インタビュー
長谷井宏紀監督/『ブランカとギター弾き』

長谷井 宏紀 (監督)
映画『ブランカとギター弾き』について【4/5】

2017年7月29日(土)よりシネスイッチ銀座他にて全国順次公開!

公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:常川拓也)

『ブランカとギター弾き』場面6 『ブランカとギター弾き』場面7
──ラウルが「野良犬は野良犬らしく、ゴミはゴミらしくやってりゃいい」とブランカに言う場面があります。あるいはストリップのおばさんが「あんたみたいな子は結局ここに戻って来るんだよ」と言います。そこには、自分と同じような他者をその階層の中に閉じ込めたままにしようとするかのようなサイクルが感じられました。

長谷井 そうですね。それはとてもつらいことですよね。でも、その感じってどの世界でもあると思うんですよね。彼らだけの世界ではなくて、たとえば会社の中でも政治家の人たちの中でもどこでもありそう。たまたまああいう描き方にぼくがしてしまったけれど、意外とあの中だけで起きてることって、もちろんあの状況下で生きてるキャラクターだし、フィリピンで撮影した映画だからその中で行われていることのように見えてしまうのだけれど、色々な国や色々な場所でこのことは当てはまるのではないかと思います。

──ブランカが「何で鶏は羽があるのに飛べないの?」と言う場面がありますが、そこもその点とつながるように思います。特に、鳥籠の中で鶏と一緒にブランカが閉じ込められる場面は象徴的です。

長谷井 鶏って人間にスポイルされてしまったんだって。だからある一説によると、鶏自身が飛ばないってことを選んだらしいんですよね。そこが自分の中でアイデアになっているのですが、やっぱりぼくらはこの社会に生きていて何かにスポイルされているのではないかという感覚になってきた時に、俺たちもどこかで飛ばなきゃいけないのではないかということがあの場面でメタファーとして入っています。なかなかそこをインタビューで聞いてくれる方がいなかったので、嬉しいです。ありがとうございます。

──劇伴音楽の付け方もバランスがいいと思いました。シンプルで慎ましい物語ですが、過度に感傷的にさせない、ドラマティックに盛り上げ過ぎないことで彼らを悲劇的に、あるいは被害者的には描いていません。

長谷井 アスカ・マツミヤさんやアルベルト・ボフさんやフランシス・デヴェラさんから本当に色々なとてもいい楽曲を提供してもらいましたが、ほとんど使うことができませんでした。音楽が鳴っていなくても音楽が聞こえる場所ってあると思うんですよ。だから音楽を聴いた時に、その音が終わったとしても、それからしばらくその余韻が残って聞こえていたりするから、そこにあえてまた違う音を入れると意味がわからなくなってしまう。実は、最初のラフカットは編集ももうちょっと長かったから、音楽ももう少し付いていたりしたのだけれど、編集自体が短くなったから音楽も外しました。

──全体で77分というのも本作に合っていると思います。

長谷井 10分弱長かったです。でも削りました。

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ブランカとギター弾き (2015 年 /イタリア/ タガログ語 / 77 分 / カラー / 5.1ch / DCP / 原題:BLANKA)
監督・脚本:長谷井宏紀
製作:フラミニオ・ザドラ(ファティ・アキン監督『ソウル・キッチン』) 制作:アヴァ・ヤップ
撮影:大西健之
音楽:アスカ・マツミヤ(スパイク・ジョーンズ監督短編『アイム・ヒア』)、フランシス・デヴェラ
出演:サイデル・ガブテロ / ピーター・ミラリ / ジョマル・ビスヨ / レイモンド・カマチョ
日本語字幕:ブレインウッズ © 2015-ALL Rights Reserved Dorje Film
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2017年7月29日(土)よりシネスイッチ銀座他にて全国順次公開!

2017/07/27/19:54 | BBS | トラックバック (0)
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