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映画『リアリティのダンス』
アレハンドロ・ホドロフスキー監督記者会見レポート

『リアリティのダンス』アレハンドロ・ホドロフスキー監督記者会見レポート

『ホドロフスキーのDUNE』2014年6月14日(土)より、
『リアリティのダンス』2014年7月12日(土)より、
新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、 渋谷アップリンクほか、全国順次公開


――ありがとうございます(笑)。アラン・クレインのことはどうですか?

ホドロフスキー ああ、もう解決しましたが非常に大きな問題でした。『エル・トポ』がアメリカでヒットし、作品を気に入ったジョン・レノンが、私に彼の映画を撮ってくれないかと申し出てきたのです。マネージャーのアラン・クレインとその話をしたのですが、半分ポルノグラフィな映画であり、王と女性の物語でもあるという映画でした。しかし私はアートな映画が作りたいので断りました。アラン・クレインは「これで何100万ドルも稼げるぞ、すぐに作り始められるように今20万ドル渡すから」と言い、とても情熱的でした。確かにやっていれば儲かったと思いますが、私は「ちょっと待ってください、15分考えます」と言って、そのままアメリカ合衆国から出ていきました(笑)。彼はとても怒ったと思います。「誰もお前の映画なんて二度と観ないぞ」と言い、そのまま関係は終わりました。30年です。彼に独占配給権を買い取られていた『エル・トポ』も『ホーリー・マウンテン』も30年間上映できませんでした。でも私はビデオを持っていたので、そんなに画質はよくないのですが、海賊版を作ってみんなに配りました(笑)。ロシアやフランス、世界中にプレゼントしました。それで観てもらうことで伝説となったのです。ある日メキシコで完璧なネガが見つかったという情報が入り、たったの1000ドルで買いました。それで海賊版のDVDを出しました。しかしそれがあるときアラン・クレインに知られて800万ドル要求されました。そんな大金を私は持っていないので、好きにしてくれと言って放っておこうとしていましたが、編集の友達から「そんなことをしたらこれからずっと搾り取られていくぞ。先にちゃんと話し合ったほうがいい」と言われました。それで私はアラン・クレインの息子に電話しました。「私には弁護士がついているし、パーセンテージを決めてちゃんとしようじゃないか。あなたのところには1時間500ドルの弁護士がいるそうだが、私は10年ぐらい抵抗できるぞ。そうしたら弁護料は一体いくらになると思う? 私はお金はほしくない、自分の映画をみんなに観てほしいだけだ。合意してくれたら、私の負担で2本の映画をデジタル・リマスタリングしよう」と。そしてロンドンに住む彼に会いに行くことになりました。私はアラン・クレインをいちばん憎んでいて、30年間殺したいと思っていました(笑)。彼のほうも私を殺したいと思っていたと思います。私は息子と手を取り合ってホテルを出て、心臓をバクバクさせながら彼のもとに向かい、ドアを叩きました。ドアを開けると白髪の紳士がいました。彼は私たちを見て言いました。「きみたちはなんて美しいんだ。まるで精神的な師弟のようではないか」と。私はとても高揚しました。ほんの数秒でまた友達に戻ったという高揚でした。憎しみというのは友情なのだと思います。最大の敵が最高の友人になるのだと思います。私は彼のことをプロデューサーとして尊敬していたし、彼は私のことをクリエイターとして尊敬していました。今『サンタ・サングレ』はアラン・クレインの息子が配給しています。ということで、ここから言えるのは、戦争は終わることができるということです(場内より拍手)。

――『リアリティのダンス』はおカネについてのナレーションから始まり、後半父親のストーリーになると、おカネを必要としていない彼に大金が舞い込んでは他の人の手に渡っていくということが繰り返されるのが興味深いと思いました。ホドロフスキー監督にとってのおカネはどういうものですか? もうひとつ質問があって、元気でいる秘訣は何ですか?

『リアリティのダンス』場面3『リアリティのダンス』場面4©photos Pascale Montandon-Jodorowskyホドロフスキー (笑)。2番目の質問から答えましょうか。みなさんに同じようなことをしてほしいとは思いませんが、私がやっているのは、一度もタバコを吸ったことがない、アルコールを基本的に飲まない、もうコーヒーを飲まない、赤味の肉を食べない、そして若い妻がいる(笑)。彼女に触れるたびに私は若返ります。また、常に考えていますし作り続けています。毎日私は小さな詩を書いています。それがいちばん効果があることだと思います。もう駄目だなと思うようなときにも詩を書きます。それは古い日本の伝統だと思うのですが、「辞世の句」というのですか? その本を持っていて、そこから強い影響を受けています。
もうひとつの質問、おカネについてですが、もしおカネが何なのかということを知るためにはおカネの歴史を知らなければなりません。昔はおカネは本当の金、金貨でした。それ自体に価値があったわけです。塩が不足しているときは塩がおカネの代わりでした。中身があったわけです。今のおカネには中身がありません。紙切れであり、人間の想像上のものです。おカネの価値は信頼によるものであり、私たちがドルを信頼しなければドルは下落するわけです。もっと恐ろしいのはおカネというのは常に債務であるということです。私たちはみな生まれたときから借金をしているのです。おカネは私たちを奴隷のように扱います。それを変えていかなくてはならない。でも物々交換をしていた時代には戻れません。それではクリエイティヴィティがない人はどうおカネを使わずに済むかを考えなくてはならなくなる。それはネガティヴなことです。今はうまく使うことを考えなければなりません。ですから私は映画の中でおカネはイエス・キリストみたいだと言っています。分かち合わなければ価値はない。おカネを物質的な欲望を満たすためだけに使って消費しまくること、それがいちばんの悪だと私は思っています。でも精神的な価値やクリエイティヴな価値を高めるために、またはポジティヴなライフスタイルのために使うのならば、おカネはとても有用なものなのです。どうでしょうか? それが私の考えです。私はおカネをうまく使うことにしました。おカネを変えることはできないと思うからです。

――がんばります(笑)。

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2014/05/02/20:05 | BBS | トラックバック (0)
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