スウェーデン・ドキュメンタリー新作選

Swedish Documentary Now

極北のアーム・レスラー
アリスと私

ィルムセンターでは、このたびスウェーデン文化交流協会、スウェーデン映画協会との共同で「スウェーデン・ドキュメンタリー新作選」を開催することとなりました。国際的にも高い評価を得ている同国ドキュメンタリー映画の中から、長篇5本、短篇5本の新作、話題作を選び、6プログラムに編成して紹介いたします。
皆様のご来場をお待ち申し上げます。

の度は、現代スウェーデンの珠玉のドキュメンタリー作品選を皆様にご紹介することができ、大変嬉しく思います。
ドキュメンタリー映画とは、人間個々の物語であり、作家がどのように現実を認識し展開していくかを視覚的に具体化したものです。人間という存在の複雑さを理解するための、未知・矛盾・軋轢・欲望といった要素の上に成り立つ、力強く独特なヴィジュアル・アートであるとも言えます。それは私たちの心情を変化させる可能性を秘め、ひいては私たち自身をも変化させていきます。
ドキュメンタリー映画はスウェーデンの文化に深く根差したものであるため、日本の皆様にどのように受けとめて頂けるのか、私としては大変興味のあるところです。今回の作品それぞれが皆様の心に届き、もっと見たいという更なる欲求を掘り起こしていくことを心から期待しています。
今回の上映作品の中には、ベルリン国際映画祭での受賞作品や、世界でも最大級のアムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭(IDFA)のコンペティション作品も含まれ、4作品はスウェーデンのアカデミー賞(Guldbagge:金のカブト虫賞)を受賞しています。そして、批評家からも高い評価を得ている「アリスと私」もスウェーデン国外で初の上映となります。
皆様、どうぞお楽しみ下さい!」

トーヴェ・ヘルシュコヴィッツ・トールビョンソン
(スウェーデン映画協会フィルム・コミッショナー)

料金
一般500円 高校・大学生・シニア300円 小・中学生100円 障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。発券は各回1名につき1枚のみ。
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 小ホール
定員:151名(各回入替制)
http://www.momat.go.jp/

2007年10月27日(土)~11月4日(日)まで
※ただし毎週月曜日は休館

スケジュール
10/27(土) 12:00~『極北のアーム・レスラー』(78分) 15:00~『代理教師』(85分)
10/28(日) 12:00~『明日は分からない(115分) 15:00~『アリスと私』(75分)
10/30(火) 18:00~『私は犬が嫌いだ』(29分)/『時は名前を持たない』(61分)
10/31(水) 18:00~【スウェーデン短篇選集】(計64分)『身を潜めて』(8分)『ブルー、カーマ、タイガー』(12分)『初体験の思い出』(15分)『彗星』(29分)
11/01(木) 18:00~『代理教師』(85分)
11/02(金) 18:00~『明日は分からない(115分)
11/03(土) 12:00~『アリスと私』(75分) 15:00~『私は犬が嫌いだ』(29分)/『時は名前を持たない』(61分)
11/04(日) 12:00~【スウェーデン短篇選集】(計64分)『身を潜めて』(8分)『ブルー、カーマ、タイガー』(12分)『初体験の思い出』(15分)『彗星』(29分) 15:00~『極北のアーム・レスラー』(78分)
上映タイトル一覧
10/27(土)12:00~ / 11/04(日)15:00~

極北のアーム・レスラー『極北のアーム・レスラー』
The Armwrestler from Solitude/Armbryterskan från Ensamheten ( 78分・35mm・カラー )

2004年製作 監督/脚本:ヘレーン・アールソンHelen Ahlsson,リーサ・ムンテLisa Munthe
製作:ヘレーン・アールソンHelen Ahlsson 撮影:エヴァ・セーデルスタムEwa Cederstam,ヘレーン・アールソンHelen Ahlsson,シーモン・プラムステンSimon Pramsten 編集:アンダシュ・テイゲンAnders Teigen 音楽:ヨアキム・ヘグストロム Joakim Hägström

北部のラップランド地方から現れ、無敵の強さを見せつける女子腕相撲世界チャンピオン、ハイディ・アンデションの日常と競技生活を捉えたもので、スウェーデンでは通常のドキュメンタリーの10倍ほどの観客を集めるヒット作となった。20以上の外国の映画祭で上映され、スウェーデンのオスカーとも言われる2004年の「金のカブト虫」賞でベスト・ドキュメンタリーに選ばれた。

10/27(土) 15:00~ / 11/01(木) 18:00~

『代理教師』The Substitute/Vikarien ( 85分・35mm・カラー )

2006年製作 監督:オーサ・ブランクÅsa Blanck,ヨハン・パルムグレンJohan Palmgren
製作:オーサ・ブランクÅsa Blanck,ペッテル・ハンソンPetter Hansson 撮影:ヨハン・パルムグレンJohan Palmgren 編集:ペッテル・ブルンデルPetter Brundell 音楽:ヨーラン・カイフェスGoran Kajfes,クリッレ・オルソンCrille Olsson

荒れた教室をどうにもできない若い教師が、73歳になった伝説の名教諭に助けを求め、クラスの再生を図る。スウェーデン教育界における教師の状況について主要な新聞でも大きな議論を呼んだ話題作で、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭などに出品されたほか、「金のカブト虫賞」でもベスト・ドキュメンタリーに選出されている。

10/28(日) 12:00~ / 11/02(金) 18:00~

『明日は分からない』
Tomorrow Never Knows/Om morgondagen vet man aldrig ( 115分・35mm・カラー )

2006年製作 監督/製作:キルシ・ネヴァンティKirsi Nevanti
撮影:ロベルト・ノルドストロムRobert Nordström 編集:ヤーン・アルヴェルマルクJan Alvermark 音楽:フレディ・ヴァドリングFreddie Wadling

ホームレス生活をやめてビジネス界に入ろうとする男と、引き続き明日をも知れぬトレーラー住まいを続けるその元ガールフレンドを追う。現代スウェーデンの都市生活や福祉の状況を巧みに切り取り、2006年のアムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭のコンペティションに出品された。

10/28(日) 15:00~ / 11/03(土) 12:00~

アリスと私
『アリスと私』
Alice and Me/Alice och jag ( 75分・35mm・カラー )

2006年製作
監督:レベッカ・ラスムッソンRebecka Rasmusson
製作:スティーナ・ガルデルStina Gardell 撮影:レベッカ・ラスムッソンRebecka Rasmusson ルーカス・エイセンハウエルLukas Eisenhauer 編集:ドミニカ・ヴィンクレルDominika Winkler,ベルンハード・ヴィンクレルBernhard Winkler 音楽:フェリックス・アーネルFelix Aneer

元歯科医、3度の結婚を経験し、90歳にしてスウェーデン社交界のセレブリティであり続ける老女アリス・ティマンダーの肖像が描かれる。周囲の偏見にめげず強い意志で生き抜くアリスの肉声に、出産を控えた監督のレベッカも勇気づけられてゆく。スウェーデンでは2006年のベスト・ドキュメンタリー部門にノミネートされた。

10/30(火) 18:00~ / 11/03(土) 15:00~

『私は犬が嫌いだ』 I Hate Dogs/Jag hatar hundar ( 29分・35mm・カラー )

2005年製作 監督:ペオ・ホルムクヴィストPeÅ Holmquist,スサン・カーダリアンSuzanne Khardalian
製作/撮影:ペオ・ホルムクヴィストPeÅ Holmquist 編集:トビィ・トロッテルToby Trotter

1910年代、トルコ人による虐殺を逃れてフランスに亡命したアルメニア人のほぼ最後の生き残りが語る貴重な証言をまとめた。時は名前を持たない

『時は名前を持たない』 Time Has No Name/Tiden har inget namn ( 61分・35mm・カラー )
1989年製作 監督/脚本:ステファン・ヤールStefan Jarl 撮影:パール・シェルベリィPer Källberg
編集:アネット・リュッケ=ルンドベリィAnette Lykke-Lundberg 音楽:ウルフ・ダーゲビィUlf Dageby

老いた農夫の夫妻が窮乏の中で静かに生きる様を、重厚なリアリズムを基調に捉えた一篇。監督は、テレビ向け作品に背を向け、1960年代以来独立の旗を掲げてきたベテランのステファン・ヤールで、ファン・ゴッホやブリューゲルといったヨーロッパ絵画の伝統を意識して作ったと述べている。1989年の第1回山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞を受賞した。

10/31(水) 18:00~ / 11/04(日) 12:00~

『スウェーデン短篇選集』 ( 計64分 )

『身を潜めて』 Hidden/Gömd ( 8分・35mm・カラー )

2002年製作 監督/製作/脚本:ダーヴィッド・アローノヴィチDavid Aronowitsch ハンナ・ヘイルボーンHanna Heilborn 監督:マッツ・ヨハンソンMats Johansson 製作:ウッラ・シーモネンUlla Simonen アニメーション:フレミング・ボルゲンFlemming Borgen 音楽:ヨナス・ボーリーンJonas Bohlin

不法入国のため隠れてスウェーデンに暮らす少年のインタビューを元に構成されたアニメーテッド・ドキュメンタリーで、抽象的なグラフィックと不安な色調が特徴的。

『ブルー、カーマ、タイガー』 Blue, Karma, Tiger (12分・35mm・カラー)

2006年製作 監督/脚本/撮影/アニメーション/編集:セシリア・アクティスCecilia Actis ミーア・フルテルスタム Mia Hulterstam 製作:リンダ・スタルノー Linda Sternö

駅の壁にスプレーで落書き(グラフィティ)を描く3人の若者が世の中に対する本音を語る、ドキュメンタリー・スタイルのクレイ・アニメーション。

『初体験の思い出』
Never like the First Time!/Aldrig som första gången! (15分・35mm・カラー)

2006年製作 監督/編集:ヨナス・オデルJonas Odell 製作:スサーン・グラーンローフSusanne Granlöf 撮影:パール・ヘリーン Per Helin

初めての性体験に関する男女の複数のインタビューを、それぞれタッチの違うスタイリッシュなアニメーションで映像化した。ベルリン国際映画祭短篇映画部門で金熊賞を受賞。

『彗星』 The Comet/Kometen (29分・35mm・カラー)

2004年製作 監督/編集:ヨハン・ローフステットJohan Löfstedt 製作:パートリック・アクセーンPatrik Axén 撮影:ブロル・ヤック・デ・ヴァルンBror Jaques de Wærn 音楽:レイフ・ヨルダンソンLeif Jordansson

1959年から1971年までの12年間に撮られた300本近い8mmフィルムを編集し、「彗星の落下で地球が破滅する前日の街の風景」という“物語”に再構成した野心作。

料金

一般500円 高校・大学生・シニア300円 小・中学生100円 障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。
発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。発券は各回1名につき1枚のみ。
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 小ホール
定員:151名(各回入替制) http://www.momat.go.jp/

2007年10月27日(土)~11月4日(日)まで
※ただし毎週月曜日は休館

2007/10/27/21:27 | トラックバック (0)
国立映画アーカイブ(元フィルムセンター)
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