インタビュー
塚本晋也監督『斬、』

塚本 晋也 (監督) 映画『斬、』について【4/5】

2018年11月24日(土)よりユーロスペースほか全国公開!

公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:深谷直子)

『斬、』場面5 『斬、』場面6
――小さい人間関係の中で起こることが戦争の縮図になっていますよね。悪夢の雰囲気もあって、塚本監督の映画だなと思いました。

塚本 出ようにも出れないですからね。そこがいつものギャグ、真面目なギャグですね。

――争いが起こる前の平穏な日常のシーンも丁寧に描いていますね。杢之進、ゆう、市助、澤村の4人が森の中で遊ぶシーンも、ゆったり長めの時間をかけて見せていました。

塚本 普通の時代劇だったらあのシーンはなくて、小気味よく展開していきますよね。でもあそこが結構大事で。取り決めとか組織とかを取っ払えば、自然というきれいなものの中で、みんなで楽しく遊べる関係なのにね……という大事なところです。そして、自然の使われ方がどんどん変わっていって、最後非常に陰惨になるのは『野火』と似ているのかもしれません。

――中村達也さん演じる源田が率いる浪人集団は、映画の中では悪役ということになるんですが、杢之進が彼らに歩み寄ろうとするいいシーンもありました。

塚本 あそこで杢之進がヒロイックに活躍なんかしたら普通の時代劇なんですけど、そうはしないという感じですね。杢之進は今で言えば外交能力がある人なのに、それを発揮して築いた関係を、澤村という大人代表がグイグイに踏みにじっていく(苦笑)。

――それがまたリアルですよね。塚本監督が演じた澤村は、本来はとても頼もしい師匠的な存在で、殺陣も見事で格好よかったです。

塚本 そんなに大したことないですよ。格好いい役だとも思っていなくて、よく働く、ちょっとユニークな人物という感じに考えていました。でも脚本を書いていたときと、出来上がって自分で見たときとでは確かに印象が違っていてビックリしました。澤村は普通の人だけれど、行きがかり上、恐ろしい役回りを担うことになってしまった……というように見えるつもりだったのに、お前が悪いんだよ!って元凶になってますね(苦笑)。

――(笑)。どのキャラクターにも二面性とか奥行きがありますね。慎み深い若者に見える杢之進とゆうが求め合う姿は非常に官能的でした。性的なものを時代劇で描くこともあまりなかったと思いますが、若い人たちが性的な欲望を抱えているのは当然のことで。日本ならではのエロティシズムも感じられて、隙間の多い日本家屋で悶々と過ごす感じが伝わってきました。

塚本 あの家はちょっと隙間がありすぎですけどね。指を通すために穴を空けちゃいましたから(苦笑)。殺すか殺さないかという話に性的なものを結びつけることは不謹慎な気もしたんですけど、でもそれを描かないと嘘くさい感じがして、実感がこもらないんです。生き死にや暴力と、性的なものは隣り合わせのものなんじゃないかなと思いますね。

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斬、 (2018年/日本/80分/アメリカンビスタ/5.1ch/カラー)
監督、脚本、撮影、編集、製作:塚本晋也
出演:池松壮亮、蒼井優、中村達也、前田隆成、塚本晋也
製作:海獣シアター/配給:新日本映画社 © SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
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2018年11月24日(土)よりユーロスペースほか全国公開!

2018/11/23/00:04 | トラックバック (0)
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