インタビュー
レオン・レ監督&リエン・ビン・ファット(俳優)/『ソン・ランの響き』

レオン・レ (監督)
リエン・ビン・ファット(俳優)
映画『ソン・ランの響き』について

【1/3】公式サイト 公式twitter 公式Facebook

新宿K’s cinema他にて公開中

2018年開催の第31回東京国際映画祭・アジアの未来部門で上映され、主演のリエン・ビン・ファットにジェムストーン賞をもたらしたベトナム映画『ソン・ランの響き』が、2月22日より新宿K’s cinemaにて公開されている。冷酷な借金取立て人のユンと、ベトナムの伝統歌舞劇カイルオンの花形役者、リン・フンとが出会い、心を通わせていくさまを、子供時代にベトナムからアメリカへ移住したレオン・レ監督が、80年代のサイゴンとカイルオンへのオマージュとともに描いた人間ドラマである。主演二人の凛とした美貌、フォトグラファーでもある監督の美意識が冴え渡る映像、そしてカイルオンと響き合う深い愛の物語を味わってほしい。公開に合わせて来日し、初回上映を終えたばかりのレオン・レ監督とリエン・ビン・ファットさんにお話をうかがった。 (取材:深谷直子)
レオン・レ 1977年サイゴン(現ホーチミン)生まれ。13歳より南カリフォルニアで暮らす。ブロードウェイで俳優・ダンサー・歌手として活躍した後、幼い頃からの夢であった映画監督の道へと進む。短編映画『Dawn』、『Talking to My Mother』を製作、ベトナム国内で高い評価を得た後、本作にて長編監督デビュー。ベトナム映画協会最優秀作品賞、北京国際映画祭最優秀監督賞、サンディエゴ・アジアン映画祭観客賞など、国内外で合計37の賞を受賞した。写真家としての顔ももつ。現在はニューヨーク在住。
リエン・ビン・ファット 1990年11月25日キエンザン省生まれ。ツアーガイドを目指しトンドゥックタン大学に進学する。在学中に人気バラエティ番組「Running Man Vietnam」に出演、人気を博す。その後3ヶ月のオーディションを経て本作にて映画初出演を果たし、第31回東京国際映画祭ジェムストーン賞(新人俳優賞)、ベトナム映画協会最優秀男優賞を受賞した。2020年2月にはフランスの舞台劇『Mr.レディ Mr.マダム』をリメイクした主演映画『The Butterfly House』の公開が予定されているなど、今後最も活躍が期待されるベトナム人俳優の一人。
STORY 高利貸しの手下で借金の取り立て屋ユンと、 ベトナムの伝統歌劇<カイ ルオン>の花形役者リン・フン。全く接点のないはずの二人があるきっかけで知り合い、友情にも似た感情を互いに抱く。 ユンは過去の記憶に囚われながらも新たな道を進もうとするが、その罪は償うにはあまりにも大きく、抗えない運命が迫っていた……。
レオン・レ監督画像レオン・レ監督
――『ソン・ランの響き』の日本公開を嬉しく思っています。先ほどのトークショーで、監督は子供のころカイルオンの役者になりたかったとおっしゃっていました。カイルオンのどんなところに魅力を感じていたのでしょうか?

レオン・レ(以下レオン) 私はカイルオンだけではなくベトナムの伝統歌舞劇全般が好きです。ベトナムにはカイルオンの他にもチェオやハットボイ、カーチューなど、いろいろな伝統芸能があります。カイルオンはベトナム南部の歌舞劇で、家族の他の者はカイルオンをあまり好んではいなかったのですが、私はカイルオンのリズムや歌詞にとても魅せられました。さらに調べていくうちに、その技術面がすごく魅力的に感じられました。カイルオンは同じリズムをキープして、歌詞だけ新しいものをつけることができる唯一の伝統芸能です。歌詞は毎回違うので、観客は飽きることがないのです。

――リズムをキープする楽器がソン・ランですよね。また、リズムにパターンがあるから初見の歌詞を即興で歌うことができるわけですね。

レオン はい。この映画のワンシーンに、リン・フンが、ユンの父親が書いた歌詞をユンの伴奏で歌うというものがありますが、カイルオンの基本的なリズムはみんな知っていますので、歌詞を見たらどこで切ればいいか、どういうふうに歌えばいいかということは大体わかります。そうしたリズムはとても美しく、それぞれ切なさや悲しさといったものを抱えています。

――リエンさんのプロフィールを見ると、元々はツアーガイドを目指していたとのことですね。俳優への道を進むことになったのはなぜでしょうか?

リエン・ビン・ファット(以下リエン) 通訳やガイドとしても私はとても人気でしたよ(笑)。高校卒業後の進路を決めるとき、自分はじっとしていられない性分だから、いろいろなところに行ける仕事ができたらいいなと思って観光業を専攻にしました。通訳・ガイドの仕事にはいろいろあって、ツアーガイドよりもMCの方がカッコいいなと思い、MCとしていろいろなイベントに出るようになりました。その中でいろいろな方に出会い、芸能界について少しずつ知ることになって、演技にも挑戦しようということになりました。

『ソン・ランの響き』画像 『ソン・ランの響き』場面画像1
――ユン役はオーディションで射止めたとお聞きしています。素晴らしい俳優デビューとなりましたが、この役のどんなところに魅力を感じたのでしょうか?

リエン この役のオーディションのことは、私が出演しているテレビ番組を見た映画関係者から声をかけてもらって知りました。ちょうどそのころ映画に出る機会を求めていて、他の作品のオーディションも受けていましたが、ユンという人物には他にはない魅力を感じました。資料にキャラクターの詳細な説明が載っていたのですが、ユンは外見と内面が二つに分かれているような人物で。外見は少し怖そうで薄情な感じがして、でもその内側には悲しみを抱えている、そこに深みを感じ、演じたいと思いました。

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ソン・ランの響き (2018年/102分/ベトナム)
監督:レオン・レ 脚本:レオン・レ,ミン・ゴック・グエン 撮影:ボブ・グエン
プロデューサー:ゴ・タイン・バン 製作:STUDIO68
出演:リアン・ビン・ファット,アイザック スアン・ヒエップ
提供:パンドラ 配給協力:ミカタ・エンタテインメント 配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト
© 2019 STUDIO68
公式サイト 公式twitter 公式Facebook

新宿K’s cinema他にて公開中

2020/02/25/19:41 | トラックバック (0)
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