話題作チェック

レビュー:クロッシング

『見ることのできない風景のために』 / 映画はそもそも昔から、あらゆる風景を貪欲に、無節操に消費し続けてきたメディアである。ひとまず、いささか大げさにこう宣言してはみたものの、携帯電話で撮られた動画が即座にYouTubeにアップされるこのご時世に、この一文がいかほどの意味を持つのかは分からない。さらに言うなら、わたしたちはこの、携帯で撮られた映像がうんぬんというクリシェに、すでに飽き飽きしている。しかし、この映画に描かれ...  続きを読む

2010/04/23/11:49 | トラックバック (4) | 「く」行作品 ,鈴木並木 ,話題作チェック

レビュー:シャーロック・ホームズ

『続編への期待を抱かせるジュード・ロウの男っぷり!』 / ガイ・リッチー監督が、本作の主役である世界で最も有名な探偵の1人、シャーロック・ホームズ役にロバート・ダウニーJr.を、彼の相棒兼同居人のワトソン医師役にジュード・ロウを迎えたと聞いた時は、正直なところ、「イメージが全然違う!」と抗議ものだった。アーサー・コナン・ドイルの小説に登場するホームズの活躍は、これまで多くの映画やテレビでも映像化されているし、何よりも「シャーロキア...  続きを読む

2010/03/30/23:53 | トラックバック (10) | 「し」行作品 ,富田優子 ,話題作チェック

レビュー:キャピタリズム マネーは踊る

『今回の標的は資本主義!マイケル・ムーア、本気の「アメリカ映画」』 / 巨漢マイケル・ムーアが、突撃取材と過去映像の自在な引用・編集、そしてナレーションとで作った、要するに「いつものマイケル・ムーア」シリーズの最新作。『ボウリング・フォー・コロンバイン』(2002)、『華氏911』(2004)、『シッコ』(2007)と同様のスタイルで、今回の標的はキャピタリズム=資本主義。……と書き始めると、ああまた例のアレか、もう飽きたよ、という声が四方八...  続きを読む

2010/01/10/18:28 | トラックバック (7) | 「き」行作品 ,鈴木並木 ,話題作チェック

レビュー:アバター

『映画の進化に巨星キャメロンあり』 / 構想14年、製作4年――。映画技術の英知を結集して製作された本作は、本年の東京国際映画祭<2009年10月17日~25日>で、完全招待制となる『アバター・スペシャル・プレゼンテーション』と銘打たれた27分間のフッテージ映像としていち早く御披露目され、一般のオーディエンスにとっては長らくベールに包まれていた期待の3D-SF超大作だったが、過日、ついに全世界公開となった。アカデミー賞11部門...  続きを読む

2010/01/04/22:18 | トラックバック (20) | 「あ」行作品 ,鎌田絢也 ,話題作チェック

レビュー:パブリック・エネミーズ

『ジョニー・デップのキャラクター・メイキングこそが現代俳優の誉れの証』 / (結末に関する言及あり!)1929年、ウォール街で端を発した株価の大暴落をきっかけに、世界的規模の経済不況が市民を苦しめていた。世に言う「大恐慌時代」である。第1次大戦への輸出によって経済的好況を手にしていたアメリカでも、工業生産の低落により工場は閉鎖し、多くの労働者が街頭に放り出された。1933年にはとうとう全銀行が業務を停止し、市民の長年...  続きを読む

2009/12/22/20:23 | トラックバック (21) | 「は」行作品 ,鎌田絢也 ,話題作チェック

作品レビュー:イングロリアス・バスターズ

『タランティーノのセンスと技量の結晶による新境地を見た』 / クエンティン・タランティーノ×ブラッド・ピットの初顔合わせによる話題性十分な企画力を持った本作は、第二次世界大戦の対ナチ戦線を題材にした復讐劇という剛腕な歴史フィクションエンタテイメントである。そもそもは1976年に公開されたイタリア映画『地獄のバスターズ』(エンツォ・G・カステラッリ監督)のリメイクということでスタートした。しかし出来上がってみるとその内実はやはりタランティー...  続きを読む

2009/12/11/20:19 | トラックバック (10) | 「い」行作品 ,鎌田絢也 ,話題作チェック

レビュー:ロフト.

『ベルギー産大ヒットスリラーはよくできた映画である』 / よくできた映画である。目ざといハリウッドはすでにリメイク権を手にしているのではないか。中心となる五人の男たち、取り巻く女たち、端役の刑事たちにいたるまで、役者がモチベーションを刺激されるような役ばかりなので、けっこうなバリューのあるキャストが集結しそうな気がする。この種の作品が紹介に困るのは、ほとんどなにも言えないことである。公式サイトや予告で触れられている程度の内容...  続きを読む

2009/11/26/00:10 | トラックバック (1) | 「ろ」行作品 ,話題作チェック

レビュー:私の中のあなた

『それは愛情なのか、自分のエゴなのか』 / (結末のネタバレあり!) 長女が白血病を罹った家族の闘病の物語といえば、とても月並みな感じがしてしまうのだが、この映画の中の家族はちょっと特殊である。というのも、幼いころより闘病生活を余儀なくされた姉の命を救うために、ドナー提供者としての妹を、遺伝子操作により誕生させたというのである。赤ん坊の時から幾度も手術台に乗った妹アナもすでに11歳。姉のために腎臓を提供するという要求に...  続きを読む

2009/11/15/14:17 | トラックバック (1) | 藤澤貞彦 ,「わ」行作品 ,話題作チェック

レビュー:風が強く吹いている

『原作よりもフォーカスされた、「信じる」ことの素晴らしさ』(結末のネタバレあり!) / 箱根駅伝と言えば、お正月の風物詩である。かくいう筆者は自他ともに認める箱根駅伝の大ファンだ。筆者の年末年始は箱根駅伝を中心に回っていると言っても過言ではない。母校が箱根の常連校ということもあって、どうしても応援に力が入るのだけど、各校の戦力分析から選手のエントリー状況などを年末につぶさにチェックし、明けて正月2~3日のレース当日の朝...  続きを読む

2009/10/23/15:39 | トラックバック (4) | 「か」行作品 ,富田優子 ,話題作チェック

レビュー:TOCHKA

『内と外を隔てるもの』 / スクリーンを眺めているうちに、そこに映し出されるすべてのものが恐ろしく感じられてきた。 気がつけば、映画のなかでは、私たち観客と同じように暗闇にうずくまり、死の鼓動に耳をすます男がいる。男の視線とこちらの視線が交わったときのそこはかとない恐怖……。日本とロシアの国境に位置する北海道・根室。キャメラは潮風が吹く荒野を長回しでとらえる。閑散とした風景のなかに残されたトーチカ。一人の女(藤田陽子)が...  続きを読む

2009/10/21/23:47 | トラックバック (0) | 佐野亨 ,「英字」から始まる作品 ,話題作チェック

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