マリオ・クジク監督&B.B.クラーク(脚本)/『GARAGE ROCKIN' CRAZE』

マリオ・クジク (監督) & B.B.クラーク (脚本)
映画『GARAGE ROCKIN' CRAZE』について【4/4】

2017年1月14日(土)~27日(金)まで渋谷HUMAXシネマにて
1月28日(土)~2月3日(金)まで名古屋シネマスコーレにて Rockin’レイトショー!

公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:深谷直子)

Young ParisianYoung Parisian ギターウルフギターウルフ マリオ・クジク監督&B.B.クラーク@Mediteran Film FestivalB.B.クラーク/マリオ・クジク監督@Mediteran Film Festival
――この映画は今こうやって日本映画として公開を控えているわけですけど、元々はこんな形になるとは考えていなかったと思うんですが。

クジク (照れくさそうに)いつも思うのは、タイムマシンで5年前に戻って「きみは5年後こういう映画を作るんだぞ」と自分に教えたとしても、5年前の自分は絶対にそれを信じていないだろうな、ってことで。自主映画として始めたものがここまでの作品になるなんてありがたみ以外の何もないです。出てくるバンドたちも、居場所がないと思っていたのにこういうシーンに出会って、クリエイティヴィティの出力先を見出すわけですよね。僕はバンドはやっていないけど、それに似たようなことをやっているなと思います。音楽ができないからこそ映画を作ったんです。そういう考え方も、ガレージ・シーンにとても影響されているものだと思っていて、映画をどういうふうに作るべきかっていうこともシーンが導いてくれたなと。

――まさにそんな感じがしますね。日本出版販売さんに配給してもらうことになったいきさつは?

クラーク 日本出版販売の近藤(順也)さんとは元々知り合いで、TEENGENERATEの映画(『GET ACTION!!』・14)の監督をしたのも知っていたし、その前はインディー系の劇場(閉館したシアターN渋谷)の支配人をしていたから、出演してくれたバンドに映画を観てもらうための会場を借りるにはどうすればいいのかアドバイスをもらいたいと思って連絡したんです。コーヒーショップとかで話を聞くつもりでいたら、会議室に呼び出されて「お茶とコーヒーどっちにしますか?」なんて訊かれて(苦笑)。「本物の映画にするためにはこういうことが必要だ」っていろいろ教えていただいて。その打合せのあと二人で喫茶店に入って、「どうすんの?マリオ監督」と。

クジク 英語講師だったマリオが、このときから監督になって(照笑)。

――(笑)。映画を作り始めたときに観客として想定していたのも、日本ではなく海外だったのでしょうか?

クジク そうですね、本当に劇場公開されるような作品になるとは思っていなくて、あちこちの映画祭で上映できたら十分だと思っていました。自分が見ることができたバンドを、フィルム……というかまあビデオですけど(笑)、そのまま記録したいなというのが動機でした。

――撮ってもらえて本当によかったです。日本人としてすごく誇るべき美しいシーンがこんなに身近にあったことにとても驚きました。

クジク それはシーンの中にいる人たちも多分あまり自覚していないと思いますね。こういう貴重な特別なものであるということは。

――この映画は海外の映画祭ですでに上映されているそうですが、反応はいかがでしたか?

クジク ワールド・プレミアとなったMediteran Film Festivalというボスニア・ヘルツェゴビナの映画祭は、僕の前の作品もプレミア上映した映画祭なんですけど、僕の母が育った田舎町から40kmのところで開催されているんです。そういうところで上映できることをとても嬉しく自慢に思っています。お客さんの反応もよかったです。一般的な日本人のイメージっていうのはきちんとスーツを着て満員電車に乗るサラリーマンとかオタクとかですけど、この映画に出てくるのは完全に正反対なので、「日本にもこんなクレイジーでマニアックなヤツらがいるんだ!」とみんな面白がってくれていました。「監督とバンドの間に壁がなく、映画の中に入り込んで自分の目でライブを見ているように感じた」と言ってくれる人もいました。どうやってそんなに近くなれたのかを自分で考えると、日本人は一生懸命働く人を大事にする文化を持っているので、僕たちのやっていることを認めてくれたから距離感がなくなったんじゃないかなと。僕の映画というよりは、出演してくれたバンドや手伝ってくれた人たちとのコラボレーションでできた映画だと思います。彼らが好きに音楽をやっているように僕も好きに映画を作って、それが認められたことを誇らしく思います。楽器も弾けない、歌も歌えない僕がロッケンロールに貢献できたのもすごく嬉しいです。

――ぜひ日本のお客さんにもガレージ・バンドのカッコよさを再発見してほしいですね。素敵な映画をありがとうございました。

( 2016年12月22日 新宿で 取材:深谷直子 )

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GARAGE ROCKIN' CRAZE (2016 年|日本映画|16:9|カラー|HD|98 分)
監督/マリオ・クジク
出演/The 5.6.7.8’s、20 Hits、Theee Bat、Baitones、Bobby’s Bar、Daddy-O-Nov、Mr.Death、The Drexel、Eddie Legend A-Go-Go、The Fadeaways、Firestarter、The Fly & His One Man Garbage、Gasoline、Great3、The Great Mongoose、Jackie & the Cedrics、Jet Boys、Jimmy Mashiko、Los Rislaz、Minnesota Voodoo Men、Pinky Aoki、Rock-A-Cherry、Saturns、Supersnazz、Stompin’ Riffraffs、The Titans、Texaco Leatherman、Vivian Boys、Young Parisian、ギターウルフ、ザ・シャロウズ、東京 Cramps、マキニカリスほか
配給:日本出版販売 提供:キングレコード+日本出版販売 © 2016 Freza Films
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2017年1月14日(土)~27日(金)まで渋谷HUMAXシネマにて
1月28日(土)~2月3日(金)まで名古屋シネマスコーレにて
Rockin’レイトショー!

2017/01/13/20:04 | トラックバック (0)
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