インタビュー
神谷亮佑監督『Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN』

神谷 亮佑 (監督) 映画『Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN』について【2/4】

2019年6月21日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開

公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:深谷直子)

『Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN』場面画像2 『Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN』場面画像3 『Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN』場面画像4
――その後、2012年にGEZANは上京します。

神谷 GEZANが上京して2年後ぐらいに僕も東京に出てきました。GEZANを撮りたくて上京したわけではなくて、映画とか映像の仕事がしたいなと思って。大阪は居心地がよくて、夢とかがすたれていくような感じがあって、刺激を求めて東京に来ました。GEZANに「出てきたよ」って連絡をして、またライブに行ったりするようになりました。

――で、今回のアメリカツアーにも誘われたわけですよね。

神谷 一昨年の11月か12月ぐらいに誘われて、僕は断っていたんです。「お金がないし無理だよ」と。それから「どうしようか?」と何回も話し合っていきました。レコーディング費用とかもすごくかかるし。で、お金を集めるために「BODY VUILDING project」というクラウドファンディングを立ち上げました。僕は映像集を売ったりして資金を稼ぎました。

――それで見事に目標額の300万円を集めたんですね。でもこのころの監督は、アメリカ行きに乗り気じゃなかっただけではなく、映像をやめてしまおうかと思っていたそうですね。

神谷 そうなんです。アメリカ行きの前からずっと考えていたことなんですけど、彼らがこういう挑戦をしようとしているときに言い出すことはできませんでした。ツアーに出て、喧嘩したり泣いたり笑ったりしているうちに心が素っ裸になっていって、その中でようやく言うことができました。引き止められるかな?とか思ったりもしていたんですけど、マヒトも簡単に人の生活に対して口出しはできないから何も言われなくて。ただ、僕のほうでもこの作品をなんとか形にしたかったんですよね。それからは逃げたくなかった。そこからこういう形になって、今はやめたいという気持ちはないです。

――それはよかったです。本当にドラマチックな旅だったんですね。

神谷 そうですね、毎日同じようで同じじゃなかった。すごく刺激的でしたね。街によって住んでいる人が全然違って、その街の色みたいなのがすごく表れていて面白かったです。

――バンド側から「こんなところは撮っておいて」といった要望はあったんですか?

神谷 特になかったですね。ライブはBODY VUILDING projectのリターンにライブをフル尺で撮って放映するというのがあったので、毎回撮っていました。

――ライブはどこもすごい盛り上がりでしたね。ブッキングは現地のコーディネーターがしてくれたようですが、普通のライブハウスではないところが多かったですよね。

神谷 ライブハウスもあれば本屋でもやったし、家の中でもやったし。なかなかないですよね、ああいうライブは。どんな会場でやるのかバンドもあんまりわかっていなくて、行ってみて「ここで合ってるの?」みたいなところから始まって。来ている人もGEZANを知らないと思うんですけど、すごい盛り上がりでした。感情がそのままストレートにくるんですよね。日本の人は結構持って帰ったりするけど、そのままくるから見てて面白かったです。

――一方、訪れる土地それぞれに差別などの問題があって、みんなの感情も揺れ動いて。そこで出てくるマヒトさんの言葉はやはりとても深く、それを受け止める監督もすごいなあと思いました。普段からこんな会話をしているんですか?

神谷 それもありますけど、あのツアー中だからというのがデカかったと思います。素直にならざるを得ない感じでした。やっぱりあのときの精神状態があるからこその言葉というのはあると思います。メンバー4人、映画にはそこまで映っていないと思うんですけど、みんないつもとは違っていました。帰って編集しているときに、イーグル(・タカ)の表情を見てて泣けちゃって。ネイティブのおっちゃんたちが白人のことを話しているときのイーグルのなんとも言えない顔を長回しで撮っていますけど、あんな表情は見たことがなかった。カルロスや(石原)ロスカルも含めてメンバーそれぞれ、言葉にはなっていない部分もありますけど、表情とかが全部語っているなと思います。

――これを映像に残し、追体験できるというのは貴重なことですね。人種差別の問題も、頭で知っているということと、実際にそれを受けている黒人やネイティブの人たちと話をして肌で感じることは全然違う体験ですよね。

神谷 日本にいても見落としていたことが今まですごくありました。例えば慰安婦問題だとか、泣いている人はたくさんいるのに、その状況に気づかなかったんですよね。見落とすことって簡単にできるけど、拾うことはすごく難しい。それに気づけた旅というのはデカイなと思います。

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Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN
(2019 年|日本|カラー|ビスタ| 88 分| DCP|映倫審査区分:G)
製作:十三月 プロデューサー:カンパニー松尾  監督:神谷亮佑 音楽:マヒトゥ・ザ・ピーポー
主演: GEZAN<マヒトゥ・ザ・ピーポー、イーグル・タカ、カルロス尾崎・石原ロスカル>,神谷亮佑
出演:青葉市子,テニスコーツ,原田郁子,THE NOVEMBERS,行松陽介,UC EAST,
Imai,踊ってばかりの国,HIMO,呂布カルマ,やっほー 他
デザイン:マヒトゥ・ザ・ピーポー cover photo:池野詩織 題字:STANG
配給・宣伝: SPACE SHOWER FILMS © 2019 十三月/SPACE SHOWER FILMS
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2019年6月21日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開

2019/06/15/21:02 | トラックバック (0)
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