#　65　／2001.10.7

第60回

「10月は黄昏の色」（3）編

制作中止の後処理に費やす虚しい一日。

やっぱつらいよなぁ。
監督は大変だよなぁ。
こんなの映画界にはよくある話となぐさめられるが、こんなのしょっちゅうあったら大変だよなぁ。
下げる頭いくつあっても足りないよなぁ。

FMW元川選手に励まされる。
すかさず今度デートの約束を取り付ける。
果たして女子レスラーはどれくらい食べるのか？オレは興味深々である。焼肉20人分とかいってくれると期待通りで嬉しいのだがっ！
オレは女は選ばない。いや…選ぶか。
元川頑張れ！頑張れ元川！我らがピンクファルコン!

　*　*　*　*　*　*

部屋に戻ると棚の上のギャンゴが倒れていた。

俯せになったギャンゴを拾い上げ小さくため息をついてみたりする。
オレはいつのまにかカントクに電話しようとしてて「もう、死んじゃってんじゃん…」と自嘲気味につっこみ入れてみたりしてる。

…疲れた。なんつーか、激動の一ヵ月だった。すごい勉強させてもらった。

「ムラモトクン 映画ヤルッテコトハ コーイウノモ 全部受キッテ 映画ダカラ 覚悟ハ ホントニ アルワケ? 」
ショートピースの紫煙の向こうにカントクの幻が呟く。

…カントクゥ、きついっすねー…かなり受け身取りずらい、っていうか取れないし…。

…意味無くシーツを洗濯する。乾くのか？ホント。

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今度の事がきっかけと云うわけではなかろうが、ロンギッシュ貝本が東京移住計画を企てて不動産屋周りをしている。
今日もぐるぐる中央線沿線を巡業したあとオレのところにやってきた。

たらふくイタリアンを食い、流れて下北の外れにあるプロレスカフェ「スリーカウント」にやってきた。ここのマスターはかなりのプロレス・キチガイで店内はかなりディープだ。

「イノキ見ます？」
オレらはイノキvsローラン・ボックなんか見ながらウダウダしてた。ウダウダするしかないのだ。

今の心の支えは10.8東京ドーム 健介・藤田戦だけだ。
勝ち負けじゃなくて生きざまを見せ付けてくれるのか？

もしはずされたら…恐い…