東北新社SPS部入社。横浜博、名古屋デザイン博などイベント展示映像の制作に関わる。90年よりCM本部に移籍。以降、CMディレクターとして企画・演出。96年より東北新社退社後、フリーランスに。
現在、今秋公開予定映画『MASK DE 41』(マスク・ド・フォーワン)ポスプロ中。
# 13 /2001.3.14
「生卵、毎日ワンパック飲めって言われちゃったんスヨ、田口さん。いやァ…望月さんキツイっすよねェー。」
事務所に入ってくるなり、チーフ助監督の小野寺が報告してきた。
入れたばかりのジャスミン茶をオレはこぼしそうになる。
「で、何て言ってたの、田口さん?」
「飲むって言ってますよ、ロッキーみたく。」
そうか…よかった、その場に居合わせなくって
気の弱いオレなら、その時、田口トモロヲと目を合わすことなどできなかったはずだ。
望月氏とはゴールドジムのパーソナルトレーナーで、“田口トモロヲ肉体改造計画”に重要な役割を持っているカルトな肉体派だ。一見するとフツーの人なのだが、Tシャツを脱ぐとすっごい身体をしている。
しかし、飲めねーぞ、生卵ワンパックって…。
クランクインまで、あと1ヶ月と少し。準備は本格的にスタートしている。今日もオレの事務所では、プロレスマニアのスタッフたちがケンケンガクガク打ち合わせだ。
「いやぁ、G1の蝶野vs武藤戦の決勝で蝶野がパワーボムでキメたじゃないすか?あん時のコーフンっつーか…、あのザブトンが飛び交うカンジっつーか…。」
「ホラ…マスカラスのオーバーマスクってプロレスファンにとってある種の神格化された儀式でしょ…」
「木戸とか藤原の持つ凄味?あーいうとこをこの映画に取り入れたらどうか…と。」
いゃあ…どこが美術打ち合わせなんだ!?ただのプロレスファンの集いじゃねーか。
で、でも楽しい。楽しすぎる。これだけ“仕事”でプロレスを語れるなんて。
至福、だ…。
まずスタッフがこの映画を愛さずして、客に愛してもらえるわけがない!
これでいーんだ!!オレも激しく議論に入る。
「やっぱ、店にはこの前言ってた、ユメのカード?!前田vsブロディ戦の幻のポスターとか張りてぇーよなァ…」
もう何だか、飲み会みたくなってきて、気がつくと朝の5時だ。まる17時間もプロレスを語っていたことになる。
飽きない…。全く、飽きない。
でも、この映画ホントは、“ホームドラマ”じゃなかったか?!
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編注:「3.13FMW後楽園ホール---何かが起きる!」についてのご説明。
3月13日後楽園ホールにて、ついに映画の製作が発表!
その映画のタイトルは『MASK DE 41』(マスク・ド・フォーワン)である。
主演の田口トモロヲ氏によって5月クランクイン、今秋公開予定を発表。プロレス団体FMWの全面協力を得ることも発表されたのだ。