今月の注目作

04年3月特集/ドッグヴィル

ドッグヴィル

2003年 デンマーク
監督 ラース・フォン・トリアー
脚本 ラース・フォン・トリアー
出演
ニコール・キッドマン
ポール・ベタニー
クロエ・セヴィニー
ローレン・バコール
ベン・ギャザラ
ジェームズ・カーン
ステラン・スカルスガルド
パトリシア・クラークソン
ジェレミー・デイヴィス
ジャン・マルク・バール
フィリップ・ベイカー・ ホール他

――やらせそうでやらせない女性はこうも男を滑稽にみせるものなのだ。
( Words & Illustrated by中川 泰典 )

<< 作品概要 >>
ロッキー山脈の中腹に位置する村、ドッグヴィル。15人の大人と7人の子供が暮らすその村に、 ギャング、警察、双方に追われる美しい女・グレースが現われる。 彼女の健気な人柄に打たれた村民たちは、同情心から彼女を匿うことにする。しかし、 たびたび訪れる追跡者の訪問に不安を抱きはじめた村民たちは、グレースを匿う代償に、 彼女を労働力としてこき使いはじめた……。

公式サイト

2005/05/01/11:59 | トラックバック (1) | ドッグヴィル ,中川泰典 ,今月の注目作

ドッグヴィル

(2003 / デンマーク / ラース・フォン・トリアー) 東洋思想への眼差しと萌芽 仙道 勇人  『奇跡の海』('96)では全編手持ちカメラによる撮影、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』 ('00)では更に、その手法に固定カメラで撮影したミュージカルシーンを対置させるといった具合に、 作品ごとに試みられるアプローチゆえに、ラース・フォン・トリアーの作品には「奇抜」という形容がついて回る。 黒い床に白線が引かれただけの舞台装置が用いられた今回の『ドッグヴィル』('03)も、「奇抜」 という点では類例のない作品と言っていいだろう。先述の舞台装置、『幕』を思わせる章立てによる構成に見られる演劇的アプローチに加え、 随所に挿入されたナレーションには文学的アプローチが試みられているなど、本作では極めて非映画的なスタイルが採用されているからである。 トリ 続きを読む

2005/05/01/11:56 | トラックバック (1) | ドッグヴィル ,仙道勇人 ,今月の注目作

ドッグヴィル

(2003 / デンマーク / ラース・フォン・トリアー) 小公女グレース 百恵 紳之助  「ダンサー・イン・ザ・ダーク」や「奇跡の海」「イディオッツ」など、 ある意味よくあるパターンの不幸話を徹底的やっちゃうことで、「ああ、やっちゃった・・・。でもなんだか爽快。てか快感」 と思わせてくれるのが筆者にとってのこの監督である。もっと言うと、主人公の身に降りそそぐ不幸よりも、その周辺にいる嫌な登場人物を見て、 「ああ、こいつヤダヤダ。・・・でも、もっと見せて・・・」と悦に入り、 精神的マゾヒズムを充分に満たすことをこの監督の作品を観るときの密かな楽しみにもしていたりする。  ストーリーは今回もパターン。大人版「小公女セーラ」みたいなものである。ニコール・キッドマン扮するグレースはギャングと警察に追われ、 ドッグヴィルという小さな村、というか集落 続きを読む

2005/05/01/11:54 | トラックバック (0) | ドッグヴィル ,今月の注目作 ,百恵紳之助

ドッグヴィル

(2003 / デンマーク / ラース・フォン・トリアー) 「主いい給う。復讐するは我にあり。我これを報いん」 膳場 岳人  昨年秋に開催されたカール・ドライヤー映画祭でもっとも印象的だったのは、 一つ屋根の下で生じる人間関係への尋常ならざる固執である。中でも、老婆を妻として娶りながらも、若い恋人を妹と偽って同居生活を送る牧師 (『牧師の未亡人』、20)、同居する義理の息子との不倫に溺れる人妻(『怒りの日』、47)といった人物たちは、 暗に近親相姦を擬した恋愛関係を生きており、一見厳格なモラリストに見えるドライヤーが禁忌に戯れる、 恍惚とした溜息すら聞こえてくるようだった。彼としては後期作品群にあたる『二人の人間(44)』『奇跡(54)』『ゲアトルーズ(64)』 には室内劇の様式が露骨であることは周知の通りである。  スウェーデンの巨匠、イ 続きを読む

2005/05/01/11:52 | トラックバック (1) | ドッグヴィル ,膳場岳人 ,今月の注目作

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