# 2 /2000.11.20
担当プロデューサー(以下坦P)
「あの、クランク・インなんすけど‥‥。」
ムラモト(以下M)「ハイハイ‥‥(笑顔)」
坦P「延期です。」
M「ハッ!?」
坦P「あの‥‥来月にはインできなくなりまして‥‥。」
M「‥‥(衝撃音!!)」
1年かけてきたオレの映画が‥‥、こんな簡単に言われちゃう訳?でも気を取り直してオレは食い下がる。
M「‥‥そーですか‥‥。で、再開はいつ頃に?」
坦P「ワカリマセン。(きっぱり)」
もう、クラクラして目の前のカップからぬるいコーヒーをかぶってしまった。もちろん、周囲のお客たちはあ然としている。坦Pもそんな事するカントク会ったこともないよーで、慌てている。紙ナプキンをオレに渡す手が震えている。笑顔で彼の手を遮り、オレはおもむろにジーパンからハリランで買ったお気に入りのバンダナで静かにコーヒーを拭う。
M「‥‥すいません、取り乱しちゃって‥‥びっくりした?(笑顔)」
坦P「‥‥えぇ、少し。」
しかし、彼の顔は引きつっていた。その顔に自分はこんな奴と映画を作るはずだったのかと書いてある。ケッ!そーだよ、オレはこんな奴なんだよ、ザマーミロ。いやいや、オレも冷静にならねば‥‥。映画を志すなら、こんな事は当たり前、よくある話じゃねーか‥‥だが、その『よくある』っーとこが何か釈然としねーんだ。オラ、オラ、荒れちゃうよ。
「すいませんーん、ナポリタンくださァィ。グリーンピース多目で」
あっ、また引いてる。その巨乳を持て余しているウエイトレスまで引いてる。てめえ、オレは今、荒れてんだ、乳首吸うぞ、こらっ!!パイズリもさせんぞ!!オレは巨乳好きなんだよォ!!
M「で、どーして延びるんですか?」
オレは坦Pに詰め寄る。あくまでジェントルに‥‥。しかし(が多くてスマン)坦Pは、一連のオレの行動にすっかりビビッてしまい、しどろもどろだ。だから東大出はキライなんだよォ!どうせオレは日大だよ!えぇ?!
坦P「いや‥‥あの‥‥いろいろありまして‥‥。」
そりゃ、あんだろーよ。イロイロよォ!でもそーじゃねーんだ、オレの聞きたいのはっ。具体的なことの成り行きを知りてぇーんだ。
坦P「‥‥ですから、いろいろありまして‥‥今の状態ではクランク・インは無理だと、会社の判断がありまして‥‥。」
すっかり、オレにオジケづいた坦Pが周囲を気にしながら小声で続けた。そりゃそーだ、そん時オレは怒りの余り、クラフトの粉チーズ一本分全部、ナポリタン、グリーンピース多目の上にぶちまけていたのだから‥‥。