特集:「WE ARE THE PINK SCHOOL!日本性愛映画史1965-2008」
70年代黄金期
7 (秘)湯の町 夜のひとで(渡辺護)………………………………… 佐藤 洋笑
8 歓びの喘ぎ 処女を襲う(高橋伴明)
9 特殊三角関係(山本晋也)
10 濡れた唇 しなやかに熱く(中村幻児)………………………… 島田 慎一
11 行く行くマイトガイ 性春の悶々(井筒和生)…………………… 佐藤 洋笑
12 ラビットセックス 女子学生集団暴行事件(小水一男)

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ピンク七福神 |  大蔵ヌーヴェルバーグ/00年代ニューウェーヴ |  ウェイルメイド作家たち |  加藤義一監督インタビュー

2月28日(土)より3月20日(金)まで、
シアターイメージフォーラムにて開催!

3月7日(土)、9日(月)、11日(水)、13日(金)

(秘)湯の町 夜のひとで ( 1970年/関東映配/70分 )

監督:渡辺護 脚本:日野渉 出演: 大月麗子、佐原智美、二階堂渚 港雄一

こに描かれているのは、「映画を撮る」行為に、何か纏わりつく後ろめたさであったり、世間からドロップアウトすることへの蠱惑であったり、といった因業の深さに他ならない。渡辺護監督の「映画界がどんどん悪い方向に行くんじゃないか」(※)という予感が、大和屋竺の脚本を得て生まれた本作には、大和屋が構築した荒涼とした世界を、渡辺監督ならではのセンチメントを抱えたエロ事師たちが彷徨い歩く、観終わったらさっさと家に帰って布団にもぐりこんでしまいたくなる哀切に満ちている。腐れ縁と蔑称されても不思議ではない深い絆を持つブルー・フィルムの監督・久生と、女優の雀。大和屋の書いた、あまりに文学的なト書き――
「ジー……カシャッ――
 次々と続く地獄のポーズ」
――で名高い、二人のエロ写真の自作自演撮影シーンをはじめ、そばに居るからこその捩れた哀しみが、全篇を多い尽くす。その二人を結びつける「映画」が、半端に「映画」に関わるものを粛清するかのように退場させ、二人を引き裂いていく展開には、ゾっとするような凄みがある。同じ「映画」に囚われている者として、この世界に踏み込めるのか、と問いかるかのように。

( 佐藤 洋笑 )

※ジライヤ別冊「大和屋竺」所収のインタヴューより。

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3月2日(月)、3日(水)、5日(木)、6日(金)

歓びの喘ぎ 処女を襲う ( 1981年/新東宝/62分 )

監督・脚本:高橋伴明 出演:下元史朗、山地美貴、忍海よしこ

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2月28日(土)、3月2日(月)、4日(水)、6日(金)

特殊三角関係 ( 1972年/新東宝/73分 )

監督:山本晋也 脚本:田村晋 出演:谷ナオミ、篠原千恵

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3月14日(土)、15日(日)、17日(火)、20日(金)

濡れた唇 しなやかに熱く ( 1980年/ミリオンフィルム/61分 )

監督:中村幻児 脚本:水越啓二 出演:小川恵、楠正道、笹木ルミ、豪田路世留

マンポルノでも数々の名演を残した小川恵のピンク主演作。彼女のちょっぴりファニーな可愛らしさと親しげな笑顔、白い肌の魅力が、余すところなくフィルムに焼きつけられているのが嬉しい。脚本家志望の青年とOLの出会いと別れを描いた甘辛い物語は、いささかありきたりでナルシスティックに思えるのだけれど、結末のシークエンスを冒頭に散りばめていく大胆な構成が、作品を凡庸から救っている。中村幻児の演出は、いつものごとくキレよし、テンポよし。「クレージー路線」を追求したピンクの諸作や、一般映画の代表作『ウィークエンド・ シャッフル』(82)の狂気と混乱とは無縁の作品ながら、それぞれがドラマを持った正統派のからみを、たっぷり巧みに見せてくれる。燃えてはみてもどこか燃え尽ききれない男と女の、「熱い」70年代と「しなやかな」80年代のはざまを感じさせる青春風景に添えられた、懐かしのテクノポップの数々も楽しい限り。あ、キス大会の司会者役で熱弁を振るう、若き快楽亭ブラック師匠(当時立川ポルノ)の雄姿もお見逃しなく!

( 島田 慎一 )

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3月15日(日)、17日(火)、19日(木)

行く行くマイトガイ 性春の悶々 ( 1975年/ミリオンフィルム/65分 )

監督:井筒和生(井筒和幸) 脚本:井筒和生、松岡一利 出演:三上寛、末永博嗣、高橋秀夫、茜ゆう子

者・三上寛のファンとしては必見の一本、という、明らかに書くことに困っている書き出しで恐縮だが、まあ、オレにとっては事実なので、ご容赦いただきたい。井筒和幸が、高校時代の仲間と立ち上げた映画制作グループ「新映倶楽部」にて、150万円をかき集めて35mmで撮影・製作された本作は、75年に自主上映された後、77年にミリオン・フィルムの配給で、全国に問われた彼の監督デビュー作(当時は「井筒和生」名義)。都会に憧れながらも、一歩踏み出せず、地方都市で飲んだくれるばかりのボンクラ連中。マイトガイを、トニーを気取ってつるむ彼らのダルでルードな性春。全編にちりばめられた映画青年の愛であったり、とりあえず突っ込んどけの投げやりなのか、サービス精神のあらわれなのか反応に困るの絡みの連発と、まあ、一時期の井筒センセの映画に本気で心酔した経験の有る人には、非常に興味深く、また邪険に扱えない魅力がある。その心意気に共鳴したか、我らが三上寛は、『新・仁義なき闘い 組長の首』に相通じる“アキラ”節を見事に奏で、彼お得意の狂気じみた暴れぶり奥にあるナイーヴさを前面に出して好演。元・ディランⅡ、大塚まさじのフォーキーなブルースも染みるぞ。

( 佐藤 洋笑 )

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3月14日(土)、18日(水)、19日(木)、20日(金)

ラビットセックス 女子学生集団暴行事件 ( 1980年/国映/61分 )

監督:小水一男 脚本:日野洸 出演:朝霧友香、野上正義、杉佳代子、柚木春美

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チケット

  • 前売り券: 1,200円【劇場窓口、チケットぴあ [Pコード:460-542]】
  • 当日料金:一般 1,400円/シニア・会員 1,000円
  • リピーター割引あり(チケットの半券提示で一般料金より200円引き)
  • 整理券制/各回定員入替制
http://pinkschool.cocolog-nifty.com/

2月28日(土)より3月20日(金)まで、
シアターイメージフォーラムにて開催!

2009/02/28/06:16 | トラックバック (0)
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