インタビュー
不二子/『赤い玉、』

不二子 (女優)
映画『赤い玉、』について【1/6】

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2015年9月12日(土)よりテアトル新宿他にて全国ロードショー

高橋伴明監督が20年ぶりにエロス映画復活を果たしたことで話題を呼ぶ『赤い玉、』。京都造形芸術大学の映画学科長を務める高橋監督が、性表現に臆病な学生たちを叱咤激励するために撮り上げた作品は、生身の俳優のポテンシャルを引き出して描くエロスはもちろんのこと、幾多の仕掛けも散りばめられ、映画の自由さを見せつけてくれる快作に仕上がった。奥田瑛二演じる主人公・時田のように、虚実ないまぜの世界を彷徨う極上の映画体験を愉しんでほしい。時田に寄り添う女性・唯を演じたのは不二子さん。これまで自閉症の女性から同性愛、SMまで困難な役を全身全霊で演じてきた実力派だが、インタビューでも喜びを隠さず語ったとおり、今回は等身大のいい女を自然体で演じてまた新しい魅力を見せてくれる。唯の役作りや現場の様子、女優としての想いなどを伺った。(取材:深谷直子)
不二子 1980年生まれ、佐賀県出身。ファッション雑誌「PeeWee」のモデルを経て女優に。主な出演作は、『ビジターQ』(00年/三池崇史監督)、『フィラメント』(01年/辻仁成監督)、『嗤う伊右衛門』(03年/蜷川幸雄監督)、『肌の隙間』(04年/瀬々敬久監督)、『楽園 流されて』(05年/亀井亨監督)、『花と蛇2 パリ/静子』(05年/石井隆監督)、『卍(まんじ)』(06年、井口昇監督)など。名うての監督作品で壮絶かつ印象深い役を演じ続けている。公式サイト
STORY 大学で映画撮影の教鞭をとりながら、自らは新作映画の撮影に入れないでいる映画監督・時田修次。映画とは自らの経験が投影される、そう考えている時田は、まるで自分が映画の登場人物ででもあるかのように人生を流浪しているようにも見える。新作の脚本にとりかかる時田の私生活には、30代の、理解のある美しい女・唯がいるが、その現実から虚構(映画)の世界に誘うように時田の前に現れる一人の女子高生・律子。世界の境界さえも喪失していくように、いつしか律子の存在が時田自身の人生を狂わせていく……。
不二子 ――『赤い玉、』は意外性の連続の作品で、とても面白く拝見しました。男性の「老い」と「性」が主題としてあり、高橋伴明監督の映画への想いを込めた私小説的な要素もあるので、観る前は男性目線の映画なのかなと思っていたのですが、そればかりではなくて女性の強さやたくましさもすごく描かれていますよね。

不二子 そうですね、対比するという意図だと思いますが、もう女性のほうが強いぐらいの感じですよね。

――『愛の新世界』(94)に通じる高橋監督の世界だなと思いました。女優さんにも挑戦しがいのある作品だと思うのですが、不二子さんはどんなお気持ちで唯役をお受けしたのですか?

不二子 脚本を読ませていただいたときに、「すごくいいホンだな」と思って泣いちゃったんですよね。唯は理想的な女性として描かれていたし、こんな女性が演じられたら嬉しいな、すごくこの役をやりたいなと思って。撮影中も毎日がとても楽しかったです。

――唯は本当に素敵ですよね。主人公の時田は映画監督で、そういう芸術家とお付き合いするのはとても難しいと思うんですが、恋人としてしっかり支えていて。とても色っぽいですし、その一方で秘書的な役割もこなしますし。

不二子 お料理も品数をたくさん食卓に並べたり、お酒もちゃんと強くて(笑)。

――そこが格好いいなと思いました(笑)。スーパーウーマンですよね。

不二子 理想的ですよね。やっていて本当に楽しかったです。

――重要な女性が3人登場するうち、律子役の村上由規乃さんと愛子役の土居志央梨さんという若手のお二人はオーディションで決まったということですが、この役は不二子さんのほうに出演依頼があったのですか? 

不二子 そうですね、候補の方が他にも何人かいらっしゃったというお話はちらほらと耳にしてはいるんですけど。高橋監督とお会いして食事をしてお酒を飲んで、っていう場が最初にあって、そこでカパカパ飲んじゃって(笑)。選んでいただけたのには、飲みっぷりがよかったっていうのもあるかもしれませんね。

――(笑)。不二子さんは今までも割とタブー視されるような役柄に挑戦されることが多かったので、そこを見込まれたのも大きいと思います。

不二子 今まで私が演じてきた役って、ちょっと特殊な設定だったり、変わった女性であることが多かったんですが、今回は言ってみれば普通じゃないですか。まともないい女っていう。それを演じられたことが嬉しかったですね。本当に今回は素敵な役をもらったなと思っています。

――高橋伴明監督と一緒にお仕事をすることについてはどのように思いましたか?

『赤い玉、』不二子 私も『愛の新世界』とかが大好きだったので、すごく楽しい仕事ができるんじゃないかと思っていました。高橋監督とは一緒に仕事をしたことは今までなくて、でも若いときに一度オーディションを受けたかなという記憶があって。そのときは落とされちゃったんですが、今回は「やった!」って(笑)。

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赤い玉、 (2015 / 日本 / 111分)
出演:奥田瑛二,不二子,村上由規乃,花岡翔太,土居志央梨,柄本佑,高橋惠子
監督・脚本:高橋伴明
製作:高橋惠子・小林良二・塩月隆史 プロデューサー:大日方教史
音楽:安川午朗 撮影監督:小川真司 編集:鈴木歓
宣伝・配給:渋谷プロダクション 制作プロダクション:北白川派
製作:「赤い玉、」製作委員会(ブロウアップ・渋谷プロダクション・ラフター)
©2015 「赤い玉、」製作委員会. All Rights Reserved.
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2015年9月12日(土)よりテアトル新宿他にて全国ロードショー

2015/09/09/19:21 | トラックバック (0)
深谷直子 ,インタビュー
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