インタビュー
アンヌ・フォンテーヌ監督/『ボヴァリー夫人とパン屋』

アンヌ・フォンテーヌ (監督)
映画『ボヴァリー夫人とパン屋』について

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2015年7月11日(土)より、シネスイッチ銀座ほか全国公開

おとぼけオーギュスタン』(95)や『ドライ・クリーニング』(97)で知られ、『ココ・アヴァン・シャネル』(09)ではアカデミー賞外国語映画賞ノミネートを果たすなど世界的な評価を獲得したアンヌ・フォンテーヌ監督の最新作『ボヴァリー夫人とパン屋』(14)が7月11日より、シネスイッチ銀座ほかで全国公開を迎える。同作は、フローベールの『ボヴァリー夫人』を基に描かれたポージー・シモンズのグラフィックノベルの映画化で、ノルマンディーの田舎町でパン屋を営む中年男性と、彼を魅了する隣人のイギリス人女性が織り成すドラマを描いた作品だ。今回は、本作が一足先に公開されたフランス映画祭2015に合わせて来日されたアンヌ・フォンテーヌ監督に、同作における印象的な演出や、日本に抱いた印象についてお話を伺った。(取材:岸 豊) ※インタビューは他媒体と合同で行われたものですが、文責はすべて筆者にあります。
アンヌ・フォンテーヌ(監督) 1959年7月15日、ルクセンブルク生まれ。1993年に第46回カンヌ国際映画祭批評家週間でも上映された「Les histoires d'amour finissent mal... engénéral」で監督デビューを果たし、ジャン・ヴィゴ賞を受賞。1995年には、実弟で俳優のジャン=クレティアン・シベルタン=ブランを主演に迎えたコメディ『おとぼけオーギュスタン』を第48回カンヌ国際映画祭〈ある視点〉部門に正式出品。その2年後、平凡な夫婦と美しい青年の官能的な物語『ドライ・クリーニング』(97)で監督・脚本を務め、第54回ヴェネチア国際映画祭最優秀脚本賞を受賞した他、セザール賞に5部門ノミネートされるなど高く評価された。『オーギュスタン 恋々風塵』(99)、『恍惚』(03)、『キャスター 裸のマドンナ』(08/DVD)などを発表した後、2009年にはオドレイ・トトゥを主演に迎えたココ・シャネルの伝記映画『ココ・アヴァン・シャネル』を発表。第82回アカデミー賞®衣装デザイン賞にノミネートされた他、第63回英国アカデミー賞複数部門ノミネート(衣装デザイン賞、外国語映画賞、主演女優賞、メイクアップ&ヘア賞)、第35回セザール賞衣装デザイン賞受賞他複数部門ノミネート(主演女優賞、脚色賞、撮影賞、美術賞、助演男優賞)など、世界的な評価を得た。
『ボヴァリー夫人とパン屋』【STORY】 パリから故郷、ノルマンディーの美しい村に戻り、父親のパン屋を継いだマルタン。毎日の単調な生活の中で、文学だけが想像の友、とりわけ、ぼろぼろになるまで読みふけっているのは、ここノルマンディーを舞台にしたフローベールの『ボヴァリー夫人』。そんなある日、隣の農場にイギリス人のチャーリーとジェマ・ボヴァリー夫妻が引っ越してくる。マルタンは、自分の作ったパン・ド・カンパーニュを官能的に頬張るジェンマに魅了され、日々、彼女から目が離せない。ところがジェマが年下の男と不倫するのを目撃したマルタンは、このままではジェマが“ボヴァリー夫人と同じ運命を辿るのではないか?”と、頭の中で小説と現実が入り交じった妄想が膨らみ……。
アンヌ・フォンテーヌ監督――本作の原作となったグラフィックノベルのオープニングでは独白が使われていましたが、本作では切り返しのショットと独白を用いて明確に第四の壁を破る演出が用いられています。監督の作品では比較的珍しい演出かと思いますが、この演出を用いた狙いは何だったのでしょうか?

アンヌ・フォンテーヌ監督(以下A.F) もちろん、冒頭のモノローグの扱いの違いというのは、マンガ(グラフィックノベル)が二次元で、フィルム(映画)が三次元であるという違いに起因していると思います。ファブリス・ルキーニが、私はこういう名前で、私はこのノルマンディーにいつ何時に来ましたというように観客に向かって語りかけているのは、やはり彼が演じるパン屋のマルタンが、まるで本作の映画作家であるかのような印象を与えたかったので、ああいった撮り方になりました。もちろん映画において、あのように登場人物が観客やカメラに向かって語りかけるのは非常に珍しいことですが、本作では1つのスタイルとして選択しました。

――「不倫の観察」というテーマはエマニュエル・ベアール主演の『恍惚』(03)でも使われていましたが、不倫を客観視する人物、本作で言えばファブリス・ルキーニ演じるマルタンのような人物を描くことには、どんな魅力があるのでしょう?

A.F やはり、「不倫の観察者」に興味がなかったら、そういった映画は撮らないでしょう。なので、やはり興味はあります。私にとっては、主人公が興味深い、あるいは親しみを感じる、ということが映画を撮るためのキーになりますし、そういった複雑な要素がある愛というのは、私にとっての「映画における実験」だと思っています。

――本作には日本式の内装に関する言及や、ワサビ、ゲイシャといった日本語が登場します。ゲイシャは『ココ・アヴァン・シャネル』でも登場しました。やはり監督は、日本文化にご関心があるのでしょうか?

A.F はい。日本料理、日本文化は好きですし、今回はちょっとしたユーモアのリファレンスとして、ああいったもの(日本語)を使ってみました。日本人作家も非常に興味深いと思いますし、これまで日本をテーマにした作品は撮ったことがないのですが、東京に来ると、映画作家にとってはすごくインスピレーションを与える街だと感じます。何かおすすめの日本をテーマにした映画のアイディアがあればお訊きしたいです。

――うーん、私が提案して良いものかと思ってしまうのですが......やはり監督は恋愛がお得意のテーマだと思うので、例えば、日本人の恋愛を観察するフランス人留学生を描いたドラマなどはいかがでしょう?

A.F その日本人男性あるいは女性とそのうち浮気や不倫をするとか、そういう展開ですか?(笑)

――それもアリだと思います(笑)。

( 取材:岸 豊 )

ボヴァリー夫人とパン屋 ( 2014年/フランス映画/カラー/99分/原題:Gemma Bovery )
監督:アンヌ・フォンテーヌ 『ドライ・クリーニング』『ココ・アヴァン・シャネル』
原作:ポージー・シモンズ 脚本:パスカル・ボニゼール、アンヌ・フォンテーヌ
音楽:ブリュノ・クーレ 『オーシャンズ』『コーラス』
出演:ファブリス・ルキーニ『屋根裏部屋のマリアたち』『危険なプロット』、ジェマ・アータートン『アンコール!!』、ジェイソン・フレミング『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』、ニール・シュナイダー『マイ・マザー』
配給:コムストック・グループ 配給協力:クロックワークス
© 2014 – Albertine Productions – Ciné-@ - Gaumont – Cinéfrance 1888 – France 2 Cinéma – British Film Institute
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2015年7月11日(土)より、シネスイッチ銀座ほか全国公開

2015/07/03/17:09 | BBS | トラックバック (0)
岸豊 ,インタビュー
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