インタビュー
西原孝至監督×岩瀬亮『シスターフッド』

西原 孝至 (監督) × 岩瀬 亮 (俳優)
映画『シスターフッド』について【3/6】

2019年3月1日(金)よりアップリンク渋谷にて公開中、全国順次公開

公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:深谷直子)

岩瀬亮画像1岩瀬亮

岩瀬 台本を読んだ時点で池田のそういう変化はなんとなく感じて、そこには監督が感じていたことが投影されているんだろうなと考えてはいたんですけど、自分でもすごく実感として感じられて印象的だったのは、池田の女友達の腕時計にまつわるエピソードで感じたことです。パーティーの帰り道、池田は「あいつの時計高そうだったよな」と茶化すように話すんだけど、でも彼女は理由があってそれをしていて。そういうことって実生活の中で自分もいっぱいやっているんだろうなと感じました。男女のことだけではなく、全体的なものの見方とかにつながるものなんだろうと、やっていて感じましたね。

――私もあのシーンでハッとさせられましたね。人それぞれ行動の裏には自分なりの想いがあるんだなとあらためて気づきました。

岩瀬 僕は男性だし、僕が仕事にしている俳優業界も男社会が強いので、女性よりもラクをしている部分はあるだろうなあと感じました。

――そこに気づいてほしいんですよね(笑)。この映画の中でBOMIさんが言っているベネディクト・カンバーバッチの話もそういうことですけど、男性が自分の知らないところで優遇されていることは多々あって、それをおかしいと気づく男性が出てきたとのはムーブメントの成果と言えるのかなと。

西原 そうですね。

――あと、この映画に出てくる女性たちには、みんな同性のパートナーがいますよね。レズビアン的な関係ではなくても、とても親密な友達という感じで。ドキュメンタリー部分の兎丸さんと写真家の方や、ドラマ部分の遠藤新菜さんとSUMIREさん、遠藤さんと兎丸さんもそうで。

西原 この作品の仮タイトルは、岡崎京子さんの漫画からお借りした『トーキョーガールズブラボー』だったんですが、撮影・編集を進める中で、今言っていただいたように女性同士の結びつきみたいなものをタイトルに込めたいと思って『シスターフッド』に変更したんです。

岩瀬 「シスターフッド」って一般的な言葉なんですか?

西原 フェミニズムの世界で大事にされている言葉らしくて、女性同士の連帯や結びつき、レズビアンとか恋愛関係ではない精神的な支え合いを表す言葉として使われるようです。

――#MeToo運動を追っていく中で、女性たちが連帯する姿が印象に残ったと。

『シスターフッド』場面画像4 『シスターフッド』場面画像5西原 さっきの岩瀬さんの話につながるかもしれないんですが、今の日本は圧倒的に男尊女卑の世の中で、その中で苦しんでいる女性もいるように、苦しんでいる男性もいると思っていて。社会の慣習によって苦しんでいる人ってたくさんいて、そんな一人一人がもっと自分が生きたいように生きていいんじゃないかなと思います。#MeToo運動は、そういう人たちが声を上げて新しい世の中に変えていこうとしている運動だと解釈しています。この映画も、海外などの社会の動きを受けて、そういう映画として定義づけし直したような感じがありますね。

――映画の中には、遠藤新菜さん演じる美帆がインタビューを受けて、奨学金の返済の大変さを語るシーンがあるんですけど、監督の以前の作品『わたしの自由について』(16)でもSEALDsのメンバーが同様のことを話していて、それを再度言わせているんだなあと。それは女性だから抱える問題というものではないですよね。

西原 そうですね、そんなふうに学生の抱える問題や悩みというのがあるでしょうし、LGBTの方、障害を持った方の悩みというのもあるでしょうし。政治は悪くなる一方なんですけど、社会で声を上げ始める人たちは確実に出てきている気がしています。諦めずにやっていきたいなと思います。

――岩瀬さんはこの映画を撮っていく中で気づいたことはありますか?

岩瀬 そういう格差の問題に対しては、自覚的に敏感になろうとしないとうまくいかないんじゃないかなと感じました。例えば男と女を完全に平等にすることができるのか?と言ったら、不可能だろうと僕は思っていて。でも不可能だからこそ、「平等にしよう」って強く思っていないと本当に酷いことになっちゃうと思うんですよね。やっぱり身体的な違いだとか、区別がどうしてもあるからまったく同じにはならないんだけど、権利など人間としての当たり前のことを平等にしようと意識することが大事なんじゃないかなと思いました。

――そうですね、頭では「みんな平等に」と思っても、その人の置かれた状況を理解するというのは意識して考えないとできないことで。

岩瀬 そう。それは男女関係に限らず、いろんなことに当てはまるんだろうなと思います。

――岩瀬さんには演技のこともお聞きしたいです。今回は長回しの撮影で、自然体の演技をされていましたが、難しかったのではないでしょうか?

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シスターフッド (2019年/日本/モノクロ/87分/16:9/ 5.1ch)
出演:兎丸愛美,BOMI,遠藤新菜,秋月三佳,戸塚純貴,栗林藍希,SUMIRE,岩瀬亮
監督・脚本・編集:西原孝至
撮影:飯岡幸子,山本大輔 音響:黄永昌 助監督:鈴木藍 スチール:nao takeda 音楽:Rowken
製作・配給:sky-key factory © 2019 sky-key factory
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2019年3月1日(金)よりアップリンク渋谷にて公開中、
全国順次公開

2019/03/04/20:33 | トラックバック (0)
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