#　1　／2000.11.15

第1回　前編

映画づくりの格闘技的コラム、はじまりました！何やらいきなり雲行き怪しい展開ですが、この先、どーなるのか？

秋だ。しっかり秋だ。朝方、仕事場のソファで目が覚めて3回続けてクシャミした。
本来なら11月の下旬からクランク・インするはずのオレの長編としては劇場初公開となる映画は延期になってしまった。
つらい‥‥。

秋風が今年は妙にクル。その理由は余りにバカバカしいので書く気もしない。と思ったが書く。書いてオレの不毛な半年をあなた達に伝えたい！まずは、そのガンの宣告にも極似した瞬間を誌上で再現したい。

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10月某日、JR四谷駅ビル内喫茶店。
オレは担当プロデューサ（以下担Ｐ）に呼び出された。しかし、あえて書くがこいつは待ち合わせの日を翌日と間違えていた。律儀に、「10分遅れます、申し訳ありません」と電話を入れたオレに、「えっ、今日でしたっけ？」とノー天気に答えた輩だ。オレは明日ロケハンだっつーの！昨日の夜話したばっかじゃねーかよ。「いえ、今日っスよ。」努めて明るく答えるオレ。もちろん、来るべき悲劇《コメディ》があろうとは、この段階では知る由もない。遅れること30分。四谷駅前のベンチで日刊スポーツ/プロレス欄をチェックするオレの前に坦Ｐは、「すいませーん」と現れた。で、おれたちの前には不味そーなコーヒー。

いよいよ始まる、心して読むよーに！