インタビュー
『花子の日記』松本卓也監督

松本 卓也 (映画監督)

映画『花子の日記』について

公式 youtubeリンク『花子の日記』予告編

2011年11月26日(土)より、オーディトリウム渋谷にて公開!

ブランド牛の精子を取り戻せ!日韓親娘のハートフルな変態風味コメディ・映画『花子の日記』
(取材/文:デューイ松田)

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映画の旨み・カルビ/
松本監督真骨頂のド変態描写について

花子の日記――永島さん演じる吾郎の固執ぶりも面白かったんですけど、この映画を支えるカルビの部分。松本監督の真骨頂というべきド変態描写。保健室で繰り広げられる牛の花子の身体検査シーンに現れてましたね。

松本 (爆笑)僕は今回あのトラウマの部分に一番力が入りました!

――牛の被り物って可愛いんだけど、吾郎が牛の花子たちを身体検査したり、無数の牛の花子に取り囲まれるあのシチュエーションの異様さ。お笑いのオブラートに包んでいるけど、デビッド・リンチ的悪夢の松本バージョンでした。

松本 永島さんにはお父さんの吾郎じゃなくて、あくまでちょっと気持ち悪い“花子が見てるお父さん”になっていただいて、女学生の体まさぐってくれってお願いしました。脚本の段階からプロデューサーの理解を得られなくて。「これホントにいるの?」って最初から最後まで言われた。

――あれがなければ多分普通の映画ですよ(笑)。あれでカナさんの飛びっぷりもバランスがよくなってくる。

松本 イッちゃったシーンがないと松本流金太郎飴じゃなくなっちゃうと思ったんです。撮影当時、口蹄疫が流行った頃で、たくさんの牛とも撮影はできないといった苦難もあったけど、あのシーンでトラウマや牛感が表現できたかなと。一番観て欲しいシーンです!

――ポスタービジュアルにしてもいいくらいですよね。最終的にプロデューサーの理解は得られたんですか。

松本 いやホント。ポスターあれでいいよね!映像がつながって「やっと意味が分かった」って言われました(笑)。

広く愛されるモモ肉/ご当地映画としての『花子の日記』

――では最後の質問。モモ肉のように広く愛されるご当地映画としての顔ですね。『花子の日記』は前作『グラキン★クイーン』に続いて2年連続でさぬき映画祭の助成作品として制作されました。オール香川県ロケで、小豊島から高松市、木田郡と様々な場所で撮影されてましたがいかがでしたか。

松本 前から東京生まれと思われないんです。よく地方で映画を撮ってるせいだと思うんですけど、撮る度にその地方出身ですかとか言われる。生粋の東京っ子の渋谷生まれなんですけど(笑)。昔から気付いたら離島に魅せられています。じいちゃんばあちゃんのルーツが長崎県の壱岐島で、実際には小さい頃に一回くらいしか行ったことがないんですけど、そんなこともあって離島が好きなのかな。

――離島や地方のどういったところに魅力を感じますか。

松本卓也監督松本 都会に無いものがまだギリギリ残ってますよね。景色もそうだし、人間付き合いが非常にアナログ。良くも悪くも暮らしてく上で個人プレーはできないから、1人になりたいときになれないんだけど、そこに懐かしい連帯感がある。でもずっとそこに居られるかって言うと、ないものねだりの世界かもしれない。3.11以降だと、みんな徐々に東京から地方に行くんじゃないかとか、東京はひっくり返るんじゃないかとか、そんな危惧があります。今一番応援したいところって実は東京だったりするから、東京が元気になる映画を撮りたい。友達でも何家族かは地方に帰って行ったし、やはり震災後は街に元気がない。自主映画を始めたころはずっと地元で撮っていたから立ち返って、大きく東京とは言わずとも、せめて渋谷区とか地元の幡ヶ谷。逆に地方から東京を元気にするような映画を作ってみたいなと思います。

――今現在進んでいる企画はあるんですか。

松本 いろんな企画があってそれぞれ進めているんだけど、『グラキン★クイーン』は僕の中で純然たるコメディだったんだけど、『花子の日記』はコメディじゃなくて、ビーフ級サスペンス(笑)。『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』を思い浮かべながら書いてた(笑)

――りっぱなコメディですよ(笑)。『グラキン★クイーン』は前半がまとまりに欠けていて、どうなるんだろうって心配しながら観ていたんですけど、後半は上手く落ちていった印象がありました。『花子の日記』は随分スッキリした印象でしたね。

松本 次はコメディって言われないくらいシリアスなものを書きたいです。

――『花子の日記』は口当たりが良くて楽しい作品ですけど、人間描写のシリアスな領域には踏み込んでいません。次回作では、そういった部分を描くことも考えていらっしゃるんでしょうか。

松本 もちろん!全く真逆のこともやりたいですね。目指すところはジャンル固定しないで色々なものを作ること。実は短編はそういったスタンスだし、長編でも援助交際してる人が人を殺して離島に逃げるって話を撮ったこともあるんですよ。

――やっぱり離島なんだ(笑)。シリアスも観てみたいし、変態風味のコメディは撮り続けて欲しいですね!

松本 期待してください!

page1 page2 作品情報

( 取材/文:デューイ松田 )

花子の日記 2011/日本/カラー/105分
出演:倉科カナ 永島敏行 金守珍 SORA 水野美紀 脚本・監督:松本卓也
企画・制作:シネマ健康会 ©2011「花子の日記」製作委員会
公式公式twitteryoutubeリンク『花子の日記』予告編

2011年11月26日(土)より、オーディトリウム渋谷にて公開!

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  • 監督:松本卓也
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2011/11/25/17:59 | トラックバック (0)
デューイ松田 ,インタビュー
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