インタビュー
佐藤 寿保監督/『眼球の夢』

佐藤 寿保 (監督)
映画『眼球の夢』について【1/5】

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2016年7月30日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

ピンク四天王のひとり、佐藤寿保監督が、ほぼ10年ぶりに脚本家・夢野史郎とコンビを組んで作り上げた『眼球の夢』が7月30日より公開されている。性表現、暴力表現への規制が厳しいこのご時勢も、映画ならではの表現を追求し、狂気と倒錯のエロティシズムを焼き付けてきた佐藤監督だが、日本のピンク映画に魅せられた海外の監督のプロデュースによる本作でその本領を発揮。カメラを覗いて眼球写真をひたすらに撮る異色のヒロインを軸に、ライフワークである「視線」のテーマをエンドレスに広げていく。佐藤監督に本作での試みなどを伺った。 (取材:深谷直子)
佐藤 寿保 1959年生まれ、静岡県出身。東京工芸大学在学中より8mmで自主映画を制作。卒業後、向井寛主宰の「獅子プロダクション」に参加。滝田洋二郎らの助監督を務める。85年『狂った触覚(激愛!ロリータ密猟)』で監督デビュー。同年ズームアップ映画祭新人監督賞を受賞。以後、日常にひそむ狂気と倒錯のエロティシズムをハードでありながらも独特の映像美で描く異色作を連発。サトウトシキ、佐野和宏、瀬々敬久らと共にピンク四天王と称され、その筆頭として、当時衰退していたピンク映画界に一大ムーブメントを巻き起こす。その作風はロッテルダム映画祭、ヴィエンナーレ映画祭など海外でも注目され、国内外にカルト的ファンが存在する。96年『藪の中』で一般映画に進出。2010年の『名前のない女たち』はモスクワ国際映画祭など多数の映画祭に出品され、カナダのファンタジア映画祭では主演の安井紀絵が主演女優賞を受賞。2014年よりスタートした『華魂』シリーズの第二弾『華魂 幻影』が2016年4月に公開された。
Story 今日未明、魔都 TOKYO―。眼球を抉り取られた死体が発見された。
艶麗な女体、観察する脳外科医、忍び寄る盲人…。淫靡で凄惨な、狩りの季節が始まった。

自分の片目は義眼であると言い、“生き別れた眼球”を探すため、カメラ片手に魔都 TOKYO を彷徨う麻耶。高層ビル群が墓標のごとく立ち並び、夢とも現実ともつかない、不条理かつ淫靡なラビリンス。そこに現れるのは、浮遊するがごとく眼球を求め続ける麻耶の姿を記録する脳外科医と、麻耶の眼球を狙う黒ずくめの怪しい眼球コレクター。三人が一つの線として結ばれた時、血の惨劇が幕を開ける…。愛液と鮮血をまき散らしながら迷いもがく麻耶が、己の網膜に焼き付けたものとは一体何だったのか!?
佐藤 寿保監督1――佐藤寿保監督には今年『華魂 幻影』(16)で驚かせていただいたばかりですが、この『眼球の夢』もまた刺激的な作品でしたね。

佐藤 まあ肌触りはまるっきり違うと思うんですけどね。

――ええ。でもトラウマを抱え、カメラを持った人が主人公であるところや、「幻影」というキーワード、フィルムへのこだわりなど共通点もあって、それがまったく違う作品になっているところも面白かったです。撮影時期としては『華魂 幻影』のあとにこの作品を撮られたのですよね?

佐藤 そうですね。

――ヴェレナ・パラヴェルとルーシァン・キャスティーヌ=テイラーという、海洋ドキュメンタリー映画『リヴァイアサン』(12)の監督コンビがプロデューサーを務め、彼らもこの映画の現場で自分たちの映画を撮っていたということですが、彼らとは以前から接点があったんですか?

佐藤 いや、今回初めてですね。彼らはピンク映画の現場を題材に映画を撮りたいということで、何本かピンクを観た中で僕の作品がお眼鏡にかなったというか、そんなことを言われました。現場では彼らふたりがカメラをこちらに向けていて、それがどういう映画になるかは分からないんですけど。で、この映画に関しては「お金を出しますから好きなように撮ってください」と言われて始まりました。

――題材については特に注文はなかったのですか?

佐藤 「カニバリズムはどうか?」という提示はありましたが、別にそれが要望というわけではなくて、僕のほうではそれはピンとくる題材ではなかったし、以前ピンク映画で女吸血鬼もの(『LOVE-ZERO=NO LIMIT』・94)をやったことがあったので、ちょっと別の視点でやりたいということを言って。で、この眼球をテーマにした企画というのは10数年前からあって、予算の関係とかもろもろあって製作には至らなかったけど、大事にしていた企画ではあったんですよね。

――脚本は夢野史郎さんですが、夢野さんと一緒にあたためていた企画なのですか?

佐藤 まあ夢野さんとあたためていたというか、そういった題材はいっぱいあって、その中のひとつという感じですね。元々眼球を題材にしたものというのは好きで、それは視線にまつわるものなんだけど。あと、ピンク映画にしても割と規制みたいなものがあって、ある時期からやらなくなっていたんだけど、今回は「やりたいものをやってくれ」ということだったので、それだったらできるかな?という感じでやりました。

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眼球の夢 2016年/日米合作/カラー/DCP/102分
出演:佐藤 寿保、桜木梨奈、中野剛、PANTA、小林竜樹、佐川一政、シャイリー波輝、川瀬陽太、和女
監督:佐藤寿保 脚本:夢野史郎 撮影:御木茂則 照明:松隈信一 録音:植田中 美術:林千奈
音楽:田所大輔 田辺裕己彦 編集:鵜飼邦彦 音響効果:丹雄二 カラーグレーディング:広瀬亮一
衣装:小海綾美 ヘアメイク:ビューティ★佐口 特殊造形:百武朋 助監督:伊藤一平
制作担当:太田勝一郎 キャスティング:小林良二 スチール:土屋久美子 蒔苗仁 題字:舛田忍
ラインプロデューサー:金森保 共同プロデューサー:矢島仁
プロデューサー: ヴェレナ・パラヴェル、ルーシァン・キャスティーヌ=テイラー、坂口一直
制作プロダクション:キリシマ1945 共同研究:東京工芸大学映像表現研究室 
特別協力:フジヤエービック 製作:アレット・トン・シネマ スタンス・カンパニー 配給・宣伝:太秦
© 2016 Arrete Ton Cinema, Stance Company
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2016年7月30日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

2016/08/09/21:31 | BBS | トラックバック (0)
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