#　18　／2001.4.24

第13回

レジー姉さんにまつわる、雨の日の朝の出来事。

4月19日、AM5°、オレは2つセットした目覚ましが鳴る前に目が覚めた。おもむろにカーテンを開ける。

雨だ！ザァーザァー降ってんじゃねーか！

今日はクランクイン当日。

オレはＣ1000タケダの粉をがっと２袋飲むと、気を落ち着けるために、アールグレイをゆっくりと飲む。傘を持っていくべきかいかざるべきか、少し迷ってキャップにした。いきなり、カントクともあろーモンが、傘さして現場に行く訳にはいかんのである。

オレは、ワークブーツのヒモをぎゅっとしばり、事ム所から歩いて15秒の松屋に飛び込み、牛丼をかっこんだ。駅前にいたタクシーに飛びのり、オレは東京ドームに向かう。コンビニで買った日刊スポーツをめくると、三沢組が小川組に勝った記事が目に入る。うん、うん、幸先がいーじゃねーか。雨は降ってるけど‥‥。

オレはスタッフの待つ東京ドーム駐車場にがっとタクシーを横付けした。
煙草を吸う間もなく、チーフ AD小野寺が真っ青な顔で走ってきた。

「すいませんっ！今日は、撮れません！！」

「何？何かあったの？」

「レ、レジー・ベネットが、寝坊しました‥。」

「えっ？！」

だって、あの人、中央林間に住んでるって言ってなかった？ここ水道橋だし。来るの時間かかるし、借りてるの、10時までだし‥。

「お待たせしました、カントク。」

「あっ‥‥‥。」

すっかり、蛯脇役に成りきった、「大人計画」座長、松尾スズキが、城戸賞もらったときの悪そーなサングラスで現れた。手には既にサーベルを持っている。

「さァー、気合い、入りまくってますよ。オレ、今日は、攻めますから。」

松尾さん、目が血走ってる。

恐い。言い出せねぇよ、相手役がまだ田園都市線の中だなんて‥。

そのとき、しとしと降っていた雨が一段とすごくなった。

オレは思わず、「この雨じゃ回すの無理だな。止めよ。撮影‥」とつぶやく。

一度、言ってみたかった。みんなスタンバイしているのに、撮影しないって

ビニール傘をさしてる、田口トモロヲがオレをじっと見て、涙ぐんでいる。

つらい‥‥・。つらすぎる。

これが、オレの映画初カントク作品の初日、AM6°30'の風景だった。

‥‥つづく


■　注：
あとで分かったのであるが、寝坊したのは、レジーじゃなかった。迎えに行ったサンセントシネマワークスキャスティング・近藤Ｐが早く着きすぎて、車の中でぐっすり眠ってしまったせいだ。レジー姉さんは、何度もケータイ鳴らしたらしいのだが、何と近藤Ｐは、ケータイをサイレントモードにしていて、気付かず、さらに眠りに落ちたらしい。レジー姉さん、スマン。

■　ＰＳ（1）
映画『MASK DE 41』（マスク・ド・フォーワン）では、応援団を募集している。

詳しくは、
シネマネー事務局：http://www.cinemoney.com/
メールアドレス：webmaster@cinemoney.com　まで。

君も田口トモロヲを応援しよう！！このエッセイを見たというと、オレからのスペシャル特典もつけるっ！！

■　ＰＳ（2）
さらに、
5月13日（日）、5月14日（月）。いっしょにプロレスＳ#をつくってもらうエキストラ大募集！！(東京都内・渋谷予定)

お問い合わせは、
サンセントシネマワークスまで。

REN-SAN、オレは、待っている！！

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