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風が強く吹いている

俺たちはつかんだ。
人生を変える一歩を。
無謀な可能性に挑んだ、寄せ集め10人のキセキ。

10月31日(土)全国ロードショー

INTRODUCTION

目指せ、箱根駅伝。
なぜ彼らは、無謀な闘いに挑んだのか?
答えは、ゴールの遥か向こうに待っていた──

『風が強く吹いている』1彼らの挑戦は、誰が見ても無謀だった。本人たちですら、不可能だと思っていた。ただ1人、この夢を企てた男、ハイジ以外は──。天に与えられた“走る”才能をもった2人の若者が出会った。致命的な故障でエリート・ランナーへの道を諦めたハイジと、事件を起こし競技から遠ざかった天才走者カケルだ。ハイジはカケルこそが、秘かに温めていた計画の切り札だと確信、壮大な夢への第一歩を踏み出す。それは、寛政大学陸上競技部の8人と、学生長距離界最大の華 <箱根駅伝>出場を目指すこと。ところがこの競技部とは名ばかりで、8人は陸上から縁遠い上に、漫画オタクや25歳の留年生、アフリカから来た留学生など、ユニークなキャラクターがそろっていた。だが、なぜかハイジは、自信に充ち溢れている。彼の編み出す緻密なトレーニング法と走ることへの信念、仲間への揺るぎない信頼が、皆を変えていく。やがて明かされる、ハイジの故障の理由とカケルが起こした事件の真相、そして8人それぞれが抱えてきた本当の想い。果たして、心を一つにした10人は、箱根の頂点に立つことができるのか──?
走るという行為だけで、観る者の胸をこれほどまでに熱く燃やすのは、欠点だらけのフツーの若者たち。昨日までは目的もなく生きていたが、仲間と固い絆を結ぶ喜びと、夢を追いかける充実感を知り、自らの限界に挑んでいく。そんな彼らがつかんだのは、生きる手ごたえ。映画『風が強く吹いている』は、この不安な時代に呑み込まれることなく、生きる実感を得るために、「新しい何かを始める」勇気と希望を与えてくれる感動作なのだ。

真の強さとは何かに迫る傑作小説、待望の映画化
今を輝く期待の若手俳優たちが、渾身の力でスクリーンを駆け抜ける!

『風が強く吹いている』2原作は、直木賞作家・三浦しをんの同名小説。選手たちの「走るとは何か?」の問いかけは、すべての人々の「生きるとは何か?」の問いかけに重なっていく。胸躍るスポーツ青春小説であると同時に、普遍的な人生のテーマを追いかけた作品として広く愛されている小説の、待望の映画化が実現した。長距離選手に必要なのは、“速さではなく強さ”──故障による泥沼から這い上がり、独自の結論に達したハイジを演じるのは、『ROOKIES─卒業─』の小出恵介。その確かな演技力で、若手俳優の中でも一歩抜きん出た存在だ。純粋に心の底から走ることを望むあまり、他人との衝突も多いカケルには、『バッテリー』の林遣都。その他、『体育館ベイビー』の中村優一、「ROOKIES」の川村陽介、『タッチ』の斉藤慶太斉藤祥太、ソフトバンクのCMで大ブレイクしたダンテ・カーヴァーなどが出演。また、津川雅彦がチームの監督役に扮して脇を固める。監督は、これがデビュー作となる大森寿美男。NHK大河ドラマの「風林火山」、「クライマーズ・ハイ」、映画『星になった少年』などの脚本家として知られている。本作のもう1人の主役は、箱根駅伝。コースの1区から10区までを忠実に再現、3万人のエキストラを集め、40ヶ所にカメラを設置、スクリーンにリアルなレースを再現した。10人が起こした本当の奇跡とは何だったのか? 2009年秋、スクリーンで、魂を焦がすレースが始まる──!

10月31日(土)全国ロードショー

Production Note

「なぜ、その姿は人を釘付けにしてしまうのだろう?」

『風が強く吹いている』3企画・製作の鈴木光は、毎年欠かさず見ている正月の風物詩・箱根駅伝を観戦しながら思った。冬の箱根路、しっかりと前を見据え走る選手たちの力強いまなざし。沿道に詰めかけ、割れんばかりの声援を送る大観衆。“走る”という極めてシンプルなスポーツが人を惹きつけてやまないその魅力は、一体何なのか?そんな時、1冊の本に出会う。直木賞作家・三浦しをんの「風が強く吹いている」だ。将来を約束されるほどの才能を持ちながら、怪我を負い走れなくなったハイジ。殻に閉じこもり、孤独に走る天才ランナー・カケル。そして陸上とはほとんど無縁の学生たち。彼らが出会い、やがて起こす奇跡の物語は、走ることの意味を問いながら、やがて人生の意味をも問い始める。10人の若者それぞれがもつ苦悩や失望感、誰しもが感じているネガティブな感情を仲間とともに夢を持つことで克服していく過程。本来、人間が持っているはずの<強さ>を手に入れるまでの挑戦と絆のドラマ。信頼しあえる仲間の存在、限界を超えるほど熱中する時間。“走る”姿を通して、夢に向かって踏み出す勇気を、何事にも動じない強いハートを描きたい。映画で、それを伝えたい。

挑戦するか、諦めるか。
一歩を踏み出す勇気が欲しい。

脚本家・大森寿美男は鶴見出身ということもあり、幼少の頃より箱根駅伝を沿道で見ていた。大好きな“箱根駅伝”を舞台にした小説の映画化。執筆した脚本は、鈴木をして「第一稿で、すでに決定稿」というほど完成度の高いものとなった。しかし、大森は内心、映画化は不可能かもしれないと考えていた。箱根駅伝というあの一大スポーツイベントをどうカメラに納めるのか…。ほどなく、撮影、照明、美術、録音とスポーツ映画を描く上で、右に出るものはいないといえるほどの精鋭スタッフが続々と決定。しかし、この壮大な世界の指揮を執る監督は、未だ不在だった。2007年。箱根駅伝本戦の前哨戦として10月に実施される予選会を視察したスタッフ一行は、その規模の大きさと得体の知れない迫力を目の当たりにして驚愕する。一般車道を封鎖した走行コース、選手たちの圧倒的な走り、3万人という大観衆が生み出す高揚感。「予選会でさえ、このレベルなのか??」さらに大規模な箱根駅伝本戦を、映画で再現しようとすること自体、あまりに無謀で不可能極まりないことだ!しかし、一番の見せ場であるレースシーンを中途半端に描けば、映画にする意味がない。挑戦するか、諦めるか。08年1月の箱根駅伝本戦。往路・復路の視察には、大森も同行。脚本家としての役目はすでに終わり、ただの温泉好きという理由だけで参加したつもりが、芦ノ湖の温泉の湯船を出る頃には、一転して<監督>という重責を背負うこととなる。それはスタッフ全員の希望だった。「脚本を一番理解している、大森さんに監督をやって欲しい。イメージを伝えてくれれば、僕たちが、俺たちがやる!!」脚本を書く際、大森は常にすべての登場人物の動きや表情、音や背景をもイメージした上で言葉を紡ぐ。たしかに、大森の頭の中にはイメージがすでに描かれていた。監督・大森寿美男の誕生である。

無謀な夢へ挑戦する若者たち

『風が強く吹いている』4俳優には、ランナーを演じきる上で必要な強靭な精神と肉体が欲しい。青臭い根性よりも、内面に秘める強さを表現できる演技力が欲しい。自主的にトレーニングを重ね、基礎的な体を作り上げた上で、演技に臨んでもらわなければ、この映画は成立しない。その可能性を秘め、過酷な条件に挑んだ俳優こそが、小出恵介、林遣都をはじめとする寛政大学陸上競技部の部員を演じる10人であり、ともにレースを闘い抜くランナーたちだった。08年7月、トレーニング開始と同時にクランクイン。役者にとって箱根を走る選手を演じるまでに厳しい練習が必要なように、監督のイメージを描く制作スタッフにとっても、箱根の走りをおさめるための技術的研究と体力的トレーニングが必要だった。走りについての専門的指導、および箱根駅伝の競技監修には、箱根駅伝の実務責任者として関東学生陸上競技連盟の総務委員長を務める日隈広至氏の協力を仰いだ。日隈氏は、俳優それぞれの体型、これまでの運動経験にそった個々のトレーニングメニューを作成。個人では、毎日約30分のジョギングをベースに、坂道ダッシュ、縄跳び、腹筋500回、腕立て伏せ200回など約2時間、さらにはトレーニングコーチをつけ週1度の合同練習の中で、ウォーミングアップやクーリングダウン、ストレッチの方法、走るフォームを調整してゆく。そして、多忙な役者陣のモチベーションを継続させるため、携帯から日々の自主トレーニングを報告・管理できる「風が強く吹いている」特設サイトを作成。それぞれが掲げる目標に向かって、課せられたメニューをどれだけこなしたか、どのレベルに達しているのか、どこでもトレーニング状況がわかる “寛政大学陸上競技部練習日誌”なる管理システムを構築。役者同士も互いのトレーニング状況を確認することができ、まさに切磋琢磨し合いながらの、本格的走りへの挑戦がはじまった。映画同様、不可能を可能に変え、箱根駅伝という無謀な夢へ挑戦する若者たちそのままに…。

「走りについて、一切妥協はしない!」
箱根路再現までの険しい道のり

国道15号、134号、1号にわたる箱根駅伝10区間全217.9km(東京・大手町~箱根・芦ノ湖間往復)。制作部は、撮影許可を取るために奔走する日々が続いた。警察へ日参し、都知事にまで許可を請うが、上下4車線が常時渋滞しているような主要国道を、一時的とはいえ撮影のために封鎖する、現実的な影響を指摘され、その厳しさを思い知る。
ならば、ビルの立ち並ぶ街中から、海を横目に、山道まで、効率よく撮影できる、どこか別の場所がないか、しかも箱根駅伝各区間の特徴的な風景と、各区をつなぐ中継所と酷似する場所は!その上で、交通規制に協力してもらえる場所は!!日本各地のフィルムコミッションへ相談を重ねる内、いくつかの候補地があがった。そして、街中の道路使用とエキストラ動員について、只ならぬ熱意を示してくれた北九州、福岡、大分のフィルムコミッションとチームを組むことになったのだ。
走りをおさめるための技術については、日々テストを重ねた。リハーサルなし、本番1回での撮影に挑むために、スタジアムを貸しきり、沿道の観衆を風船で見立てたカメラテストを実施。撮影中は、1回の走りの臨場感を出すために、常時3台、多い時には4台ものカメラを搭載した車両を開発。リモートコントロール機能つきカメラに、超望遠1000mmレンズを装着したカメラ。これで秒速5.5mで走るランナーの表情を鮮明に映し出すことが可能になった。どのスピードで、どの角度から、どの距離で、どう撮るか。レースに挑む、準備が着々と進められた。そして12月第2期クランクイン。九州ロケを経て、正月の箱根駅伝本戦の周辺でいったん東京に帰還。実際の予選会開催地でもある昭和記念公園をはじめ、撮影許可が取れた鶴見、小田原、芦ノ湖といった本戦でおなじみの各中継所、および都内近郊でのロケ、そしてセット撮影を行い、再度九州に戻り、2月クランクアップという撮影スケジュールが組まれた。寛政大学陸上競技部の巣窟、竹青荘(通称:アオタケ)の室内は、スタジオでセットを組んだ。3食飯付で家賃3万円という“訳アリ”な物件ながら、古くても掃除の行き届いた居心地のよい寮。アオタケメンバーの個性をそのまま表現する各部屋の内装は美術部の腕の見せ所。王子の部屋を埋め尽くす漫画は7000冊も集められた。室内のセット撮影にもかかわらず、映画全体の空気感を統一するために、レースシーン同様3台のカメラが設置された。そして俳優陣は休憩時にも、筋トレを欠かさない。走ってはマッサージを受け、走り込みすぎて故障したメンバーを励ましたり、成果を自慢して互いに刺激しあうその姿は、まさに、これから夢に挑む寛政大学陸上競技部員そのものだった。

「不可能を可能にする!」
それが製作陣のスローガンとなった。

『風が強く吹いている』5沿道の観衆、審判員、走路員、給水係など箱根駅伝を運営するスタッフ、レースの模様を報道する取材陣、先導する白バイ隊員、監督、コーチが乗る監督車、そしてレースに挑むランナーたち。33日のべ3万人のエキストラを、どうすれば集められるのか。エキストラ担当の苦難の日々は撮影直前まで続いていた。フィルムコミッションの情熱は比類なく、マラソン大会でのチラシ撒き、ロケ地近隣住居へのポスティング、各メディアへの告知依頼、大学陸上部への協力要請、あらゆる方法で告知活動が行われる。そして、撮影当日。全エキストラへの撮影地、集合時間の連絡、出欠の確認、現場への誘導、<応援>という演技指導。12月~2月という寒空の下、長時間、撮影に協力していただくにふさわしいケアを提供したい。昼食、差し入れ、温かい飲料、防寒具の提供、すべての手配…。衣裳部と装飾部は、寛政大学とともにレースに参戦する“架空の”大学すべての選手たちのユニフォーム、襷、ゼッケン、ベンチコート、のぼり、応援団の制服、そして駅伝を運営する側のスタッフユニフォーム、それらすべてを準備する必要があった。本戦レースを走る大学と、映画に登場する大学のユニフォームの色や柄は当然イメージを合わせなければならない。実景撮影時に映りこむ選手がアームウォーマーや手袋などの小物をつけて走るかどうかまで、確認せねばならない。しかし、箱根駅伝本戦はクランクイン後。今年の箱根駅伝の天気やレース展開を事前に知る術などあるわけもない。そして、スタートの号砲は、関東学生陸上競技連盟の協力により 葉昌幸会長に特別出演いただき、実況は、実際の箱根駅伝でも中継を担当しているアナウンサーが参加。一歩、一歩、夢への道のりを歩む。2009年1月2日・3日。第85回箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)本戦レースでの実景撮影。空撮はもちろん、スタート地点、各中継所、横浜、鶴見、箱根湯本を走るランナー、ゴール地点など、2日間でカメラ稼動は40台、総勢140名余りのスタッフが集結し、本戦の撮影に挑んだ。箱根駅伝関係者の協力によって、本戦の感動の裏で、本作の大がかりな実景撮影が行われていたのである。こうして臨場感あふれる映像が誕生した。

チーム全員で追いかける夢、 そしてつながれてゆく襷

寛政大学陸上競技部が無謀にもたった10人で挑んだ箱根駅伝。それぞれの“走り”を通して映画で伝えたい想い。「たとえ苦しい時があったとしても、人との絆を感じる瞬間が必ずあって、それが孤独を支える」。それは製作陣にとって「風が強く吹いている」映画化という共通の夢に向かって挑む道のりで、チーム全員が身をもって共有する想いとなった。細部にわたる徹底的なこだわりと熱意。決して諦めない気持ち。各ポジションが限界まで挑み、ベストを尽くすことで生まれる最高の瞬間。支えあい、励ましあうメンバーの存在。フィルムコミッションをはじめ、大学、高校の陸上部、3万人ものエキストラの皆さん、チーム全員で挑んだ映画化への道。この映画に関わるすべての人と人との出会いで生まれた絆こそが、夢を近づけた。そしてこの夢は観客へと託された。襷はさらにつながれてゆく。

C R E D I T

CAST
小出恵介,林 遣都
中村優一,川村陽介,橋本 淳,森 廉,内野謙太,ダンテ・カーヴァー,斉藤慶太,斉藤祥太
和久井映見(友情出演),高橋ひとみ(友情出演),近藤芳正(友情出演),
寺脇康文(特別出演),鈴木京香(特別出演)
水沢エレナ,五十嵐隼士,渡辺大,津川雅彦

STAFF
監督・脚本:大森寿美男 原作:三浦しをん(新潮社刊) 音楽:千住 明
企画・製作:鈴木 光 プロデューサー:坂本忠久 撮影:佐光 朗(JSC)  照明:加瀬弘行 美術:小澤秀高
録音:林 大輔 編集:田中愼ニ 監督補:中西健二 助監督:猪腰弘之 ラインプロデューサー:森 太郎
音楽プロデューサー:長崎行男 キャスティングプロデューサー:名須川伸吾 VFXスーパーバイザー:石井教雄
特別協力:関東学生陸上競技連盟 読売新聞社 日本テレビ
製作:光和インターナショナル,松竹,バンダイビジュアル,衛星劇場,木下工務店,
博報堂DYメディアパートナーズ,読売新聞,京王エージェンシー
企画協力:ボイルドエッグズ 新潮社 制作プロダクション:光和インターナショナル
配給:松竹 助成:文化芸術振興費補助金
2009/カラー/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/2時間13分
(C)2009「風が強く吹いている」製作委員会

http://www.kaze-movie.com/

10月31日(土)全国ロードショー

風が強く吹いている (新潮文庫 み 34-8) (文庫) 風が強く吹いている (文庫)
2009/09/07/18:58 | トラックバック (1)
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