インタビュー
伊藤峻太(監督) & ウダタカキ(俳優)監督『ユートピア』

伊藤 峻太(監督)ウダタカキ(俳優)
映画『ユートピア』について【2/8】

2018年4月28日(土)より 下北沢トリウッドにてロードショー!

公式サイト 公式twitter 公式Facebook youtubeリンク (取材:深谷直子)

『ユートピア』
――この映画には、童話や童謡もたくさん使われていますね。

伊藤 モチーフとしておとぎ話がいろいろ出てくるんです。いちばん中心になるのは『ハーメルンの笛吹き男』ですし、まみが赤ずきんみたいなのを被っているとか。現代のおとぎ話というか、それをオマージュしています。で、『ハーメルンの笛吹き男』も本当に興味深い話で。1284年にハーメルンの街から130人の子供が消えたという史実に、ネズミの被害や笛吹き男のモチーフを加えてグリム兄弟が童話にしたんですが、子供たちが消えた理由については6つぐらいの説があって、少年十字軍の徴兵だとか集団ヒステリーだとか。でも真実がどうだったかはわかるはずもなくて、それでまた僕の中二病スイッチが入って(笑)。「絶対世界中で子供がさらわれてるはずだ」って、それがトマス・モアの『ユートピア』と結びついて、企画の始まりになっています。

――なるほど。すごい想像力ですよね。

ウダ 映画の中で、ベアが「ユートピア人は夢を見ない」と言っているんですよね。その意味が2回観てもわからなかった。ハーメルンからさらわれてきてユートピアにいるベアは、よく夢を見てうなされ、ユートピア人の友達に「またあれ見たの?」って訊かれて「そう」って答える。まみも「ユートピアを見るために夢はあるんだ」って結構象徴的に言うんだけど、実は僕はまだその意味がわからないんだ(笑)。

伊藤 ああ、ありがとうございます。そこは本当に説明されていなくてわかりようがないんですが、すごく壮大な設定があって。カットしようという話も出ていて、編集で試行錯誤している間はカットされていた時期が結構長かったんです。でも意味はわからないんだけど、証拠として入れておきたいなって。企画のふくらみとかを捨てて必要なところだけにしちゃって本当に面白いのかな?っていうのがあって、それで残しておきたかったんです。で、「夢」の意味というのは、ユートピア国の歴史をすべて説明することになってしまうんですけど……。ユートピアという国は地球上のどこかの島にあって、2万年前とか3万年前とかにいちばん栄えていた、高度な文明をもつ国なんです。そのうちに大陸では火が発見され、だんだん戦争に使われるようになって、世界中が火に包まれてしまった。ユートピア国には枢密院という超能力に近い力を使う人たちがいて、その人たち主導で、島に火の手が来る前に空間ごと隠れようとするんです。世界中に散っていたユートピア人と動物を方舟で回収して、ユートピア島まで戻ってきて空間ごと消えた。その弊害で大津波が起こって世界中の文明が一旦沈んだという設定があって。

『ユートピア』場面1

ウダ 「ノアの方舟」だ。

伊藤 はい、「ノアの方舟」がモチーフになっているんですけど、どうやら世界中に津波が来て一旦文明が滅んだという神話や伝説がいっぱいあって、遡ると大体時期が一致するらしいんですよ。それを僕はユートピアに結び付けたんです。ユートピア国はそのあと新しい時空で繁栄しようとするんですけど、寒くて作物が育たなくて、火を焚いて土地を温めなくてはいけないと知った。でも火に恐怖もあるし危険だという認識でずっとやっているので地下でこっそり焚こうということになり、ユートピア人の血筋は大切だから、地球から奴隷を連れてきて焚かせようと。そうして時空を超えて子供をさらって来るすべを開発したんですけど、最初は契約だったという設定で。地球の文明は津波で一旦滅び、生き残っている人たちで子供を作って繁栄し始めたんですが、彼らは罪人なんです。「お前らのせいでこうなったんだ、子供をよこせ」とユートピア人が定期的に地球に現れ、子供を連れていくという契約が結ばれて、大昔の人間たちは多分ユートピア人を神様のように見ていて従った。でも連れていかれた子供のことが心配で心配で、見守りたいという気持ちから、寝ている間にユートピア国を見る能力を開発したんです。それが夢の始まりで。その後、文明が完成されていて発展しない世界であるユートピア国と、どんどん発展していく地上の世界で時間の流れに差ができていって、それで契約も忘れ去られ、笛吹き師がこっそりさらうしかなくなった。また、夢を見るという能力も遺伝で継承され、みんな夢を見られるようになった。夢には記憶を定着させたりする作用があり、その映像を見るのが夢ということに今はなっているんだけど、実はそれは副作用であって、「ユートピアを見る」ということが夢の本来の使い方。

――ああ、それで「ユートピアを見るために夢があるんだ」と……。一言に凝縮したら確かに。

伊藤 そうです。ユートピアに連れていかれた子供たちのことが心配で、残された親たちが見ようとしたのが夢の始まりで。だからユートピア人は夢を見ないんです。そういう観る人には絶対にわからないことを映画に入れてしまっているんです(苦笑)。

――まみちゃんはよくわかりましたね。

伊藤 まみは劇中で笛の音で催眠を受けたりすることが何度かあるので理解が早いんですよね。まみの理解度が、映画を観ている人の理解度を超えてしまうので、途中でわけがわからなくなってしまうんですけど。そういう難しさがある(苦笑)。

――(笑)。でも話を聞いたら全部説明がつきますね。本当に完璧な世界を作り上げたんだなあと。

伊藤 7年間設定を考えていたんで。

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ユートピア ( 2018/104 分/日本 )
出演:松永祐佳,ミキ・クラーク,高木万平,森郁月,吉田晋一,地曵豪,ウダ・タカキ,まなせゆうな,椿鮒子,吉田佳代,レナ・コックス,デニス 他
監督・脚本・VFX・編集:伊藤峻太
撮影監督・音楽:椎名遼 助監督:市原博文 制作:湯浅志保子 サウンドデザイン:小牧将人
ラインプロデューサー:山本達也 特殊メイク:小林誠実 VFX 特別協力:村上優悦 宣伝美術:平山みな美 プロデューサー:大槻貴宏
製作:「ユートピア」製作委員会(トリウッド、AXsiZ、芸術家族ラチメリア・カルムナエ)
配給:トリウッド © UTOPIA TALC 2018
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2018/04/27/10:22 | トラックバック (0)
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