新作情報
第58回 ベルリン国際映画祭 ジェネレーション14+部門 正式招待作品
2008年度 アカデミー賞外国語映画賞 オランダ代表作品

ドゥーニャとデイジー

性格は正反対だけど大親友。女の子ふたりの幸せさがしの旅がはじまる。

www.dunya-desie.com

11月7日(土)新宿K’s cinemaにてロードショー!
他全国順次公開

INTRODUCTION

アムステルダムからカサブランカへ――
最高の友達どうしのハートウォーミング ガールズ ロードムービー

『ドゥーニャとデイジー』1日本でも人気ドラマの映画化は珍しい話ではないが、本作は、02年からオランダで放映が開始され、高い人気を誇ったTVドラマ「ドゥーニャ&デイジー」の映画化だ。シリーズはオランダ国内の権威ある賞、最優秀テレビドラマに贈られるゴールデン・スタチュウをはじめ、数々の賞を受賞している。

主人公は、笑い転げているだけの少女でもない、かと言って大人にもなり切れない、揺れる複雑な18歳のドゥーニャとデイジー。育った環境や性格は全く正反対なのに親友同士の2人が、アムステルダムを発ち、波乱に満ちたモロッコの旅の中で、自分探し、幸せ探しを繰り広げる。
大人になる一歩手前で誰もが直面する、将来への希望と不安、家族との関係や考え方の違い、衝突。そして自分は一体何者なのかというアイデンティティの模索……。2人は旅先で色んな思いがけない出来事に遭遇し、価値観や考え方の違いから仲違いし、それでも相手のことが心配でならないことに改めて気づかされる。そんな彼女たちの友情、旅の終わりに人生の大きな決断をする姿を活写した本作は、“かけがえのない親友”を持ったことのある全ての女性の心を、共感と感動で満たすだろう。

ゴーストワールド』『下妻物語』……。正反対なのに、妙に気が合う女の子の親友同士の物語は、なぜか私たちの心をくすぐる。この『ドゥーニャとデイジー』も、そんなデコボココンビの面白さと、互いの痛みや幸せを自分のことのように感じて熱くなってしまう感動的な友情の両面をそなえた、“女子の友情物語”の代表作群に名を連ねるに違いない。

ビビッドな色彩あふれるエキゾチックな舞台背景

『ドゥーニャとデイジー』2一方、ロードムービーならではの、土地それぞれが放つ空気、人々の暮らしぶりを感じられるのも本作の大きな魅力だ。特に、モロッコ最大の都市カサブランカの入り組んだ旧市街は、謎めいたエキゾチックさで見る者を旅情に誘う。極めつけは、2人の旅の最終地点ともなるマラケシュとワルザザートの間にある世界遺産にも登録されている遺跡「アイト・ベン・ハッドゥ」。神秘的で、思わず見る者を厳かな気持ちにさせてしまうそれは、映画『アラビアのロレンス』、『シェルタリング・スカイ』、『グラディエーター』でも撮影に使われた場所である。

エキゾチックな舞台背景も魅力だが、人口の17%が外国人(移民を含む)であるオランダという国の懐の深さ、異なる人種・文化・宗教などの違いを超えた人々の暮らしにも興味をそそられる。モロッコ人であるドゥーニャと、生粋のオランダ娘のデイジーは大親友だが、厳格なイスラム教徒であるドゥーニャの家族は、奔放なデイジーを快く思っていない。しかし、ラストでそんな家族同士が見せる表情も、違いから学んで自分のルーツを振り返り、また相手をも認めて共生していくという、本作の大きなメッセージの1つである。本作が普遍的かつ珍しくはないテーマを扱いながら、見るものに新鮮な印象を強く不えるのは、そうした異文化の交流、異なる宗教からくる異なる生活習慣などが、さりげなく描き込まれているからだ。

女性ならではの感性が親密な共感を呼び起こす

『ドゥーニャとデイジー』3思春期における人生の選択、友情、母娘の物語、そして文化・宗教の違いから共生に至る道まで、本作はシリアスで難しい問題を扱ってもいるが、それらがユーモラスでポップに描かれているからこそ、見る者に親密な共感を呼び起こす。そんな風に、思春期の女子特有の悩みや感情の機微を、女性ならではの感性で描き込むという見事な手腕を発揮したのは、オランダの新鋭ダナ・ネクスタン。TVシリーズのパート1、2、3も手がけ、ドラマを成功に導いた一人である。プロデューサーもTVシリーズを手がけた、レオンティーン・ペティート。他には子供向けの映像作品を多数手がけている才女だ。

ドゥーニャを演じるのは、もちろんTVシリーズからの続投、知的な黒い瞳が魅力的なマリアム・ハッソーニ。映画の設定と同じく、両親はモロッコからの移民という背景を持つ。ドラマの成功で大ブレイクし、06年には国際エミー賞で最優秀女優賞を受賞、今ではオランダ期待の星と言われる。デイジーもドラマから引き続き、エヴァ・ヴァンダー・ウェイデーヴェンが演じる。数々のドラマで活躍を続けている新進女優だ。
才能ある女性たちが集まって完成した本作は、08年ベルリン国際映画祭ジェネレーション14+部門に正式招待され、温かい笑いと涙で感動を呼んだ。08年度アカデミー賞外国語映画賞のオランダ代表作品にも選ばれた他、サラエボ映画祭では最優秀ティーン映画賞受賞、イザベラ映画週間(イタリア)グランプリを受賞している。

11月7日(土)新宿K’s cinemaにてロードショー!他全国順次公開

インタビュー

マリアム・ハッソーニ(ドゥーニャ)とエヴァ・ヴァンダー・ウェイデーヴェン(デイジー)

『ドゥーニャとデイジー』4エヴァ モロッコは刺激的で興味深い経験だったわ。想像以上に多くのことを学んだ。モロッコ語もそう。結構頑張ったのよ。最近トラムに乗っていると何人かのモロッコ人の女性たちが話をしてたの。すぐに私は彼女たちの会話に入りたい!って衝動に駆られたわ。

マリアム 外国で仕事をするのは素晴らしいチャレンジになるって思ったの。どんな経験をするのか、本当にワクワクしたわ。私はモロッコ人で、モロッコは何千もの文化や言語にあふれた巨大な国なのよ。私の出身は北部で、撮影が行われたのは南部。北部と南部では全く違うアクセントで話すの。食べ物も風景も全然違うし。カサブランカに着いたときあんなに平地の景色が広がっているなんて、驚いたわよ。モロッコは山々に囲まれた国だとばかり思ってたから。

現地撮影スタッフとの協力関係は本当に特別なものだった。

エヴァ 彼らは普段『グラディエーター』や『バベル』といった巨大な映画のセットで働いているから、驚くほど経験豊富。彼らは私たちにはさっぱり分からない現地の言葉で物事を進めるのだけど、こちらはこちらで何とかフランス語や英語でコミュニケーションを図ったの。撮影後の空き時間にはみんなと一緒に時間を過ごしたわ。オランダ人対モロッコ人でサッカーもよくやったし。キャストとスタッフたちは夜にディナーやダンスでしょっちゅう一緒に出かけたものよ。

ドゥーニャとデイジーの性格は非常に異なる。

『ドゥーニャとデイジー』5エヴァ ドゥーニャは慎ましくて知的だけどデイジーはずぼらで感情的。ドゥーニャが真実の愛を信じていて、一方デイジーは男にだらしがなくて、二股をかけながら結局どっちともいいやってなってしまう。テレビでこの連続ドラマを演じるのはお互い自然なことで、私たちはただ心に浮んだものを演じただけなの。
映画化って話が来たとき、私たちはあの時より歳を重ねているし、映画や舞台で他の役を演じてきたから、どうやって今のドゥーニャとデイジーを捉えたらいいのか、正直不安だったの。だけどリハーサルの間にほんの10分でその性格を取り戻したことに気付いた。私はデイジーのことが理解できる。みんな何らかの瞬間にそういった感覚を経験するものよ。学校を卒業して何をするべきか、とか、人生にどう取り組んでいくのか。それがデイジーが父親を探したいと思った理由よ。だからこそ観客がデイジーにシンパシーを感じることができるのだと思うわ。

マリアムが取り戻さなければならないものがひとつあった。

マリアム 連続テレビドラマでのドゥーニャの瞳には夢見心地の雰囲気があるんだけど、それは当時の私が青春期に持つありのままの表情なのよ。(映画は2008年、テレビドラマシリーズは2002年~2004年だったので)これにはちょっと困っちゃったけど、何とかがんばって完璧にあの表情を取り戻すことができたと思う。

C R E D I T

監督:ダナ・ネクスタン  脚本:ロバート・アルバベルディング・タイム  撮影:ベルト・ポット
美術:ジェラルド・ローマンズ、ミンカ・モーレン 音楽:スティーブ・ウィラード
出演:マリアム・ハッソーニ、エヴァ・ヴァンダー・ウェイデーヴェン、
クリスティン・ヴァン・ストラーレン、テーオ・マーセン、ラチダ・イアッララ
2008年/オランダ・ベルギー/102分/35mm/カラー
原題:Dunya&Desie  日本語字幕:ミヨコ・フォルテ/監修:クラベ・エスラ
提供:ワコー 配給:ワコー+グアパ・グアポ
(C)2007 DUNYA & DESIE DE FILM CV
www.dunya-desie.com

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ゴーストワールド [DVD]
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  • 監督:テリー・ツワイゴフ
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2009/09/18/22:12 | トラックバック (0)
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