#　244　／2003.8.18

第239回

「八月のパリ」編（4）

8月23日着

パリで渡された携帯はひどく小さく使い方がよく分からない。

朝7時妙な着信音で携帯が鳴る。慌てて出るとリキッドピクチャーズ塚田P&Dだ。P&Dとはオレが勝手に言ってるだけで本来は監督でオレが頼み込んだときはプロデューサーという実にインディかつプロフェッショナルな名称なのだ。
塚田氏がキッパリ言う。
「鴻池にまかせますからっ！はっきりムラモトさんが繋ぐより音楽編集は奴の方が上手いっすから！」
…実はそうだ(._.)。
リズムの裏取るのも盗むのも28歳鴻池AD&PM…長くなるから説明しないが…の方がセンスがいい。大体オレはパリに居るわけで編集できるわけない。
「任せます…！鴻池様に全てお任せ致します…」
…みたいなやり取りが実際うっすらあり番組エンディング用GRAPEVINEのPVは奴がきっちり仕上げてくれた。有難い話だ…自分でやるよりAD&PM鴻池がやった方が出来がよいなんて…まあ、パリと言っても携帯かかるはFAX来るわであんまし問題ない。

…と言っていたら土山PMが切れた声で電話してきた。普段優しい分怒るとかなり怖い。
「ムラモトさんっ！何勝手に行ってんですか！この時期に！ジャックスのコンテ書いたんですかっ！」…ぷちっ…ツー…ツー。オレは慌てて携帯の電源をオフった。ヤバい…忘れてた…。