#　34　／2001.7.24

第29回

サマーストラグル 2001 (2)

暑いっ！フィルムが溶けそうだ。

オレは五反田の現像所の試写室でオプチカルチェックをしている。もう何回目だ？こんな簡単なやつで…。

「あのぉ、この前お願いしたコマ数でフェードアウトしてます？」

「いえ。」

「えっ！…なんで…」

「いゃあこっちの方がいーかなーって」

ブチッと音を立てて血管が切れる。いーかどーかはオレが決めるんだよぉっ！このタコオヤジッ! はぁぁ…。
そーだった、ここも映画村だった…。オレは気持ちをやさしーくしてもう一度頼む。
「4コマでトライしていただけませんでしょーか？オネゲエデゴザイヤスゥ…」

まじすか？あたし監督すか？えーがってこーなんすか？

何で揉めてるかっつーと、冒頭の TAGUCHI TOMOROWO IN のクレジットの出し方だ。

一年懸けて15キロでかくなってくれたんだよ！ど新人のオレのこと信じてくれたんだよ！倒れてゲロ吐いてそれでもバンプして本番だって脳震盪して病院送りさ。それでも翔んだんだよ！こだわっちゃいけねーか？グラフィカルにしちゃいけねーか？フェードアウト4コマじゃいけねーか？

イカン…暑さのせーだ。ギャンゴ作ろう！飾ろう！宇宙の暴れん坊ギャンゴよ！頭部には金紙仕込むからよぉ！オレをなぐさめてくれぇ！

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