東北新社SPS部入社。横浜博、名古屋デザイン博などイベント展示映像の制作に関わる。90年よりCM本部に移籍。以降、CMディレクターとして企画・演出。96年より東北新社退社後、フリーランスに。
現在、今秋公開予定映画『MASK DE 41』(マスク・ド・フォーワン)ポスプロ中。
# 10 /2001.2.3
あまりに寒い日が続きオレの肩はコリコリだ。35を過ぎてからすっかりオレの身体は定期的なマッサージ無しではいられない。
前回にも書いたが下北沢のはずれの名店「プラプラータ」は行きつけのマッサージ屋のはす向かいにある。今夜は京子ママが不在なので六角マスターが必死に働いている。当然、料理関係は何もできない。腹の減った客は近所に買いに行く。今も劇団・扉座の若い衆が王将にギョーザを買いに走らされた。ついでにオレも焼そば(紅ショーガ多目)を頼んだ。
なんかすっかり冬なかんじだから最近のオレはすっかり元気がない。あぁ、かき鍋でも食いてぇなァ…。温泉旅館にずっぽり籠もって脚本書きてぇよなー。ライターAは、13稿めの直しにうなされまくっているらしく、さっきもオレの前で半泣きになって訴えてきた。
「何か毎晩ユメに主人公が出てきてオレに次はどーすんだよって言うんすよ。それですっかり寝不足で…。」
けっ!情けねぇ。が、オレたちがすっかり追いこまれているのも事実だ。これというのも“冬”のせいだ。“冬”は嫌だ。ダコールの下着が離せねぇ…。
1月16日、シモキタ駅構内…。酔客が終電を急ぐ階段で、数年ぶりにカメラマンJ氏に会う。久し振りに会うJ氏のアタマはすっかり髪がサヨナラしている。会うなりすごいテンションだ。
「いやぁ、タウンホールのDDTっすよォ、今日はァ!いーっすよォ、インディ。ムラモトさん、見てます?新日ばっか見てたらだめっすよォ!」
この人はもとは映画屋さんなのだが、今ではすっかりプロレスに取りつかれ年間800試合(100興業!)をビデオに収めるという、プロレスファンにとっては夢のような仕事をしている。
そーだ!こいつがいた!こいつの力を借りなければ5年前オゴッタふぐが無駄になる。
「ちょっと時間あります?」
「いや…でも終電が…。」
「大丈夫。小田急は24時間動いてますから。」
帰ろうとするJ氏をオレは強引に駅ウラのバラックの屋台に連れ込み、ガンガンコップ酒を飲ませた。40分後、オレの映画の強力スタッフがひとり増えた。
フッフッフッ…Jさん、こーいう時期にオレに会った方が悪いのよ。
続く。