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ジョシュ&ベニー・サフディ監督公式インタビュー:映画『グッド・タイム』について

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ジョシュ&ベニー・サフディ (監督) 公式インタビュー
映画『グッド・タイム』について【1/2】

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2017年11月3日(祝・金)よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された映画『グッド・タイム』は、NYクイーンズの貧困層地区を舞台に、強盗に失敗した兄弟の逃走の一夜を描いたクライム・アクションムービー。カンヌ映画祭では、アル・パチーノ主演/シドニー・ルメット監督の『狼たちの午後』(75)や、ロバート・デ・ニーロ主演/マーティン・スコセッシ監督の『タクシードライバー』(76)などの都市に潜む狂気と混乱を描いた作品の系譜を継ぐと絶賛された同作を撮った、ジョシュ&ベニー・サフディ兄弟監督の公式インタビューをお届けする。
ジョシュ&ベニー・サフディ 兄のジョシュは1984年、弟のベニーは1986年生れ。ニューヨーク、クイーンズ出身。兄弟共にボストン大学で学び、在学中に映像制作団体Red Bucket Filmを設立。ニューヨークを舞台に、盗癖のある女性の孤独な人生を描いた『The Pleasure of Being Robbed』(08・未)で長編監督デビュー。自然な手法で仕上げた貧困街を描く作品群をベースに、サフディ兄弟は愛すべきニューヨークの社会的弱者、中毒者、犯罪者、負け犬といった登場人物を扱い、無鉄砲に今を生きる彼らの自由を描き出してきた。自身の幼少時代をテーマにした『Daddy Longlegs』(09・未)でインディペンデント・スピリット賞のジョン・カサヴェテス賞に輝く。その後、初のドキュメンタリー『Lenny Cooke』(13・未)を監督する。それは米国の高校バスケットボール界で活躍し、将来を期待されながらもプロ入りを果たせなかった選手の半生を追い、第70回ヴェネツィア国際映画祭で上映された。『神様なんかくそくらえ』(15)では、ニューヨークに暮らすストリートガールの破滅的な恋を鮮烈な映像とみずみずしい感性で描き出し、第27回東京国際映画祭グランプリと最優秀監督賞のW受賞を果たす。長編監督5作目となる『グッド・タイム』は、世界中から数多くの作品が応募されるなか、第70回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門作品に選ばれ、彼らにとってカンヌ初コンペ作品となった。弟のベニーは、監督と兼任で知的障害者の弟ニック役で出演している。2018年製作予定に、マーティン・スコセッシをエグゼプティブ・プロデューサーに迎えたスリラー『UNCUT GEMS(原題)』が控えている。
STORY お前の家族(ファミリー)はオレだけだ。愛してるぜ。
ニューヨークの最下層で生きるコニーと知的障害者の弟ニック。2人は銀行強盗を行うが、弟が逃走中に捕まり投獄されてしまう。コニーは弟の保釈金1万ドルを年上の女性コーリーに支払ってもらおうと保釈保証人の事務所まで連れ出す。しかし弟ニックは獄中で暴れ、病院へ送られていた。それを聞いたコニーは病院へ忍び込み、警察が監視するなか弟を取り返そうとする。顔面を包帯でまかれ車イスに乗った彼を外に連れだし、言葉巧みに他人の家に入り込んだコニーだったが、テレビのニュースでも銀行強盗の犯人として兄弟2人が大々的に取り上げられ、次第に彼らは追い込まれていく――。

『グッド・タイム』のストーリーができるまで
(ジョシュ・サフディ監督)

『グッド・タイム』映画『グッド・タイム』 『グッド・タイム』場面2

コニーは、リアリティ番組「全米警察24時 コップス」に出てくるような低レベルの犯罪者をイメージしました。
コニーの中にある切望やもろさに私はとても心惹かれますが、それはロバート・パティンソンが本来持っているものでもあると思います。ロバートはロンドンの郊外出身ですが、NYクイーンズの荒々しい世界に溶け込む必要がありました。だから彼は誰よりも苦労していましたよ。なのでロバートは脚本を書き始める前に何カ月もかけて、コニーという人物を作っていきました。

(劇中で描かれない)コニーの生い立ちは、刑務所に入ったことで兄弟は離れ離れになり、多くの受刑者と同様にコニーも、どこで道を誤ったのかと考え始めます。そして出所後、弟に償いをすることだけが彼の人生の目的となるのです。2人の自由を確保し、役所の調査や最低賃金労働、その他の落とし穴に満ちた希望のない世界から、弟を連れて抜け出す方法を探していたのです。皆、クイーンズ出身であることを誇りにして語るけれど、クイーンズを出て大都会に住もうと努力しているのも事実。決してカッコいい場所ではないのです。『グッド・タイム』は「うまくいかない一夜」を描いた作品ではあるけれど、純粋に登場人物と彼らが置かれた状況から生まれたものです。私たちは、100分ある上映時間のうち1分1分の登場人物たちの行動すべてにこだわりました 。

音楽にもこだわりがあります。映像で見える要素のすべてに、“それぞれの音”があり、コニーがあるシーンで着ているオレンジのパーカーにも音があります。音楽は、作品のもう1人の登場人物なのです。イギー・ポップが歌詞を書いたエンディングの歌「The Pure and the Damned」で、イギーは兄コニーを罪深い者(damned)、弟ニックを純粋な者(pure)としました。彼は“純粋”な人だけでなく“罪深い”人も、愛ゆえに行動を起こすということを示唆している。イギーの「もつれた紐から自分自身をほどく」という歌詞を聞いて、分かり始めたことがあります。コニーは、ただその紐に絡まっているだけなのだと。銀行強盗は、弟を元気づけ、純粋に人生を味わわせるための方法だった。彼には目標とする兄弟の理想像があり、それはただ、楽しみたい(have a Good Time)ということだった。どれだけ多くの人に邪魔されようとね。

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グッド・タイム (2017/アメリカ/カラー/英語/100分/原題:GOOD TIME/映倫:R-15)
出演:ロバート・パティンソン、ベニー・サフディ、ジェニファー・ジェイソン・リー、バーカッド・アブディ、バディ・デュレス、タリア・ウェブスター、ピーター・ヴァービー、グラディス・マトン、ネクロ
監督:ジョシュ&ベニー・サフディ『神様なんかくそくらえ』
脚本:ロナルド・ブロンスタイン、ジョシュ・サフディ 共に『神様なんかくそくらえ』
撮影監督:ショーン・プライス・ウィリアムズ『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』
編集:ロナルド・ブロンスタイン、ベニー・サフディ 美術:サム・リセンコ『フランシス・ハ』
衣装:ミヤコ・ベリッジ、モルデカイ・ルビンスタイン
音楽:ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー『ブリングリング』
配給:ファインフィルムズ © 2017 Hercules Film Investments SARL
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2017年11月3日(祝・金)よりシネマート新宿、
ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

2017/10/08/19:51 | トラックバック (0)
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