インタビュー
石井岳龍監督/『ソレダケ/that's it』

石井 岳龍 (監督)
映画『ソレダケ/that's it』について【1/2】

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近年、意欲作を連続して発表している石井岳龍監督が故吉村秀樹さん(ブラッドサースティ・ブッチャーズ)からの熱烈なラブコールから生まれた叛逆の青春物語「ソレダケ/that's it」を発表したのでインタビューをおこなった。
(取材:わたなべりんたろう)
石井岳龍 1957年1月15日、福岡県福岡市生まれ。「高校大パニック」、「狂い咲きサンダーロード」を監督して一躍、若き日本の監督で強く注目される。その後も「爆裂都市 BURST CITY」、「逆噴射家族」、半分人間 アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン」、「水の中の八月」 などを発表。近年、監督として精力的に活動を再開し、「生きてるものはいないのか」(2012)、「シャニダールの花」(2013年)を発表する。映画監督以外にもバンド活動、PV、ビデオアート、写真などさまざまな活動をしている。
【STORY】 戸籍を奪われ、アンダーグランド暮らしから抜け出せずにもがいている大黒砂真男-ダイコクサマオ-(染谷将太)。この底辺から抜け出す最後の手段として、裏社会の調達屋、恵比寿大吉-ヱビスダイキチ-(渋川清彦)のコインロッカーを破壊し金の入った財布を奪うが、予期せずハードディスクを発見する。その中には家出人、ホームレス、破産者、風俗嬢たち、地下な人々のビジネス売買用個人情報がぎっしり詰まっていた。大黒はハードディスクを隠すが、恵比寿に追われあえなく監禁される。しかし、そこには風俗嬢、南無阿弥-ナンムアミ-(水野絵梨奈)が拘束され横たわっていた。大黒と阿弥は何とか脱出し都会の片隅に身を寄せ、ダークサイドに生きる知人、猪神楽彦-イノガミラクヒコ-(村上淳)に助けを請うが、闇の追っ手が2人を再び監禁、謎の極悪ギャングのボス千手完-センジュカン-(綾野剛)による拷問の中で、大黒の過去にまつわる宿命の謎が明かされる。もがき苦しんでも決して抜け出すことができなかった負のループが導いた先で、大黒は、彼を束縛する宿命との対決を決意する……。
石井岳龍監督――「ソレダケ/that's it」は初期の石井作品のような荒々しさが戻ってきていながらも、近年の「生きてるものはいないのか」、「シャニダールの花」を経た成果も感じられて新鮮かつ興奮させられました。

石井 ありがとう。予算も製作も日数も少ない大変な現場ではあったのですが多くの方々の協力をいただいて充実した作品になりました。

――ブラッドサースティ・ブッチャーズの音楽を前面に使った今作を作るきっかけは何だったのでしょうか?元々は吉村さんが石井さんの作品のファンで一緒に何かやりたいと持ちかけてきたと伺いました。

石井 吉村くんからブッチャーズの音楽を全編に使った映画の企画があったんです。その時点でまだ発売されていない新作の音源で映像を作って、まず映画で披露するという企画だったんですけど始めは断りました。興味深い企画でしたがブッチャーズの音楽は曲ごとにきちんとした世界観が確立されているし、そこに映像が入る余地が想像できなかった。でも、もしLIVEものにドラマを混ぜる内容としてやるんであれば可能性はあるかもという事で何度か話し合った結果、それでやってみようとストーリー/脚本を作り、ロケ場所等決まった後、突然吉村くんが亡くなってしまったんです。そこで出てくれると言ってくれた役者さんで染谷くんや村上淳くん、渋川くんなどがいたので、新たに劇映画として再始動したんです。

――それはかなり大変なことだったと思われます。

石井 大変でした。もう「修行」といっていいほどでした。吉村くんが亡くなったこともショックだったし、一度進んでいた企画から全く別の企画になるわけですから。ただ、以前から格差社会が生んだ若年ホームレスの問題が気になってたんです。そうやって全てを失った若者が反発もありながらも行動を共にする女性と出会い再生する話として組み立てていきました。

――ブラッドサースティ・ブッチャーズと出会ったのはいつだったのでしょうか?

石井 ブッチャーズは知っていたんですが、フジロックでのルースターズの解散ライブの前夜祭的イベントに吉村くんがソロで出たときに初めて会いました。その後に「石井聰亙作品集DVD-BOX」発売記念ライブにROCK'N'ROLL GYPSIESなどと一緒にブッチャーズが出てくれたんです。そこで初めてバンドとしてのライブを観て気に入りました。

――日本盤がオクラ入りしそうになったDeerhunterの3枚目のアルバム「マイクロキャッスル」を日本で発売しようとこちらが動いている時に石井さんにも発売に聴いていただき、ある奇跡的な流れでこちらの活動と関係なく無事に日本盤が出た後にあったライブに一緒に行ったことがありました。その時に石井さんがDeerhunterを気にいったうえで「懐かしい音がする」と言っていました。ブッチャーズも轟音ながら懐かしく、かつきちんと過去のオルタナの流れもあるので共通点もあったのかなと今思いました。

石井 Deerhunterとブッチャーズの共通点は分からないですが、どちらも過去の音楽の流れの良質な部分は継承しているなとは思いました。

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ソレダケ/that's it (2015年/日本/カラー/1:1.85/3ch/110分)
出演:染谷将太、水野絵梨奈、渋川清彦、村上淳/綾野剛
監督:石井岳龍 楽曲:bloodthirsty butchers 脚本:いながききよたか
製作:『ソレダケ / that’s it』製作委員会 配給:ライブ・ビューイング・ジャパン
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2015/06/16/18:11 | トラックバック (0)
わたなべりんたろう ,インタビュー
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