インタビュー
千葉美裸/『夜だから Night,Because』

千葉 美裸 (女優)
映画『夜だから Night,Because』について

公式サイト

2014年11月8日(土)より、新宿バルト9ほか全国順次公開

(取材:後河大貴 撮影:牧五百音)

千葉美裸2――港さんは、「エリカという女が、火を噴くように存在すればそれでいいと思った」(月刊「シナリオ」12月号)と書かれていました。どこか、千葉さんご自身にも通ずるところがあったんでしょうか。

千葉 ひとつ似ているところがあるとすれば、エリカは、輝いているときも、傷んでいるときも、もの凄く真っ直ぐですよね。もう、明け透けなまでに。ひとつ取っ掛かりを見つけたので、そこは育てていこうと思いました。あとは、自分のまわりで、男性との関係で苦しんでいる女性の話を聞いて、それを自分の経験のように呑み込むようにして。

――そうした難役であればなおさら、相手役との呼吸が大事になってくるのではと思います。波岡さんの印象はいかがでしたか?

千葉 衣装合わせで初めてお会いしたんですけど――たくさんの映画に出ていらっしゃって、経験豊富な役者さんだということは分かりきっていたので、逆に意識しないようにしよう、と。それよりも、自分の役づくりに集中しようと思っていました。ただ、波岡さんは映画だと強面な役が多いですけど、実際はまったく違うんです。本当に優しい方で、現場でハードなシーンが続くなか、よく笑わせてもらってました。あと、頭の回転が凄く速くて。うっかり気を抜いていると、会話のペースについていけなくなるくらい(笑)。だから、一緒に演技をするうえでの呼吸に関しては、私はもう、自由にやらせてもらってるって感じがしてました。

――千葉さんから見て、タイチはどんな人でしょう?

千葉 エリカは特殊な世界で生きていて、表現をする人間で。タイチはもう少し普通の、一般的な世界で生きている。そんな異なる世界に住む2人が出会うお話じゃないですか。エリカは辛いことや苦しいことがあっても、表現で発散することができる。でも、タイチにはそれができない。だからタイチは、暴力を振るったり、エリカを縛り付けたりする。エリカの表現する力を、抑え付けてしまうような方向に出てしまう――それも、愛情ゆえに。私はそう思っています。

――キャラクターやお芝居に関して、福山功起監督とはどんなやりとりを?

千葉 福山監督はとても肝の据わった方で、演出や照明、カメラのことも完全に頭に入っていて、すべてが決まっているんです。監督と私が想うエリカ像も最初から一致していて、凄く自由に演じさせてくれました。撮影は10日間で、現場でのディスカッションの時間が十分にあるとはいえないなかで、私をのびのびと導いてくれて。もちろん、ベストじゃないときは、「こうしたらいいんじゃない?」ってアドバイスをくれるんです。

千葉美裸3――具体的には、どういったアドバイスを?

千葉 大事にされていたのは、表情のお芝居ですね。人間の顔の筋肉って、気をつけないと、すぐに普段使っている筋肉が出るんです。で、普段の私の筋肉が出てしまうと、自分で「しまった!」と思ったりするんですね。でもそういう時、監督はすぐに気づいて、「エリカ!いま一瞬、千葉美裸が出たから、その表情だけ直して」って修正してくれる。精神的にも肉体的にも辛い状況のなかで、やっぱり監督はすべてを委ねられる存在だったというか。追い込まれるとか、なにかを求められるっていうよりも、本当に、上手に踊らせてもらったという感じですね。私は撮影中、内にこもってエリカになりきっていたので、終わってから気づいたんですけど。

――では、監督のエリカ像を押し付けるというよりも、まず自由に演じてみたうえで、調整していくかたちだったと。

千葉 私が個人的に一番好きなシーンは、海辺の船小屋で、タイチと初めて体の関係を持ったエリカが、寝転がって海を見るところなんです。そのお芝居をしているときは、カメラが回っているのにうっとりしちゃったんですね。女性の方には、解放されたあとの余韻に浸る“あの感じ”が分かっていただけると思うんですけど――だから、監督には「絶対にカットしないで」ってお願いして。でも、カットなんてするわけないんですよ。監督のこだわりで撮影された場面なんですから。そこが、私が女優としてだけじゃなく、女としても一番好きなシーンになりました。

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夜だから Night,Because 2012年/日本/カラー/92分/R18+
監督:佐藤福太郎 プロデューサー:大原久澄 脚本:港岳彦
撮影、共同プロデューサー:早坂伸 音楽:宇波拓
出演:波岡一喜,千葉美裸,小宮一葉,舩木壱輝,Velma,吉田憲章,香住美弥子,森永竜矢,小林美萌,
畑中大空,小林大星,漆原悠日,目黒かなめ,樋口帆波,杉村亮太,中山穂風良,行永理茶
制作:Jill Motion 宣伝・配給:キャンター © MONOCEROS
公式サイト

2014年11月8日(土)より、新宿バルト9ほか全国順次公開

2014/11/09/12:42 | BBS | トラックバック (0)
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