#　238　／2003.8.8

第233回

「夏のキヲク03」編（1）

8月2日着

リキッドピクチャーズというPVのプロダクションが代官山にある。以前お世話になった塚田さんは本来監督なんだがたまにプロデューサーもやる。

「受けてくださいっ！」

「は？元々やるはずだったとこは？」

「死にました！」

「は？何で…？」

「聞いても無駄です。3時間かかりますよ。けつありましたよね、塚田さん！」

「いや…つーか…何のPV？」

聞いたな！聞きましたね、塚田さん！聞いたら逃がさないかんね、塚田さん！

オレはキッパリと「GRAPEVINEです」と言う。

「ああ…あの…」

オレは塚田さんの言葉を遮り言う
「塚田さんっ！アンタは男だっ！！」

「おっ…ええっ？」

…とまあ短い濃いやり取りがあり無事GRAPEVINEの新曲『会いにいく』PVはリキッドピクチャーズ制作となったんであったのだ。
旧知のスーパーAD/PM 鴻池はCDをカウントし秒割を出している。早い！テンポが早いぞ、鴻池！
「今夜にはロケハンやりますから」ニヤッとオレを見る鴻池の目玉はギラギラしている。
何故か！36時間起きっぱだからだ。音楽と映像で飯食えりゃこんな幸せないっすよ！と明るく笑い破壊した車のローンだけ払い続ける男は言う事が違う。

「まかせた！お前の決めた場所で撮る！キッパリ撮る！」
オレはキャスト口説くためドア蹴って飛び出した。

今回オレは気分的にメロドラマ撮りたいのだ。それには役者が必要だ。すかさず日活撮影所にいるアイツの顔が浮かんだ…逃がさないかんね…オレは東急東横線に飛び乗った！