インタビュー
万里紗/『眼球の夢』

万里紗 (女優)
映画『眼球の夢』について【1/5】

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2016年7月30日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

自分の片目が義眼だと思い込み、「生き別れた眼球」を求めてカメラを手に街を彷徨う写真家・麻耶。彼女の個展を脳神経外科医や眼球コレクターが訪れ、呼び覚まされる忌まわしい記憶が新たな惨劇を生み出していく……。ピンク映画というジャンルを超えて国内外で人気を集める佐藤寿保監督が、ほぼ10年ぶりに脚本家・夢野史郎とのゴールデン・コンビを復活させて作り上げた日米合作のビザール・シネマ『眼球の夢』が、7月30日より公開される。“視線”そして“トラウマ”という佐藤監督のテーマの集大成的作品で、大胆な官能シーンにも堂々と挑み、複雑な麻耶像を生き生きと演じ切ったのは、本作が映画初主演となる万里紗さん。役柄とは裏腹にとても明るく、聡明さを印象付けた万里紗さんへのインタビューをお届けする。 (取材:深谷直子)
万里紗 1990年11月19日生まれ、神奈川県出身。英語でのスピーチ全国大会優勝経験を持ち、そのユニークでグローバルな視点を持ち味に、イマジカBSの映画番組キャンペーンガールを二年連続で務めるなど幅広く活躍。近年の出演作に、舞台「レ・ミゼラブル」(11/帝国劇場)、「レミング」(13/PARCO劇場)、「メリリー・ウィー・ロール・アロング~それでも僕らは前へ進む~」(13/銀河劇場)、「ブエノスアイレス午前零時」(14/新国立劇場)、映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』(16/岩井俊二監督)など。最新作に舞台「残花―1945 さくら隊 園井恵子―」がある。10月には舞台「るつぼ」(シアターコクーン、他)の公演に出演が決まっている。 公式サイト
Story 今日未明、魔都 TOKYO―。眼球を抉り取られた死体が発見された。
艶麗な女体、観察する脳外科医、忍び寄る盲人…。淫靡で凄惨な、狩りの季節が始まった。

自分の片目は義眼であると言い、“生き別れた眼球”を探すため、カメラ片手に魔都 TOKYO を彷徨う麻耶。高層ビル群が墓標のごとく立ち並び、夢とも現実ともつかない、不条理かつ淫靡なラビリンス。そこに現れるのは、浮遊するがごとく眼球を求め続ける麻耶の姿を記録する脳外科医と、麻耶の眼球を狙う黒ずくめの怪しい眼球コレクター。三人が一つの線として結ばれた時、血の惨劇が幕を開ける…。愛液と鮮血をまき散らしながら迷いもがく麻耶が、己の網膜に焼き付けたものとは一体何だったのか!?
万里紗1――万里紗さんは今まで『レ・ミゼラブル』などのミュージカルやキャンペーンガールなど、どちらかというと健全なイメージで活動されていましたよね。『眼球の夢』での映画デビューは大胆な転身と思えるのですが、どうやってこの作品に出会われたんですか?

万里紗 オーディションを受けました。私自身はこういう不条理な世界が好きで、寺山修司さんのお芝居などにも参加させていただいていたんです。映画を観るときも、もちろん健全な作品も好きですが、難解な作品やアウトローな感じのものもとても好きで。オーディションのお話は、そんな私の好みをよく知っているマネージャーが持ってきてくれたんですけど、台本を読んで「カッコイイ!」と思って。ト書きにしても台詞にしても、冒頭からただただ美しくて、言葉ではうまく言い表せないんですけど、「これはすごいものを手にしてしまったな」って、美術作品を見たときのような震える感動を味わいました。ちょっとした小さい役も募集していたので、「どんな役でもいいからやりたいです」という感じでオーディションを受けました。

――とても清楚な雰囲気なので意外に思えるんですが、元々アングラな世界観がお好きなんですね。ではこの夢野史郎さんの脚本はたまらなかったでしょうね。

万里紗 そうなんです。

――見事主人公の麻耶役に選ばれましたが、麻耶をどんな人物だと捉えましたか?

万里紗 表出してくるものはもちろん奇抜なんですが、どこにでもいそうな普通の女性のようにも感じられました。誰しも現実にうまく適応できなくてはみ出してしまうところはあると思うんですけど、麻耶の場合はその現れ方がちょっと“佐藤寿保監督いろ”なだけであって、どうにかして現実社会にフィットしたいと思いながら、同時に現実社会を突き放しているみたいな、そうやってもがいている感じの人だと思いました。

――写真家という役柄も特殊ですし、ハードな官能シーンや残虐なシーンもありましたが、どういうところから役を作っていきましたか?

万里紗 まずは麻耶のイメージに合わせて眉毛の形を変えました(笑)。私は下がり眉毛なので、半分剃って眉尻を上げて。あとはカメラの講習も受けました。フィルムで撮る練習をして、日常生活でもフィルムカメラを常に持つという体験をしていました。

――重さもありますし、カメラを持って動き回るというのは体力が要りそうですよね。

万里紗 はい。でもだんだん可愛くなっていって。

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眼球の夢 2016年/日米合作/カラー/DCP/102分
出演:万里紗、桜木梨奈、中野剛、PANTA、小林竜樹、佐川一政、シャイリー波輝、川瀬陽太、和女
監督:佐藤寿保 脚本:夢野史郎 撮影:御木茂則 照明:松隈信一 録音:植田中 美術:林千奈
音楽:田所大輔 田辺裕己彦 編集:鵜飼邦彦 音響効果:丹雄二 カラーグレーディング:広瀬亮一
衣装:小海綾美 ヘアメイク:ビューティ★佐口 特殊造形:百武朋 助監督:伊藤一平
制作担当:太田勝一郎 キャスティング:小林良二 スチール:土屋久美子 蒔苗仁 題字:舛田忍
ラインプロデューサー:金森保 共同プロデューサー:矢島仁
プロデューサー: ヴェレナ・パラヴェル、ルーシァン・キャスティーヌ=テイラー、坂口一直
制作プロダクション:キリシマ1945 共同研究:東京工芸大学映像表現研究室 
特別協力:フジヤエービック 製作:アレット・トン・シネマ スタンス・カンパニー 配給・宣伝:太秦
© 2016 Arrete Ton Cinema, Stance Company
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2016年7月30日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

2016/07/21/19:41 | トラックバック (0)
深谷直子 ,インタビュー
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