インタビュー
トレイ・エドワード・シュルツ監督/『イット・カムズ・アット・ナイト』

トレイ・エドワード・シュルツ (監督・脚本・共同編集)
公式インタビュー
映画『イット・カムズ・アット・ナイト』について
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公式サイト 公式twitter

2018年11月23日(金・祝)新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー

『イット・フォローズ』の製作陣と2012年の設立以降『ムーンライト』『エクス・マキナ』『ア・ゴースト・ストーリー』など刺激的な話題作を放ち続けるスタジオA24が製作し、全米のインディペンデント映画賞を多数受賞した経歴を持つ新鋭トレイ・エドワード・シュルツが監督・脚本・共同編集を手掛けた極限心理スリラー『イット・カムズ・アット・ナイト』がついに公開された。よくあるホラー・スリラー映画とは少し違う角度から襲ってくる恐怖を描き出したトレイ・エドワード・シュルツ監督の公式インタビューをお届けする。
トレイ・エドワード・シュルツ 1988年、アメリカ・テキサス生まれ。子供の頃から映画製作を始め、ビジネス・スクールに在籍後映画界に飛びこむ。撮影アシスタントとしてテレンス・マリック監督の『ツリー・オブ・ライフ』(11)、『ボヤージュ・オブ・タイム』(16)、『Song to Song』(17)に撮影アシスタントとして参加している。映画監督としては短編『Mother and Son』(10・未)、『Two to One』(11・未)を製作。そして『Krisha』(14)がサウス・バイ・サウスウエスト映画祭で審査特別賞を受賞し、翌年に本作を長編として完成させ、カンヌ映画祭批評家週間を含む多くの映画祭での上映を経て2016年3月にA24より公開された。その後の映画賞レースで、インディペンデント・スピリット賞のジョン・カサヴェテス賞、ゴッサム賞のビンガム・レイ新人監督賞、LA批評家協会賞のニュー・ジェネレーション賞、ニューヨーク批評家評価協会賞の最優秀初監督映画賞などを受賞した。
STORY 夜やってくる“それ”の感染から逃れるため、森の奥でひっそりと暮らすポール一家。そこにウィルと名乗る男とその家族が助けを求めてやって来る。ポールは“それ”の侵入を防ぐため「夜入口の赤いドアは常にロックする」というこの家のルールに従うことを条件に彼らを受け入れる。うまく回り始めたかに思えた共同生活だったが、ある夜、赤いドアが開いていたことが発覚。誰かが感染したことを疑うも、今度はポール一家の犬が何者かによる外傷を負って発見され、さらにはある人物の不可解な発言…外から迫る、姿が見えない外部の恐怖に耐え続け、家の中には相互不信と狂気が渦巻く。彼らを追い詰める“それ”とは一体……。
トレイ・エドワード・シュルツ監督『イット・カムズ・アット・ナイト』メイキングトレイ・エドワード・シュルツ監督 『イット・カムズ・アット・ナイト』 『イット・カムズ・アット・ナイト』場面1
――この映画のテーマを教えてください

T・E・シュルツ この脚本を書いたのは父を亡くして間もなくの頃、悲嘆に暮れていたときでした。父が亡くなったとき側にいたのですが、後悔の念に苛まれている父の姿を見て、そういった悲しみの中からこの脚本が生まれました。そういう悲しみをより大きな社会の中でのあり様として捉えたかった。自分の家族を守るのはどういうことなのかとか、やりすぎの線はどこにあるのか、自分の家族を守るためにどこまで人間性を失っていいものかとか、そういった問題提起をしているんです。だから僕にとってはとてもパーソナルな映画でもあり、かつフィクションでもあって、いろいろな要素が入った作品ができました。

――本作で新たに取り組んだこと、挑戦したことはありますか?
T・E・シュルツ 前作『Krisha(原題)』では少ない予算で、母の実家と家族を使って撮っているので、プロの役者を使った今回とは正反対です。また、映画文法も少し前回とは違っています。前作『Krisha(原題)』では主人公クリシャの視点に思いっきり入り込んで撮っているんですが、本作ではカメラの動きなども含め、もう少し緻密に組み立てながら撮っています。なのでエネルギーの注入の仕方が前作とは違います。今回は予算がついて、会社とやりとりしながら撮っていたので、そういう違いもありました。
それから、今回は自分の祖父母の家を想定しながら脚本を組み立てて書いたのですが、思い描いた通りの撮影場所が見つかる訳ではないので、撮影場所として様々な家を検討し、やっと決まった家に合わせて脚本を直したりしました。そういう大変さはありましたが、でもそれも監督としての学びになったので結果オーライだと思っています。

『Krisha』(2014年米公開)…一人の中年女性が、何年も前に捨てたヒューストンに住む家族の元に戻り、サンクスギビングデーに集まった家族の間で起こる大騒動を描く。キャストは監督自身の家族で、ホームビデオのような映像から、次第にギリシャ悲劇のようなサイコロジカル・ホラーへと変化していくという異色作。2015年サウス・バイ・サウスウエスト映画祭で観客賞、審査員賞をダブル受賞し、カンヌ映画祭批評家週間にも選出された。

――夢のシーンでは画角が狭まるという演出が面白いなと思いました

T・E・シュルツ  閉塞感を出したかったので、夢のシーンでは他の部分とは違う変化を持たせたかった。しかし、全く別のものという感じではなく、気づく人は気づくし、気づかない人もいる、けれど気づかない人も何か違和感を覚える按配を心掛けました。そこで、夢のシーンでは上のフレームと下のフレームを圧縮させ、その結果、逆にワイドフレームになっています。夢のシーンでの画角はその後、後編の場面でもそのまま用いていて、映画の終盤ではより画角を狭め、悪夢的な効果を生むように心掛けています。

――ジョエル・エドガートンは本作で主演と制作総指揮を務めていますが、彼との仕事はいかがでしたか?

T・E・シュルツ ジョエルは本当に素晴らしいコラボレーションのできる人です。現場で撮影していても自分が出演しているシーンや自分の芝居だけでなくて、このシーンがストーリー全体の中でどういう位置づけなのか全体を意識しながら芝居をして、いろいろなアイディアを提案してくれる。そのどれもが素晴らしいアイディアなのです。それに芝居をするときも、例えば5テイク撮ったとして、毎回違うものを見せてくれるんです。少しだけやり方を変えたり、他の役者さんたちとのやりとりを変えたりして。一つひとつのテイクも明らかに考え抜いて芝居しているのが分かる、そういう芝居の調整をしてくれる人です。 彼は、プロデューサーとして脚本の段階から共同作業してくれたのですが、実はラストシーンは彼のアイディアからあるシーンを入れることになりました。映画作りは人とのコラボレーションの中で出来上がっていくものだから面白いと思っていて、そういう素晴らしいコラボレーションがジョエルとできた訳です。そういった意味ではとてもラッキーだったと思っています。僕はジョエルとは友人として、そして素晴らしいコラボレーターとしても付き合っていて、また彼に対しては尊敬の念もあるので、彼の事を“パパジョエル”と呼んでいます。

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イット・カムズ・アット・ナイト
( 2017年/アメリカ/英語/92分/カラー/シネスコ/原題:IT COMES AT NIGHT/字幕翻訳:伊原奈津子 )
監督・脚本:トレイ・エドワード・シュルツ 製作総指揮・主演:ジョエル・エドガートン『ザ・ギフト』
出演:クリストファー・アボット「GIRLS/ガールズ」、カルメン・イジョゴ『エイリアン: コヴェナント』、
ケルビン・ハリソン・ジュニア、ライリー・キーオ『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
配給:ギャガ・プラスGAGA+ © 2017 A24 Distribution,LLC
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2018/11/23/18:51 | トラックバック (0)
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