東北新社SPS部入社。横浜博、名古屋デザイン博などイベント展示映像の制作に関わる。90年よりCM本部に移籍。以降、CMディレクターとして企画・演出。96年より東北新社退社後、フリーランスに。
現在、今秋公開予定映画『MASK DE 41』(マスク・ド・フォーワン)ポスプロ中。
# 14 /2001.3.22
オレはかってガチガチの猪木信者であった。国際はぐれ軍団との1vs3で、猪木がロープに宙づりになってリングアウト負けした時、TVの前で泣いた。
猪木が負ける訳ないと信じていた。猪木が世界で一番強いと思っていた。
なのに、“スカイハイ”のメロディを聞くと、勝手に身体が反応してしまう。
“仮面貴族”…。すごいニックネームだ。
マスカラスのフライングクロスチョップはたとえどんな低空飛行になろうともオレにとって必殺技なのだ。マスカラスは、もう60になろうとしている。しかし、マスクマンは年を取らない。それはライガーだろうとハヤブサだろうとそうでなくてはならない。
子供の頃、アニメの「タイガーマスク」を見てプロレス入りしたオレは、マスクマンというだけで、その隠された過去を抱きしめてしまうのだ。
田口トモロヲ氏は、川越のFMW道場にひたすら通いつめている。若手レスラーに混じり、何時間も受身を取り続け、おととい倒れた。明日、大学病院でCTスキャンを取る。
もう43才だというのに…この人ちょっと狂ってる。だから頼んだんだけど。シルバーのマイリングシューズをはいて田口トモロヲは、トップロープからリングに舞い降りている。何度も何度も…。
小野寺チーフの撮ったビデオを見てオレは涙をこぼしそうになる。そして心の中でつぶやく、
「ゴメンネ、田口さん…」
あんたのプロレスへのラブ、しっかり受け切るから!オレは深夜、渋茶をススリながら、決意を新たにするのであった。