足立 フミ

　可愛い、もしくは可愛いかもしれない物なら何でも流行にしちゃう女達が尿道結石に狂い、 女の下半身にまつわる物になら金を惜しまない男達が尿道結石に大金をはたく、かつてない程に尿道結石がクロズーズアップされたアンモニア映画です。
　失恋する度に心のしこりを結石として、体から排出する女。
　７回目の失恋により出来た７個目の石を見て、主人公ルルは思います。「石がいつもより大きく、透き通ってて綺麗だったからセブンスアニバーサリーという名前をつけた。せっかくだから指輪にしよう」
　そんな不思議少女の気まぐれがきっかけとなり、世間には結石ブームが広がって行きます。
　これは、あくまでおしっこと共に尿道を通過して来た石、どんなにシャレめかしたって尿道結石は尿道結石。女子供ではなく、おっさんに多く見られる病気と言います。そんな石に世間は狂喜乱舞し、結石一粒に信じられない値段が付けられていくなんて正気の沙汰じゃありません。
　そんな気持ちの一方で、「もしも私にも石が出来たら、ちょっとロマンチックかも」なんて出来心が沸いて来ました。
　失恋の痛みによって出来る石、それを排出するには出産ばりの痛みが伴う。痛みの二重奏と共に産まれる恋の思い出。
　なんてロマンチック！
　正直、ルルが作った指輪も可愛かったです。あれば買うと思います。
　かつてパンツやおしっこを売って生計を立てていた少女達と比べて、 自分が産み落した結石で金を得る少女達にいくらかの良心を感じてしまうのは気のせいでしょうか？尿毒症でしょうか？ 「パンツ売るなら尿道結石売ろうよ！」　と声を大にして言いたいと思いました。