インタビュー
日下宏美監督

日下 宏美 (監督)

映画『FURUSATO~
宇宙からみた世界遺産』について

公式

6月19日(土)より、
ワーナー・マイカル・シネマズ板橋
ほか全国3D映画館にて公開!

小惑星探査機「はやぶさ」を地球に帰還させるという、宇宙開発史に残る偉業を成し遂げたことも記憶に新しいJAXA。現在も小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」や金星探査機「あかつき」など、様々な挑戦に取り組んでいる。そうしたJAXAの事業の一つに地球観測衛星「だいち」の運用がある。6月19日より全国の劇場で公開される「FURUSATO~宇宙からみた世界遺産」は、この「だいち」が撮影した雄大な映像と超高精細デジタルカメラを用いた3D映像を織り交ぜながら世界遺産を巡っていく映像作品だ。撮影時の話や作品に対する思いなど、日下宏美監督にお話をうかがった。 (取材:仙道勇人

日下宏美(監督)
1961年生まれ。映像ディレクター。85年にTBS映画社(現TBSビジョン)入社。2006年に独立し、株式会社BLUeを設立。代表作はTBS「世界遺産」(現「THE世界遺産」)で、企画当初から関わり、これまで約100本の作品を演出、現在も活躍中。独立後は、CM、PVの分野にも進出、DOCOMOや資生堂などのCMを手がける。「世界遺産」でギャラクシー賞月間賞2回、同特別賞2回受賞、DOCOMO企業CMでもギャラクシー賞を受賞している。

――映像が本当に素晴らしかったです。

日下宏美監督2日下 ありがとうございます。

――監督はTBSの人気番組である『世界遺産(現「THE 世界遺産」)』の立ち上げ当初から携わっておられます。『世界遺産』は、かなり早い時期からハイビジョン映像にこだわってきた番組でもありますが、今回の3D化というのもそうした映像美の追求のような思いがあったのでしょうか?

日下 いや、特に3D化という企画ではないんですよ。『世界遺産』という番組から発展した話というわけではなく、元々はJAXAの地球観測衛星「だいち」が、宇宙から地球を撮った衛星写真から始まった話なので。

――作品内容について聞かせていただきたいのですが、今回、地上パートとして数ある世界遺産の中からNZ・エジプト・日本の三カ国を選ばれたのはどういった狙いがあるんでしょうか?

日下 世界遺産という括りには、「文化遺産」「自然遺産」の他に「負の遺産」と呼ばれているものもあるので、それらを代表するものをということですよね。「文化遺産」ならほぼ人類史の中で最初の高度な文明ということで「エジプト」を。NZは自然の中に太古の地球の面影が残っているということもあるんですが、様々なものを撮れるところにも惹かれましたね。熱帯雨林がある一方で、山の上に行けば氷河もあると。それと個人的にも是非一緒に仕事をしたいと思っていた優秀なヘリコプターのパイロットもいましたので。 日本を選んだのは、やはり世界でも滅多にない「負の遺産」の一つである原爆ドームがあるというのも理由なのですが、水辺にある建築という意味ではフランスのモン・サン=ミシェルに匹敵するくらい、世界的にはエキゾチックな厳島神社が地理的にも近かったので、一緒に日本代表という形で組み合わせたかったんです。

――監督は現地に同行されていると思うのですが、撮影はどういった形で進められたのでしょうか?

日下宏美監督3日下 3D映像なのでカメラは二台使用して撮影しています。実際の撮影段階から3D用に撮影していますので、セッティングを気軽に変更して撮れる状況ではなかったですね。モニターも一応、画角としてはチェックできる体制にはなっていましたが、何回も3Dでは観られないんです。収録の一回目だけは3Dで観られるので、1カットずつ3Dで撮っていくという工程をずっと繰り返していく感じです。

――そうしますと、作品の中でも出てきますが、例えばサザーランド滝に虹が架かるカットですとか、ピラミッドに沿って太陽が昇っていくカットといった印象的な映像の作り込みは、監督の指示で撮られているんですか?

日下 そうですね、狙って撮りにいっていますね。

――本作は「子ども目線のストーリー」で各地を繋いでいく形で構成されていますが、このコンセプトはどういった経緯で出てきたのでしょうか?

日下 それはより観やすくするためという点と、世界遺産が過去からの贈り物みたいなものでもあるので、それらを次の世代に繋いでいくという意味で「未来に送る」という思いを込めて、その象徴として「子ども」がいいと。個人的には、世界遺産というのはかけ離れた場所にある存在というよりも、"そこ"にある存在だという思いもありまして。エジプトならピラミッドの傍で暮らしている子どもたちがいて、日本の子どもたちと同じような生活があり、NZの大自然にしても凄いかけ離れた場所ではなくて、NZの子ども達はその自然を目の当たりにして日常的に関わり合いながら生きている、と。世界遺産だからといって凄い特別というわけではなくて、同じ地球の中の……まぁ、外国から見れば厳島なんて凄いエキゾチックな場所で、そこに子どもなんかいるのかって見えてしまうようなところでも、日帰りで観に行ける場所だったりするというような日常性を取り入れたかったので……特別ではなく、地球の中のそれぞれの地域に普通にある、という。

――3人の子ども達の中ではやはり内田伽羅さんに注目が集まりそうです。彼女が起用された経緯をお聞かせ下さい。

日下 元々オーディションで選ぶよりも存在感のある子どもを探そうということで、小川プロデューサーが最終的にまとめた企画書に写真を入れた形でプレゼンしたいという話があって。最初は写真を適当に選んで出そうかとも思ったんですが、(子ども役は)日本を代表する存在でもあるので、慌てて探し始めたんです。僕としては、ビクトル・エリセの「ミツバチのささやき」に登場するアンナという女の子に凄く惹かれていたこともあって、彼女に匹敵するような存在感のある子が日本人でいないかとずっと思っていたんです。実は企画書にもアンナの写真を縮小して入れてしまえばバレないかな、と思ったりもしたんですけど(笑)、それはさすがにまずいという話になって、一生懸命探していたらたまたま伽羅さんのお母様が参加しているバンドのアルバムの写真か何かを見つけて、これだと。『FURUSATO~宇宙からみた世界遺産』3それでプロデューサーや脚本の小山薫堂さんとの打ち合わせの時に相談してみたら、みんなもこれだ!と盛り上がって。小山薫堂さんが本木さんとは『おくりびと』で仕事の繋がりがあって、マネージャーの方とも懇意にされていたこともあって、マネージャーの方に出演交渉を始めたんです。僕たちが本木さんのお宅に伺って、伽羅さんに実際お会いしたら思っていた通りでしたね……。

――交渉自体は難航されたんですか?

日下 いや、すんなり進みました。本当に偶然が重なって上手くいった感じですね。

――それでは最後に読者にメッセージをお願いします。

日下 子ども目線にしたら難しい部分もあるかもしれませんが、特にネイチャー系の作品という気持ちで撮っているわけではないので、とにかく地球にはこんな場所があるんだということに浸ってもらいたいですね。映像から何かを学ぶとか堅苦しいことではなくて、まずは3Dの映像に心地好く浸っていただければと思いますね。

――どうもありがとうございました。

(6月9日 TBSビジョンにて 取材:仙道勇人

FURUSATO~宇宙からみた世界遺産 2010 日本
製作:日本科学未来館/TBSビジョン
プロデューサー:小川直彦 構成:小山薫堂 監督:日下宏美 音楽:清水靖晃 ナレーター:下條アトム
出演:内田 伽羅/マット・レイワード/ユセフ・ワエル/アブド・ムハンマド
協力:宇宙航空研究開発機構(JAXA)/ニュージーランド政府観光局/ニュージーランド航空 配給:TBSビジョン
2010年度作品/上映時間 38分
(C)2010 科学技術振興機構(JST)日本科学未来館・TBSビジョン
公式

6月19日(土)よりワーナー・マイカル・シネマズ板橋ほか
全国3D映画館にて公開!

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2010/06/20/19:47 | BBS | トラックバック (0)
仙道勇人 ,インタビュー
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