新作情報

中国で5年間の映画製作・上映を禁じられたロウ・イエ監督が、 自由な恋愛を謳歌しながらも、大きな孤独から逃れられない現代の中国の若者を描く。

ロウ・イエ監督公式インタビュー:
映画『スプリング・フィーバー』について

http://www.uplink.co.jp/springfever/

ロウ・イエ監督前作『天安門、恋人たち』(06)で、天安門事件を扱ったことと、その性描写により、中国電影局から06 年カンヌ国際映画祭コンペティションでの上映許可がおりなかったにも関わらず、その決定を無視してカンヌで上映。結果、5 年間の映画製作・上映禁止処分を言い渡されたロウ・イエ監督。これは『ふたりの人魚』(00)の時、無許可の撮影をしたために言い渡された2 年の上映禁止に次いで2 度目の処分となる。
本作『スプリング・フィーバー』では、5年の製作禁止処分を無視し、家庭用デジタルカメラを使用してゲリラ的に南京で撮影を敢行。完成後、09 年度カンヌ国際映画祭コンペティションで上映され、脚本賞を受賞した。
フランスでの次回作製作の合間を縫って、日本でのロードショー公開に先立ち来日を果たしたロウ・イエ監督は、急激に変化を遂げる中国社会で愛を求め生きる若者についてインタビューに答えた。

ストーリー
現代の南京を舞台に、“春の嵐(スプリング・フィーバー)”により掻き乱された一夜を彷徨うかのような、男女5人。 夫ワンの浮気を疑う女性教師リンは、その調査を探偵に依頼し、相手がジャンという"青年"であることを突き止める。 夫婦関係は破綻し、男ふたりの関係も冷え込んでしまう。その一方、探偵とジャンは惹かれあっていく。 ジャンと探偵とその恋人ジン。奇妙な三人の旅が始まった…。 狂おしいほどの欲望と絶望。移ろい、漂う、心と身体。静謐な画面からは、複雑に絡み合う想いと衝動が溢れ出し、普遍的な愛の物語が浮き上がる。

2010年11月6日(土)より、渋谷シネマライズほか全国順次公開

インタビュー
――この作品を製作するきっかけは?

『スプリング・フィーバー』1前作「天安門、恋人たち」を撮り終わった時点で次回作の構想ができていました。「天安門、恋人たち」では時代考証などで非常に時間も手間もかかり大変だったので、次は自分たちの身近な人物を描いた作品、愛に関する作品を作ろうと思い、今の中国を舞台にした中国の若者のラブ・ストーリーを描こうと決めました。

――その際に前作で5年間の映画製作禁止処分を受けていたことは、どのように影響しましたか?

『スプリング・フィーバー』を撮影する時は、中国では上映できないことが前提としてあったので、中国の審査制度を気にする必要がなく、自由に撮影できました。ただし、いつ撮影中止命令を言い渡されるかという覚悟はしていました。もしかしたら当局の干渉が入る危険性もありましたが、幸いにもそういったことはありませんでした。

――自由に撮れたということで、問題はなかったと?

はい。その代わり、私たちが直面したのはもっと別の、愛というものをどう解釈して撮るのかという大きな問題でした。自由がないときは、自由を最終の目標にしてしまいがちです。でも、自由を得てしまえば、それを失ってしまうことが問題になるのです。

――撮影禁止処分に対してどう考えていますか?

中国の電影局の映画の審査制度は今も存在しており、映画製作に大きな不利益となるので撤廃されるべきだと思います。私がこの処分を受けた後、中国国内では大学の先生や映画界の人が署名活動をして、この処分を撤廃するように働きかけてくれました。また国外でも、映画協会の人が署名活動をしてくれ、大変感謝しています。
『スプリング・フィーバー』2カンヌ国際映画祭で上映された後に、中国のあるサイトで、「性の不自由=政治の不自由だ」というようなことを言われたのですが、これはすごく当たっていると思いますね。私たちは、そういう不自由な状況に置かれている。性の不自由さというのと、本当に日常に直面している不自由さというのは同じ意味として中国で存在していると思います。

――同性愛が描かれていますが、これをテーマにしようと思ったのはなぜですか?

今日の中国の若者の姿・生活を撮ること、人と人との関係、愛についてが大きなテーマでした。
その中で同性愛は自然に出てきたのです。今では同性愛の問題は突出した珍しい現象ではなく、普遍的に存在しています。法律で禁止されているわけではないので。一見普通の人と同性愛の人と置かれている状況はなんら変わりありません。自由なんだけれども、目に見えにくい生活の圧力があります。私は中国のマスコミに対してこう言ったことがあります。「同性愛者が置かれている状況はすなわち人間が置かれている状況である」と。この映画の中で言いたかったのは、社会の中での圧力、生活の中での圧力です。その一部として同性愛を配置したのです。

――男性同士の性描写を多く使った理由は?

性愛の描写はこの映画では非常に重要ですが、ふたりの男が愛をかわしているシーンは男女のシーンと同じように描写しています。そこの意味は、愛というのは男女の区別はない、愛は性を超えて存在するものだと言いたかったのです。
なぜ男と女が恋をし、結婚しなければならないのか、ごく原始的な問題に立ち返って考えるわけです。いつから、そして誰が「異性愛」「同性愛」とわけてきたのか、そういったことをもう一度我々に意識させて考えてもいいのではないかと思ったのです。

――家庭用ビデオカメラを使って撮影された理由は?

『スプリング・フィーバー』3以前からデジタルビデオを使って撮ってみたいと思っていました。
ストーリーがデジタルビデオで撮影するにふさわしい作品であったことと、低予算であった為です。カメラが小さく、俳優がカメラを意識せずに自然に演技できましたね。一番いい効果はドキュメンタリーのような雰囲気がだせたことです。暗い場面、華やかな場面もあり、日常の場面そのまま再現できたと思います。

――最後に3人が旅に出るシーンが印象的でした

3人で旅にでるところは、楽しい旅にでるのではなく、3人それぞれ来るところまで来たという自覚を持っています。そして3人とも来るところまで来たので、新しい人生を踏み出したいと思っているのですが、それができない。同じ人を愛する者同士が、お互いに共通のものを感じると同時に、愛する人がそばにいながらも、大きな孤独感を感じてしまうのです。そこで3人は強い結びつきを得ますが、それは長くは続かないのです。人生とはそういうものですよね。それはまるで花の命と同じで、美しく咲き誇る時間は一瞬にしかすぎず、枯れてゆくのです。

――監督にとって映画とは?

映画を通して表現できるものはたくさんありますが、例えば愛、喪失感について表現できればと思っています。映画監督として人間とはどういうものか、生活とは、人生とはどういうものか関心を持って考えています。たとえば愛というものによって、人間に何をもたらすことができるのかを表現したいです。

スプリング・フィーバー 2009年 中国、フランス 第62回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞
監督:ロウ・イエ 脚本:メイ・フォン
出演:チン・ハオ、チェン・スーチョン、タン・ジュオ、ウー・ウェイ、ジャン・ジャーチー、チャン・ソンウェン
115 min /中=仏/ HD / 1:1.85 / Color / Dolby SRD
配給・宣伝:アップリンク
公式

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    ロッテルダム映画祭(00)タイガー・アワード受賞、東京フィルメックス(00)最優秀作品賞を受賞し、 ロウ・イエ監督が世界で評価されるきっかけとなった『ふたりの人魚』DVDを10名様にプレゼント!
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2010年11月6日(土)より、渋谷シネマライズほか全国順次公開

天安門、恋人たち [DVD]
天安門、恋人たち [DVD]
ふたりの人魚 [DVD]
ふたりの人魚 [DVD]

2010/11/03/04:04 | BBS | トラックバック (0)
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