インタビュー
春本雄二郎監督監督『かぞくへ』

春本 雄二郎 (監督)
映画『かぞくへ』について【6/6】

2018年2月24日(土)よりユーロスペースにてロードショー!

公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:深谷直子)

――本当に完成まで大変な道のりでした。間に合ってよかったですね。

春本 スタッフには本当に感謝しています。みなさんの技術と機材を惜しみなく使ってくれて。それがあるからストーリーに集中してもらえるので。

――本当にありがたいことですね。こんなにいい作品になって映画祭でも評価を受けて。作品を見込んだみなさんにとってもこれを仕事として残せたことは嬉しいことだと思います。

春本 本当に結果が残せてよかったなと思います。みなさんからは「このあとも一緒にやりましょう」って言っていただいているのでありがたいです。

――この作品は海外の映画祭にも出品されていますが、英語のタイトルには「家族」を表す言葉は使われていませんね。

春本 “Going the Distance”というタイトルです。最初は”My dear family”とかって付けていたんですけど、字幕を付けてくれたネイティブの方から古臭く聞こえると言われました。代わりに提案してくれたのが”Going the Distance”で、この言葉にはボクシングでファイナルラウンドまで戦い抜くという意味があるそうなんです。この映画は旭、佳織、洋人の3人が家族に対して死闘を尽くす映画だし、ボクシングでもカブるし、外国の人が聞いたときに「あ、これは」と感じるだろうと。

――それは気の利いた素敵なタイトルですね。
春本雄二郎監督2

春本 そうですね。”Family”と付けるのってひねりがなくてやっぱり古臭いだろうなって。今回は、この映画のためによかれと思って言ってくださる人の意見をちゃんと聞くようにしていたんです。「こうじゃなきゃダメ」ということは言わないようにしていて。その結果すごくいいカットが撮れていたこともありました。タイトルも、作品にとってプラスになるだろうとその人のことを信じたんです。外国の方からいいタイトルだと言っていただいたりしています。

――海外での作品への反応はいかがでしたか?

春本 描かれている人間の感情が、外国の人から見てもとてもよくわかると言ってくださいます。

――そうですね、シンプルで誰にでもしっかり伝わる力強さがあるのがこの作品の素晴らしいところだと思います。海外の映画の影響を強く受けているようですが、映画監督になろうとしたきっかけは?

春本 もともと絵を描くのが好きで、子供のころは「漫画家になりたい」と思っていたこともあったんですが、その後は普通に受験勉強をしていましたね。大学受験に失敗して、二浪の末に滑り止めの大学に入ったんですが、そこで「俺の人生って何なんだろうな?」と思って、美術系の大学を受け直すことにしたんです。高校生のときに『耳をすませば』(95)を観て「なんてまっすぐな子たちなんだろうか」と衝撃を受ける体験をしていたのでアニメーションの監督になりたいと思い、予備校の先生が「日本大学芸術学部というのは映画の勉強ができるらしい」と教えてくれて、そこを受けようと。ただ、2次試験の面接の場で初めて知ったんですけど、日芸はアニメーションを教えないんですよ(苦笑)。先に調べろよという感じなんですが、まあ入ってから考えようと。入ったら映画好きのやつがいっぱいいて、薦めてくれる映画を観ていたら「劇映画もこんなに面白いんだ!」とハマっていって、劇映画の監督になるのもいいなあって。

――そうなんですか。そこで新鮮な劇映画との出会いがあって。どんな作品を観ていたんですか?

春本 まずはコーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』(84)とか『ファーゴ』(95)とか観てめちゃくちゃ面白いなって。人間のブラックな部分を見るのって面白いなと思って、そこから人間の本質を描く映画が好きになり、クシシュトフ・キェシロフスキの「デカローグ」(89~90)にすごく衝撃を受けました。ラース・フォン・トリアーとかダルデンヌ兄弟も出始めたときでしたね。マイク・リーの『秘密と嘘』(96)も大学で観て「なんだこのナチュラルな芝居は?」って衝撃を受けて。演出方法も好きだったんですよ。細かい人物設定を俳優に知らせずに芝居に臨ませて、新鮮なリアクションを切り取るというか。そういうふうに芝居って作れるんだと感心しました。マイク・リー監督は舞台出身だからリハーサルを何回もやって作り込むというのも聞いていて。土台をしっかり作って、そこから先のナチュラルな芝居は土台からにじみ出させるんです。

――なるほど。『かぞくへ』の実験的な脚本作りやナチュラルなお芝居にはそうした作品の影響が強く出ているようですね。これからの活動も楽しみにしています。今回は脚本と監督とを手がけましたが、今後もこのやり方で行くおつもりですか?

春本 そうですね、自分の伝えたいメッセージがあって映画を作るので、絶対自分の脚本でやりたいです。人の脚本だとノらないです。お金はもうからないと思いますけど、スタッフ、キャストとともにいい仕事ができるちゃんとした環境を整え、そういう体制でいい作品を確実に残していきたいなと思います。

( 2018年2月12日 武蔵小杉で 取材:深谷直子 )

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かぞくへ ( DCP/シネスコ/5.1ch/カラー/2016/日本/117分 )
出演:松浦慎一郎,梅田誠弘,遠藤祐美,三溝浩二,おのさなえ,下垣まみ,瀧マキ,森本のぶ
監督・脚本・編集:春本雄二郎
撮影:野口健司 照明:中西克之 録音・整音:小黒健太郎 制作:福田智穂 助監督:浅見佳史
音楽:高木聡 プロデューサー:深谷好隆,春本雄二郎,南 陽 海外セールス:植山英美(ARTicleFilms)
配給:『かぞくへ』製作委員会 配給協力:コトプロダクション ©『かぞくへ』製作委員会
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2018年2月24日(土)よりユーロスペースにてロードショー!

2018/02/24/20:36 | トラックバック (0)
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