インタビュー
長谷井宏紀監督/『ブランカとギター弾き』

長谷井 宏紀 (監督)
映画『ブランカとギター弾き』について【2/5】

2017年7月29日(土)よりシネスイッチ銀座他にて全国順次公開!

公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:常川拓也)

『ブランカとギター弾き』場面2 『ブランカとギター弾き』場面3
──ほかのスタッフの方はみなさん現地の方だったのでしょうか。

長谷井 全員フィリピンの人でした。あとはイタリアのプロデューサー。通訳はなしで、英語と適当なタガログ語でやりとりしていました。赤ちゃんレベルの「美味しい」とか「いいね」とか「もう一回」とか「よくない」とか(笑)。

──向こうのキャストの人たちには英語は通じるのですか。

長谷井 ブランカと俳優の方以外のキャストはほとんど通じないですね。でもフィリピン人の助監督が仕切っていくから、彼女がタガログ語で色々説明してくれました。

──この映画ですごくいいと思ったのは、発展途上国の路上で生きる人々を撮りながらも決してセンセーショナルには撮っていない、可哀想な存在として彼らを映してはいないところです。いわゆる貧困ポルノのようには撮っていないことに好感を持ちました。

長谷井 ありがとうございます。そこはたしかに気を付けました。そうなっちゃうと、結構上からの目線での撮り方になってしまうので、あれは嫌だなと思っていました。というのも、どっちかというと彼らに対しては尊敬の方が大きいからです。その場所で生き抜いている彼らの力を見ると、「お前かっこいいね」「すごいね」って思うんです。そこは大事にしたい部分でした。特にピーター(・ミラリ)のことはタフで尊敬していました。結構大変な場所にいるとネガティヴにぼくらは行きがちだし、そこで文句を言うのは簡単だけど、そういう状況ですごく温かいものや明るいものをキープするってエネルギーがいることだと思うんですよ。

──ピーターというキャラクターは、唯一ケ・セラ・セラ的な精神を持った楽天的な人物ですよね。

長谷井 まさにその通りです。ギャラはフィリピンでは取っ払いで日々発生していたので、セバスチャンを演じたジョマル(・ビスヨ)一家はわかりやすく段々洋服が良くなっていくんですよ。でもピーターは相変わらずで、彼は最終日に5千円しか持っていなかった。どうやら彼はお金を困ってる人にあげちゃってたみたいで。ぼくたちのいる社会ではギャラをキープする、建設的に使う、何かのために残しておくみたいな考え方だけど、彼は全く違う。そこが最高だと思います。

──映画の中のピーターの性格はもともとの彼から生まれているということですね。

長谷井 彼が亡くなった時に家族もいないしお金もなくて遺体を病院から出せなかったのですが、日本から色々な友だちがカンパをくれて彼のお葬式を上げることができました。そこで上映会をした時には盲目の人たちも見に来てくれて、最後に遺体を棺桶に入れるまでみんなで彼を見届けました。ピーターのように無償で人に接する人に対してはこっちも何かしたくなっちゃう。それってすごくいい連鎖だと思う。

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ブランカとギター弾き (2015 年 /イタリア/ タガログ語 / 77 分 / カラー / 5.1ch / DCP / 原題:BLANKA)
監督・脚本:長谷井宏紀
製作:フラミニオ・ザドラ(ファティ・アキン監督『ソウル・キッチン』) 制作:アヴァ・ヤップ
撮影:大西健之
音楽:アスカ・マツミヤ(スパイク・ジョーンズ監督短編『アイム・ヒア』)、フランシス・デヴェラ
出演:サイデル・ガブテロ / ピーター・ミラリ / ジョマル・ビスヨ / レイモンド・カマチョ
日本語字幕:ブレインウッズ © 2015-ALL Rights Reserved Dorje Film
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2017年7月29日(土)よりシネスイッチ銀座他にて全国順次公開!

2017/07/27/19:52 | BBS | トラックバック (0)
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