# 5 /2000.12.8
担Pの目に異常なまでのギラついたものが見え隠れする。「狂ったのか……、こいつも。」そーだ、狂わねーで映画なんてやってられるか。よーし、お前も覚悟したのか。よーし、よし、よし、オレは妙に嬉しくなって担Pを組長直伝のヘッドロックでぐいぐい締めあげた。
「似合うよ、似合うよ、サイコーだぜ!」担Pは5秒と持たずにアッサリタップし、赤くなったホホをこすりながら「オレ、生まれ変わりましたから!」と照れたよーに言い残し会議室から去った。
S氏はイスに座りゆっくりと煙草をフカしながら、「まっ、そーいうことだから、何も心配しないで……」と微笑んだ。
「つまり再開、ということですね。」とオレ。
「クドイ!やると言ったら、やる。」とS氏。
た、頼もしすぎるぜ!!オレは興奮してお茶を運んできた女子社員の胸をワシ掴みにした。
「ちょっと、この子借りてっていーすか?」とオレ。もう彼女の目は半分トロンとしている。
「わかった。その代わり2時間だけだぞ。」
「もちろんですっ!」オレと女子社員はそのままの勢いでオフィスを飛び出した。
3時間後、S氏とオレは再び向き合い、再開のスケジュールについてメンミツに話し合う。
クランク・インは、2001年4月上旬。テーマは、桜とラ・ケラブーダだ。
ふっ……。何を撮るかホントは言いたい。言いたくてたまらない。だが今日はここまでだ。平田さん!オレ、やりますよ。だから、あんたも、リーグ戦、かき回してくれ!あの説得力に圧倒的に欠ける魔人風車固めでバンバン、フォール取ってくれぇ!
つづく。