インタビュー
川口潤監督/『THE COLLECTORS~さらば青春の新宿JAM~』

川口 潤 (監督)
映画『THE COLLECTORS~さらば青春の新宿JAM~』について【1/4】

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2018年11月23日(金・祝)~12月6日(木)、新宿ピカデリー、MOVIX 仙台・京都、なんばパークスシネマ、ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13、イオンシネマみなとみらい
11月30日(金)~12月13日(木)、イオンシネマ熊谷・県央・金沢・広島

12月7日(金)~14日(金)、渋谷 HUMAX シネマほか以降全国順次公開

2017年大晦日、東京のアンダーグラウンド音楽シーンを支えてきた老舗ライブハウスの新宿JAMが37年の歴史に幕を下ろし、多くのミュージシャンや音楽ファンを寂しがらせたが、嬉しい置き土産も残してくれていた。公開中の映画『THE COLLECTORS~さらば青春の新宿JAM~』は、日本を代表するロックバンドのザ・コレクターズが行った新宿JAMの閉店ライブと、32年前の同会場での初ワンマンライブを映像で行き来する斬新な手法で、在りし日のJAMの姿を生き生きと蘇らせている。また、バンドの中心人物である加藤ひさしと古市コータローはじめ、多くの関係者の証言で、彼らの原点である東京モッズシーンと、「自分たちのロックで成功したい」という信念を貫いてきたバンド史も掘り起こす。だがこれは、そんな過去のものとなってしまった何かを描くだけの映画ではなく、今のザ・コレクターズを映す映画。図らずもスタートした過去への旅で、初心に立ち返って興奮し、失われたものへの想いを原動力にグングン進む彼らの姿に、これまでザ・コレクターズにもモッズシーンにも接点のなかった川口潤監督が新鮮に向き合い共鳴して、みずみずしくドラマチックな痛快ドキュメンタリーが誕生した。ザ・コレクターズと東京モッズシーンを愛する人にはもちろんまたとない贈り物であるが、人間の不思議さ・面白さまで見せてくれる川口監督の最高傑作は、幅広い層の心に響くはずだ。ぜひ多くの方に劇場に足を運んでほしい。川口潤監督にお話をうかがった。 (取材:深谷直子)
川口 潤 SPACE SHOWER TV / SEPを経て2000年に独立。SPACE SHOWER TV 時代はブライアン・バートンルイスと共に「SUB STREAM」「MEGALOMANIACS」といった人気音楽番組を制作。独立後はミュージックビデオ、ライブDVD、音楽番組の演出等を多数手がける。2008 年<BOREDOMS>のライブドキュメンタリー『77BOADRUM』を自主制作、自主配給で日本全国横断、海外上映をし映画監督デビューを果たす。同年1980年代のパンクバンド<アナーキー>のドキュメンタリー映画『アナーキー』(太田達也監督)にリミキサー(追加撮影、再構築)として参加。2011年に劇場公開された<bloodthirsty butchers>のドキュメンタリー映画『kocorono』は国産音楽ドキュメンタリーの真骨頂として音楽ファンだけでなく映画ファンに今なお支持されている。2014 年にはミニシアターでスマッシュヒットを記録した<TEENGENERATE>のドキュメンタリー『GET ACTION!!』(近藤順也監督)に撮影・ 編集として参加。同年に監督作品として『山口冨士夫 / 皆殺しのバラード』を発表。2016年には飛ぶ鳥を落とす勢いのラスティックストンプバンド<OLEDICKFOGGY>初のドキュメンタリー作品『オールディックフォギー / 歯車にまどわされて』を劇場公開。音楽ファンの間でいま最も信頼の置かれている映像作家である。
THE COLLECTORS(ザ・コレクターズ) 1986年初頭、THE WHOやPINK FLOYDといったブリティッシュ・ビート・ロックやブリティッシュ・サイケ・ロックに影響を受けた加藤ひさし(Vo.)と古市コータロー (G.)が中心となって結成。翌87年11月にアルバム『僕はコレクター』でメジャーデビュー。2018年11月に23枚目となるアルバム『YOUNG MAN ROCK』を発売。現在のメンバーは、加藤ひさし(Vo.)、古市コータロー (G.)、山森“JEFF”正之(Ba.)、古沢“cozi”岳之(Drs.)。
川口潤監督2 『THE COLLECTORS~さらば青春の新宿JAM~』
――この映画のことを知ったとき、ザ・コレクターズと川口監督の顔合わせが意外でとても驚きました。

川口 僕も意外でしたね。コレクターズは有名な曲を何曲か知っているぐらいで、お話が来たときは「まさか」という感じでした。フジパシフィックミュージックという、彼らの音楽の出版管理をしている会社の担当に若い社員が入って、「新しい企画を出して」と言われて「映画はどうですか?」と。その方が僕の作品が好きで、声をかけてもらった感じです。この映画のプロデューサーもしてくれています。

――メンバーと顔合わせをしたときはどんなお話をしたんですか?

川口 加藤(ひさし)さんから「監督の作品を何本か観たけど、ちょっと俺たちとテイストが違うんだよね」って言われて、「えっ?」って思って(笑)。でも僕はそれをまったく悪く取らず、「ああ、面白い人たちだなあ」と思いました。もしかしたら、映画監督ってエゴが強くて強引なイメージがあるからああいうことを言ったのかな?という気もしますね。『kocorono』(11)が雪景色から始まったのが鮮烈に印象に残ったらしくて、観念的な感じに描かれるんじゃないか?と心配していたみたいです。「俺たちの映画は熊谷の田んぼの景色から始まるの?」なんて言われて、「そんなつもりは全然ないですよ」って(苦笑)。僕はどの作品も被写体ありきで構築しているつもりなので、それが今回はうまくできたなあと思っているんですけどね。

――そうですね、コレクターズというバンドがよくわかる映画になったと思います。閉店直前の新宿JAMでのライブが大きなテーマになっていますが、これを絡めるアイデアはどうやって出てきたんですか?

川口 打合せをしているときに、「新宿JAMが終わるから、クリスマスのJAMのライブを撮って、東京モッズ時代の話をしたい」というのが加藤さんからあったんです。それを聞いた僕も面白くなりそうだとピンとくるものがあって。新宿JAMの閉店に対して、僕は正直何の想いもなかったんですよ。僕はYouTubeで配信されている「ニッポンのライブハウス」というミニドキュメンタリーのシリーズを作っていたんですけど、そこで新宿JAMを取材する話も出たのですが、もう閉店が決まっているからと断っていたんです。でもこういう形でだったらアリだな、これも何かの縁なのかなと思いました。加藤さんとしては、そういう案を自分から出していかないと、いきなり利根川の風景から入るようなことになるんじゃないか?って本気で恐れていたみたいです。「それじゃ困るよ、俺たちはオシャレなモッズだから」みたいな感じがビシバシと(笑)。でもそれはそういうふうにアイデアを出してくれてよかったです。全然知らない世界だからこそ面白そうだなというのがありました。知っているものを手堅く形にするよりも、「うまくいくのかな?」という危うい未知の部分が多少あったほうが、撮っていてワクワクするんです。

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THE COLLECTORS~さらば青春の新宿JAM~
主演: THE COLLECTORS<加藤ひさし、古市コータロー、山森“JEFF”正之、古沢“cozi”岳之>
出演:會田茂一、岡村詩野、片寄明人、黒田マナブ、 THE BAWDIES、真城めぐみ、峯田和伸、リリー・フランキー / The NUMBERS!他 声:曽我部恵一
監督・編集:川口潤 撮影:川口潤、後藤倫人、梅田航、大石規湖、渡部フランケン、山辺真美 スチール:岩﨑真子、柴田恵理 音楽: THE COLLECTORS(主題歌「明治通りをよこぎって」)
制作:アイランドフィルムズ 製作: THE COLLECTORS 映画製作委員会(フジパシフィックミュージック +日本コロムビア+スペースシャワーネットワーク)
エグゼクティブプロデューサー:朝妻一郎、小池英彦、上阪伸夫、阿部三代松、近藤正司、石田美佐緒
プロデューサー:大塚涼大、斎藤勝栄、杉岡由梨香、高根順次、近藤順也
1:1.78|カラー|ステレオ|105分|2018年|日本|配給: SPACE SHOWER FILMS
© 2018 The Collectors Film Partners
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2018年11月23日(金・祝)~12月6日(木)、新宿ピカデリー
MOVIX 仙台・京都、なんばパークスシネマ、
ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13、イオンシネマみなとみらい
11月30日(金)~12月13日(木)、イオンシネマ熊谷・県央・金沢・広島

12月7日(金)~14日(金)、渋谷 HUMAX シネマほか以降全国順次公開

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~さらば青春の新宿JAM~主題歌 明治通りをよこぎって C/W NICK! NICK! NICK!/プ・ラ・モ・デ・ル [Analog] ~さらば青春の新宿JAM~主題歌 明治通りをよこぎって C/W NICK! NICK! NICK!/プ・ラ・モ・デ・ル [Analog]

2018/11/29/23:01 | トラックバック (0)
深谷直子 ,インタビュー
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