#　245　／2003.8.18

第240回

「八月のパリ」編（5）

8月24日着

セーヌ川のホトリを地球の歩き方を頼りに小道具集めでアンティークショップ巡りを柚井としていたら携帯がなった。気温は40度近い中、荷物てんこ盛りだもんだからして倒れそうだ。

「大塚さんを押さえましたっ！スタッフは一流なんですから後はコンテですからねっ！」うっ…普段は優しい土山PMが‥オレを挑発してるのか？電話は9月に撮影するジャックスの新シリーズの事だ。大塚氏は前シリーズの最終回をストッパーしてくれた奴でGRAPEVINEでも世話になったり、他のオレの主要な仕事でいつもいい絵を撮る日本人だが女関係はイタリアンの軟派氏カメラマンだ。
腕以外は決して油断してはならなく…この前も撮影前日にわざわざ電話し、「麻生祐未さんには手を出すな！出すなら先にオレが出す！」ときつく言い聞かせた程で、一緒にした仕事の女子は全て持って行かれている。

プチッ…ツー…ツー…。またオレは携帯をオフった。
柚井が「ムラモトさーん、クレープ食べようよぉ！」と誘う。歩くのに疲れた二人はナントカ島の人気クレープ屋に入り当たり前だがクレープ食った。
「なんか歳のいった新婚カップルみたいっすね…」柚井がクレープパクツキながらオレに言う。本当だよな…しかし冷房ないのか！この店。サーモンクリームチーズクレープとキッシュとエスプレッソが旨いから許すが…しかし締切どうしよ‥？