』 BHUMIKA (THE ROLE) ( 143分・35mm・カラー・ヒンディー語 )

‘76(監)(脚)シャーム・ベネガル(脚)ギリーシュ・カルナード、サッティヤデーウ・ドゥーベー(撮)ゴーヴィンド・ニハラーニー(音)ヴァンラージ・バーティヤー(出)スミター・パーティール、アモール・パーレーカル、ナスィールッディーン・シャー

インド・ニューシネマの旗手S・ベネガル監督作品。ボンベイ(現ムンバイ)の映画界で1940~60年代に活躍した女優ハンサー・ワードカルの自伝に基づく。男性遍歴を重ねながら女優が自分のアイデンティティを探していく。往時の映画界の様子がリアルに描かれる。

10月19日(金) 15:00~ / 11月13日(火) 19:00~

『苦いひとくち』
NEEM ANNAPURNA (BITTER MORSEL) ( 92分・35mm・白黒・ベンガル語 )

‘79(監)(脚)ブッダデーブ・ダスグプタ(原)コモルクマル・モジュムダル(撮)コモル・ナエク(音)デバシシュ・ダスグプタ(出)モニディバ・ラエ、シュニム・ムコパッダエ

現在も精力的に芸術映画を撮り続けるB・ダスグプタ監督の第2作。カルカッタ(現コルカタ)のスラムに暮らす教養ある一家が飢えに苦しみ、ついには隣人の米に手を出してしまう。貧しさゆえに本性をむき出しにせざるを得なかった人間を描く衝撃作。

10月19日(金) 19:00~ / 11月15日(木) 15:00~

『魔法使いのおじいさん』
KUMMATTY (THE BOGEYMAN) ( 89分・35mm・カラー・マラヤーラム語 )

‘79(監)(脚)G・アラヴィンダン(原)(脚)(音)パニッカル(撮)シャージ(美)ナンブーディリ(音)カーパーラム・ナーラーヤナ(出)ラームンニ、マスター・アショーカン、ビラーシニ

映像詩とも言うべき作品の数々を残して1991年に亡くなった、ケーララ州の映画作家G・アラヴィンダン。魔法使いのおじいさんと小学生たちの交流を描く本作では、ケーララの美しい自然が画面を彩っている。「クンマーッティ」の歌を始め、劇中の歌の数々が耳に残る。

10月20日(土) 11:00~ / 11月2日(金) 19:00~ / 11月07日(水) 15:00~

『踊り子』 UMRAO JAAN ( 145分・35mm・カラー・ヒンディー語 )

‘81(監)ムザッファル・アリー(原)ミルザー・ハディー・ルスワー(脚)シャマー・ザイディー、ジャーヴェード(撮)プラヴィーン・バット(美)バンシー・チャンドラグプタ(音)カイヤーム(出)レーカー、ファールーク・ シェーク、ナスィールッディーン・シャー、ラージ・バッバル

インド大反乱(セポイの反乱)が起きた1850年代のラクナウで、日本の芸妓にあたる踊り子ウムラーオ・ジャーンが辿る数奇な運命の物語。ヒロインを演じた人気女優レーカーの美しさに目を奪われる。2006年にアイシュワリヤー・ラーイ主演でリメイクされた。

10月20日(土) 16:00~ / 11月8日(木) 15:00~

『ねずみとり』
ELIPPATHAYAM (THE RAT TRAP) ( 121分・35mm・カラー・マラヤーラム語 )

‘81(監)(原)(脚)アドゥール・ゴーパーラクリシュナン(撮)ラヴィ・ヴァルマ(美)シヴァン(出)カラマナ、シャーラダ、ジャラジャ、ラージャム・K・ナーヤル

A・ゴーパーラクリシュナン監督は、ケーララ州の仮面舞踊劇カタカリを継承する家に育ち、演劇界でも活躍。お屋敷の当主なのに、何かにつけ上の妹に依存する男が、彼女の不在で精神に異常をきたす。本作も舞台劇を思わせる作りになっている。

10月21日(日) 11:00~ / 11月9日(金) 19:00~

『お水よお水』
THANNEER THANNEER (WATER WATER) ( 143分・35mm・カラー・タミル語 )

‘81(監)(脚)K・バーラチャンダル(原)コーマル・スワーミナータン(撮)B・S・ロークナート(音)M・S・ヴィシュワナータン(出)サリター、グハン、R・K・ラーマン

『ムトゥ 踊るマハラジャ』(1995)の冒頭にも顔写真が出るK・バーラチャンダルは、社会的な視点を持つ娯楽作を作る監督として有名。本作は、水不足の村の窮状を救おうとするよそ者の男と、彼に協力する女性たちの活動を通して、政治を考えさせる作品となっている。

10月21日(日) 16:00~ / 11月07日(水) 19:00~

『三日月』 MOONRAAM PIRAI (CRESCENT MOON) ( 144分・35mm・カラー・タミル語 )

‘82(監)(脚)(撮)バール・マヘーンドラ(音)イライヤラージャー(出)カマラハーサン、シュリーデーヴィ

交通事故のショックで記憶を失い、幼児化した娘を引き取って面倒を見る青年教師。いつしか彼の気持ちは愛情に変わるが・・・。タミル語映画のトップ男女優を使った、見応えある娯楽作。B・マヘーンドラ監督はカメラマンとしても有名で、マニラトナム監督のデビュー作の撮影も担当。

10月23日(火) 15:00~ / 11月3日(土) 16:00~

『パニおばさん』 PHANIYAMMA ( 108分・35mm・カラー・カンナダ語 )

‘82(監)(脚)プレーマ・カーラント(原)M・K・インディラ(撮)マドゥ・アンバートゥ(美)K・S・シュリーダル(音)B・V・カーラント(出)L・V・シャーラダ・ラーオ、プラティバー・カーサルヴァッリ、アルチャナー・ラーオ

19世紀後半の南インドを舞台に、幼くして未亡人となった女性の一生を描く。当時は幼児婚がごく普通に行われ、夫が亡くなると妻である少女は剃髪し、白い衣裳をまとって一切の楽しみから遠ざけられた。女性監督P・カーラントが実在の人物をモデルに映画化した。

10月23日(火) 19:00~ / 11月11日(日) 11:00~

『思い出の中から』
SMRITI CHITRE (MEMORY EPISODES) ( 126分・35mm・白黒・マラーティー語 )

‘83(監)(出)ヴィジャヤー・メーヘター(脚)マンゲーシュ・クルカルニー(撮)R・C・マーパクシー(音)モーハン(出)スハース・ジョーシー、パッラヴィ・パーティール、ラヴィーンドラ・マンカニー、シリーシュ・ジョーシー

19世紀末の西インドに実在した女性の生き方を通して、宗教問題、カースト問題を描く。11歳で教育者の夫に嫁いだ女性が、夫にふさわしい人間になろうと努力するうちに目を開かれていく。V・メーヘターは元々は舞台女優兼脚本家で、芸術映画で女優としても活躍。

10月24日(水) 15:00~ / 11月8日(木) 19:00~

『渡河』 PAAR (THE CROSSING) ( 130分・35mm・カラー・ヒンディー語 )

‘84(監)(脚)(撮)(音)ゴータム・ゴース(脚)パルター・バナルジー(出)ナスィールッディーン・シャー、シャバーナー・アーズミー、オーム・プリー

B・ダスグプタ監督と並び、ベンガル語芸術映画を牽引するG・ゴース監督作品。カースト差別で村を追われ、金を稼ぐため大河を横切って豚の群れを渡すという難事に挑む夫婦を描く。G・ゴース監督初のヒンディー語作品で、ヴェネチア国際映画祭でN・シャーが主演男優賞を受賞。

10月24日(水) 19:00~ / 11月4日(日) 11:00~

『チダムバラムの愛』 CHIDAMBARAM ( 103分・35mm・カラー・マラヤーラム語 )

‘85(監)(脚)G・アラヴィンダン(原)C・U・スリーラーマン(撮)シャージ(音)デーヴァラージャン(出)ゴーピ、シュリーニヴァーサン、スミター・パーティール

『魔法使いのおじいさん』のG・アラヴィンダン監督作品。同監督作品の常連ゴーピが牧場の監督者役で出演。有名な寺院のある町チダムバラムからやってきて牧童の妻となる女性に惹かれていく中年男の心理を描き出す。S・パーティールは本作公開の翌年に急死した。

10月25日(木) 15:00~ / 11月4日(日) 16:00~

『第一の敬意』
MUDHAL MARIYADHAI (PRIME HONOUR) ( 163分・35mm・カラー・タミル語 )

‘85(監)(脚)バーラディラージャー(原)R・セルヴァラージ(撮)B・カンナン(音)イライヤラージャー(出)シヴァージ・ガネーサン、ラーダー、ディーパン、ランジャニ

村の実力者がよそ者の女性との間にあらぬ噂を立てられるが、彼女の真心に触れその真実の愛を知る。バーラディラージャーはタミル語映画の人気監督の一人。ラジニカーント主演作でもお馴染みの大御所俳優S・ガネーサンが誠実な初老の男を好演、ヒット作となった。

10月25日(木) 19:00~ / 11月16日(金) 15:00~

『ゴアの恋歌』
TRIKAL (PAST, PRESENT, FUTURE) ( 141分・35mm・カラー・ヒンディー語/英語 )

‘85(監)(原)(脚)シャーム・ベネガル(撮)アショーク・メーヘター(美)ニティーシュ・ラーイ(音)ヴァンラージ・バーティアー(出)リーラー・ナーイドゥー、ニーナー・グプター、ナスィールッディーン・シャー

『ミュージカル女優』のS・ベネガル監督作品。ポルトガル領だったゴアは61年にインドにより解放されたが、その直前ある旧家に集まった人々の人間模様を描く。ポルトガル文化の香りが魅力的。人気ポップス歌手レモ・フェルナンデスとアリーシャー・チナーイーも出演。

10月26日(金) 15:00~ / 11月11日(日) 16:00~

『青春の終着点』 YEH WHO MANZIL TO NAHIN (THIS IS NOT OUR DESTINATION) ( 132分・35mm・カラー・ヒンディー語 )

‘86(監)(原)(脚)スディール・ミシュラ(撮)デーウリン・ボース(美)ラビーン・ダース(音)ラジャト・ドゥラキアー(出)マノーハル・シン、パンカジ・カプール、ナスィールッディーン・シャー

ムンバイの裏の顔を描く作品を作り続けているS・ミシュラ監督のデビュー作。久しぶりに故郷に戻った3人の老人が、眼前で起こる労働争議によって自分たちの大学時代を思い出す。当時大学生として反英独立闘争に身を投じていた彼らには、苦い思い出があった。

料金

一般500円 高校・大学生・シニア300円 小・中学生100円 障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。
発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。発券は各回1名につき1枚のみ。
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール
定員:310名(各回入替制) http://www.momat.go.jp/

2007年10月9日(火)~11月16日(金)まで
※ただし毎週月曜日は休館

2007/10/05/21:46 | トラックバック (0)
国立映画アーカイブ(元フィルムセンター)
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