「複製された男」/ジェイク・ギレンホール

ジェイク・ギレンホール
オフィシャルインタビュー
映画「複製された男」について

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2014年7月18日(土)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開


“複製された男”を演じることについて

「複製された男」場面3ジェイク 世の中で他の人がやっている仕事を考えると、僕の仕事は少し下らないと思えるところもあるから、なるべく「疲れた」なんて言いたくないんだけど、考えを整理する点からいうと、数分、時には数秒の間隔で心理状態を繰り返し切り替えないといけないとなると、さすがにちょっと疲れるよね。でも役者として、どう言ったらいいかな……、自分の演技を相手役の目線から見る事が出来るのは面白い経験だったよ。普通は自分の演技が相手にどのような影響を及ぼすか、自分では分からないからね。相手にどんな影響を与えるか考えることはあっても、それを実際に体験することはまずないからね。この映画の場合、あの特殊な撮影方法のおかげでそれを体験することが出来たよ。二人の異なる人物が存在していることで、僕には時間軸が意味を為さなくなっていたけどね。ドゥニが編集した映像を見ている時、同じ時間軸を生きる別々の人物ではなく、頭の中で構成された過去の人物の残像か、もしくは逆に予知夢のようなものか、はたまた映像が僕の精神に何かしらの影響を及ぼしているのか、そんな感覚が常にあったんだ。その方向感覚の喪失みたいな感じを楽しんでいたよ。その体験も含めて、二人の役を演じることができて面白かったよ。

蜘蛛が象徴するものについて

ジェイク 蜘蛛が映画の雰囲気を作り出していると思う。冒頭からトロントの街を覆う大きな蜘蛛が現れて、この先何が待ち受けているか観客には知りようがないよね。映画のトーンを決定付ける重要な要素だよ。観る者は“この世界では何でもあり得るんだ。この先何が起きても、何が潜んでいてもおかしくないし、理解を超えたものかもしれない”と思わされるんだ。瓜二つの人物が出会うこともありえないことじゃない。世界有数の大都市の上を巨大な蜘蛛が這っているんだからね。また、人間の恐怖心に働きかける効果もあると思う。多くの映画の中で恐怖の対象として描かれるのは、追ってくる“何か”とか、ゴジラのような怪獣だけど、僕らはその恐怖の対象に対して決して動機を聞こうとはしない。大作アクション映画でも同じだよ。単純に迫ってくるという事実が恐怖なんだ。蜘蛛は多くの人が恐怖を抱く対象だけれど、あの蜘蛛はある大きな“?”としての存在だと思うんだ。あの蜘蛛は何かしら自分の中にある真実とか、向き合うべきもの、そういったものを表している気がする。解釈は何通りもあると思うよ。もちろんアート作品などでも一般的な、母親像であるという解釈も出来るけど、この映画の場合はもっとこう……、僕らが恐れている、常にそばでうごめいてる真実のようなものに思えるんだ。でも実際に蜘蛛が及ぼす危険と蜘蛛のイメージが与える恐怖心を比べると、恐怖心の方が遥かに増長されているよね。確かに怖いし、実際に噛まれて命を落とす人もいるけど、本当の蜘蛛の存在よりもイメージで膨らんだ恐怖心の方が強い。頭の中で強大な何かとして作り上げてしまっているんだ。長くなったけど、映画の中の蜘蛛はそういったことかな。単純にクールなイメージでもあるしね。

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複製された男 2013年/カナダ・スペイン合作/シネマスコープ/カラー/ドルビーデジタル/90分/R15+
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ(『プリズナーズ』『灼熱の魂』)
出演:ジェイク・ギレンホール(『プリズナーズ』) 、メラニー・ロラン(『イングロリアス・バスターズ』)、サラ・ガドン(『危険なメソッド』) 、イザベラ・ロッセリーニ(『ブルーベルベット』)
原作:「複製された男」(ジョゼ・サラマーゴ著、彩流社刊)
配給/クロックワークス、アルバトロス・フィルム 後援:カナダ大使館、ケベック州政府在日事務所
©2013 RHOMBUS MEDIA (ENEMY) INC. / ROXBURY PICTURES S.L. / 9232-2437 QUEBEC INC. / MECANISMO FILMS, S.L. / ROXBURY ENEMY S.L. ALL RIGHTS RESERVED.
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2014年7月18日(土)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開

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  • 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
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2014/07/05/19:33 | トラックバック (0)
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