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イタリア映画祭2017トークセッションレポート

イタリア映画祭2017トークセッションレポート【1/2】

4月30日(日)有楽町朝日ホールにて、イタリア映画祭2017トークセッションが行われた。『どうってことないさ』のエドアルド・レオ監督、『愛のために戦地へ』のピエルフランチェスコ・ディリベルト監督(以下、通称:ピフ)、『君が望むものはすべて』のフランチェスコ・ブルーニ監督が集い、東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの矢田部吉彦の司会のもと「コメディ」をテーマにトークが繰り広げられた。ピフがメモ書きした覚えたての日本語で「エドアルド・レオにだけ励ましの拍手をしてあげてください。彼にわからないように日本語で話しています(笑)」と挨拶するなど、終始三人が冗談を飛ばし合うイベントとなった。
(取材・構成・写真:常川拓也)

フランチェスコ・ブルーニ監督フランチェスコ・ブルーニ監督
『君が望むものはすべて』監督
1961年ローマ生まれ。高校で出会ったパオロ・ヴィルズィ
監督の作品に脚本家としてデビュー作から長年参加し、『
はじめての大切なもの』と『人間の値打ち』でダヴィッド
・ディ・ドナテッロ賞の脚本賞を二度受賞する経歴を誇る。 エドアルド・レオ監督エドアルド・レオ監督
『どうってことないさ』監督・主演
『いつだってやめられる』
『いつだってやめられる-マスタークラス』主演
1972年ローマ生まれ。1994年に俳優のキャリアをスタート
させる。テレビや舞台が主戦場だったが、徐々に映画にも
進出。2010年には「Diciotto anni dopo」で映画監督としても
デビューを果たし、多彩な才能を発揮する。
イタリアのコメディについて、ブルーニは「その最大の特徴は、イタリア社会のドラマティックな部分をユーモアを絡めて誰が見ても楽しめるような映画にしていることだと思います。そういった喜劇性はイタリア人の心の中にあるユーモアから生まれるもの。ヨーロッパの中でイタリアは、クラスのどこにでもいる笑いが大好きなひょうきん者のような存在です」と説明。それに同調したピフは、「ぼくたちが作るコメディは、コメディの伝統とネオレアリズモを継承しているところがあります。コメディの中でイタリアの抱えている悪の問題を告発するような面も含んでいることが特徴じゃないでしょうか」と付け加えた。

SNSをテーマにしたロマンティック・コメディを撮ったレオは、「ただ50~70年代と比べて、コメディの作り方が変わってきています。以前は誰しもに普遍的なテーマがあり、宗教や政治の問題が割と共通していました。だけど、現代はそれが非常に細分化され、ソーシャル・ネットワークなどみんなそれぞれが自分の小さな世界の中に閉じこもってしまっている。だから、みんなを共感させられるような題材を見つけることが難しくなってきていると思います」といまコメディを作る難しさにも言及。「『どうってことないさ』では、SNSが蔓延しているなかで、自分の最も秘密な部分を曝け出すのに一体いくらもらえばやるだろうかを考え、みんなが自分をどんどん曝け出していくことを描くのは面白いテーマだと思いました」。

ブルーニは、アルツハイマーを題材にした『君が望むものすべて』は自身の経験に基づいていることを明かした。ユーモアを絡めることに気を使う題材でもあったのではないかという質問に対しては、「父が晩年アルツハイマーにかかったのですが、彼の言動のなかにはおかしな面もたくさんありました。息子であるぼく自身のこともわからなくなって、“あなたはローマで映画の仕事をしてる私の息子にすごく似てるのですが、私の息子をご存知ですか?”と訊かれたことすらありました(笑)。それに父は、ヘルパーのウクライナ人の男性が82歳のぼくの母と不倫の関係にあるんじゃないかと疑っていました(笑)。大変でしたが、そういった面白い場面もあったので、そのあたりを映画の中に入れました」と語った。
また、ピフは前作『マフィアは夏にしかやらない』はイタリアのソースにまぶした『フォレスト・ガンプ』を作ることが狙いで、今回の『愛のために戦地へ』はロベルト・ベニーニの『ライフ・イズ・ビューティフル』を参考にしたことを明かした。

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イタリア映画祭2017 公式サイト
どうってことないさ [2016年/105分/原題:Che vuoi che sia] 監督:エドアルド・レオ
愛のために戦地へ [2016年/99分/原題:In guerra per amore] 監督:ピエルフランチェスコ・ディリベルト
君が望むものはすべて [2017年/101分/原題:Tutto quello che vuoi] 監督:フランチェスコ・ブルーニ
2017/05/16/18:51 | BBS | トラックバック (0)
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