日本・ポーランド国交回復50周年記念

ポーランド短篇映画選
ウッチ映画大学の軌跡

天使たちが堕ちるとき
料金
一般500円 高校・大学生・シニア300円
小・中学生100円
障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。
発券・開場は開映の30分前から行い、
定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。発券は各回1名につき1枚のみ。

会場:東京国立近代美術館フィルムセンター
小ホール(地下1階)

定員:151名(各回入替制)

http://www.momat.go.jp/

世界映画史に燦然たる地位を占める戦後のポーランド映画は、「ポーランド派」の名称とともに高く評価され、以降も途切れることなく優れた作品を送り出してきました。そして、ポーランド映画がアンジェイ・ワイダ、ロマン・ポランスキ、イェジー・スコリモフスキ、クシシュトフ・ザヌーシ、クシシュトフ・キェシロフスキといった傑出した監督や名スタッフを輩出した背景の一つに、1948年、ウッチ市に創立されたウッチ映画大学(正式名称:レオン・シレル記念ポーランド国立ウッチ映画テレビ演劇大学)の存在があります。上に名前を挙げた巨匠たちも、若き日に同大学で才気あふれる短篇作品を残し、その後ポーランドの、そして世界の映画界へと羽ばたいてゆきました。
本年は日本とポーランドの国交回復50周年という記念すべき年にあたる同時に、1957年の『地下水道』(アンジェイ・ワイダ監督)公開から50年目=「ポーランド派」の50周年という節目にもあたっています。これらを記念して、フィルムセンターではポーランド映画選実行委員会との共同開催により、ウッチ映画大学の学生たちが60年近い歴史の中で生み出してきた短篇映画の名作40本(プログラム1~6)を集め紹介することとなりました。また参考上映として、同校を卒業した巨匠監督たちのその後の長篇作品4本(プログラム7~10)をあわせて上映いたします。


2007年9月18日(火)~9月30日(日)まで連日上映
※ただし毎週月曜日は休館

上映タイトル一覧
9月18日(火)11:30~ / 9月26日(水)18:00~ / 9月30日(日)15:00~

1『国際映画祭受賞・ノミネート短篇選集』 ( 計100分 )

ヤクプ Jakub (16分・35mm・白黒)
'93(監)(脚)アンジェイ・マレシュカ(1955-)  (撮)ヤツェク・プロシンスキ (美)ミハウ・クリモフスキ (音)クシェシミル・デンプスキ (出)ヴィキ・ショルティカ,ダヌタ・ステンカ,イェジー・ジグムント・ノヴァク
カンヌ国際映画祭シネフォンダ部門(学生映画部門)最優秀映画賞など数々の映画祭で賞を受賞。父親のいない7歳の少年ヤクプ。その静かな眼差しは、彼の中に起こる微妙な気持ちの変化を美しく物語る。

男として Męska sprawa (26分・35mm・白黒)
2001(監)(脚)スワヴォミル・ファビツキ(1970-)  (撮)ボグミウ・ゴトフレヨフ (美)セバスティアン・モルスキ (出)バルトシュ・イトチャク,マリウシュ・ヤクス,マレク・ビェレツキ
2002年アカデミー賞短篇劇映画部門ノミネート作品。父親から虐待をうけている13歳の少年バルテクの3日間。彼の唯一の親友は年老いた犬だけ。子供の視点から見た世界が繊細に描かれている。

ナイス・トゥ・シー・ユー Fajnie, że jesteś (15分・35mm・カラー)
2004(監)ヤン・コマサ(1981-)  (撮)ピョトル・ニェムィスキ (美) ヤクプ・コッサコフスキ (出)ユリア・キヨフスカ,スタニスワフ・ペンクスィク,マルタ・ホドロフスカ
カンヌ国際映画祭シネフォンダ部門(学生映画部門)入賞作品。ワルシャワ大学に通うマグダのもとに、ある日父親が現れる。彼女は父親に対してあるトラウマを持っているのだが・・・。

レベッカに捧げる歌 A Song for Rebecca / Pieśń dla Rebeki (43分・35mm・カラー)
2004(監)(脚)ノラ・マクゲティガン(1976-)  (撮)マリウス・マツォウ・グルブランドセン (美)モニカ・ウィコ (音)ダリウシュ・ピェカラ (出)ゲンマ・ドゥーリー,ロニー・コーネリ,カタジナ・フマラ
ウッチ映画大学によるカンヌ国際映画祭シネフォンダ部門2度目の出品作。アイルランド出身の女性監督の卒業制作で、母国で撮影された英語作品である。ローラは自殺した親友レベッカの葬儀のため、故郷の島に帰ってくる。

9月18日(火)14:30~ / 9月23日(日)15:00~ / 9月26日(水)14:00~

2『ポーランド短篇新作選集』( 計90分 )

検札係 Kontroler (30分・35mm・カラー)
2002(監)(脚)ピーター・ヴォグト(1964-)   (撮)イェレミ・プロコポヴィチ (美)ズビグニェフ・オレイニチャク (音)マジェナ・マイヘル (出)アルトゥル・バルチシ,ミハウ・ガドムスキ,マリウシュ・ピラフスキ
路面電車の検札係レフは、ある日彼のアパートに忍び込んだ若者をつかまえる。そして彼を監禁して罰を与えることを思いつくのだが・・・。ドイツ出身監督の習作。

あなたはそこにいる Jesteś tam (13分・35mm・カラー)
2004(監)(脚)アンナ・カゼヤク(1979-) (撮)クラウディウシュ・ドゥヴリト (美)パウリナ・ポウォム=カブルスカ (音)ヤン・フライヘル (出)マルレナ・カジミェルチャク,マグダ・ランゴシ,クシシュトフ・ストロインスキ
16歳のマルレナは、日々の生活から抜け出すため長年会っていなかった実の父に会いに行こうと決意する。カゼヤク監督の夫は、『マイ・プレイス』を演出したレシェク・ダヴィト。

マイ・プレイス Moje miejsce (29分・35mm・カラー)
2004(監)(脚)レシェク・ダヴィト(1971-) (撮)ヤクプ・キヨフスキ (美)イザベラ・ストロニアス=バリンスカ (音)ヤン・スモチンスキ,トマシュ・クラフチク (出)ロマン・シレファルスキ,マチェイ・マルチェフスキ,マルタ・ニェラトキェヴィチ
ロメックは、小さなガレージの中でドラムを叩くこと以外には生きがいが見出せない。それでも新しい生活を求めて、現実社会に向かっていくが・・・。

逃亡の街 Miasto ucieczki (18分・35mm・カラー)
2006(監)(脚)ヴォイチェフ・カスペルスキ(1981-)  (撮)ミハウ・ティヴォニュク (美)カミラ・プシチュク=グラゼル (出)エリク・ルボス,ヴォイチェフ・ジョウォントコヴィチ,ダリウシュ・コヴァルスキ
2004年に実際に起こった事件を題材としている。フーリガン鎮圧のために警察が発砲し、ひとりの青年の命が奪われた。

9月19日(水)14:00~ / 9月23日(日)12:00~ / 9月28日(金)18:00~

3『前衛作品・視覚芸術作品選集』( 計96分 )

悪童 Zły chłopiec (6分・35mm・白黒)
'51(監)アンジェイ・ワイダ(1926-) (原)アントン・チェホフ (脚)アンジェイ・ワイダ (撮)ズジスワフ・パリラク (出)ヤン・ウォムニツキ
ポーランド映画最大の巨匠、アンジェイ・ワイダの学生時代2本目の習作(第1作は1950年の『君が眠っているとき』)。チェホフの原作を自ら脚色(邦題は、松下裕訳による)。音楽のみで台詞はない。

タンスと二人の男 Dwaj ludzie z szafą (14分・35mm・白黒)
'57(監)(脚)(出)ロマン・ポランスキ(1933-)  (撮)マチェイ・キヨフスキ (音)クシシュトフ・コメダ (出)ヤクプ・ゴルドベルグ,ヘンリク・クルバ,スタニスワフ・ミハルスキ
ブリュッセル国際実験映画コンペティション入賞作品。海からタンスを担いだ二人の男が上陸して、街を闊歩する。ポランスキ本人も出演している。

天使たちが堕ちるとき Gdy spadają anioły (20分・35mm・パートカラー)
'58(監)(出)ロマン・ポランスキ (撮)ヘンリク・クハルスキ (美)カジミェシュ・ヴィシニャク (音)クシシュトフ・コメダ (出)バルバラ・クフャトコフスカ,ヘンリク・クルバ
ポランスキの卒業制作。本人も女装して出演している。公衆便所で働く老女の人生の回想をフラッシュバックとして挿入したファンタジー。音楽はポーランドジャズを代表するクシシュトフ・コメダ。

司教の死 Śmierć prowincjała (28分・35mm・白黒)
'65(監)(脚)クシシュトフ・ザヌーシ(1939-)  (撮)ヤン・ヘッセ (音)アダム・ヴァラチンスキ (出)ヴワディスワフ・ヤレマ,イェジー・ヨガワ
ポーランド映画の「第三世代」を代表するザヌーシの卒業制作。青年の内面的な葛藤を描く、崇高な雰囲気を持った作品で、台詞は一切ない。司教(管区長)は、死の床で青年に何を伝えようとしたのか…?

路面電車 Tramwaj (5分・35mm・白黒)
'66(監)クシシュトフ・キェシロフスキ(1941-96) (撮)ズジスワフ・カチマレク (出)マリア・ヤニェツ,イェジー・ブラシュカ
夜、青年は路面電車で乗り合わせた若い女に恋をする。何も起こらないまま、電車は青年の降りるべき駅に到着し…。キェシロフスキらしさが漂う秀作。

Twarz (6分・35mm・白黒)
'66(監)ピョトル・ストゥジンスキ (撮)ズジスワフ・カチマレク (出)クシシュトフ・キェシロフスキ
監督キェシロフスキが俳優として出演した異色作。キャンバスに画かれた自分の顔、鏡に映る自分の顔をひたすら破壊する画家の話。後に文化映画を多数監督するストゥジンスキは、ウッチ映画大学でキェシロフスキと同期生だった。

四角 Kwadrat (4分・35㎜・カラー)
'72(監)(撮)ズビグニェフ・リプチンスキ(1949-)  (音)カジミェシュ・セロツキ (出)マレク・クレウシュ
1980年の『タンゴ』でアカデミー賞短篇アニメ映画賞を受賞したリプチンスキ若き日の意欲作。アニメと実写を融合させている。

静寂 Cisza (13分・35mm・カラー)
'97(監)(脚)マウゴジャタ・シュモフスカ(1973-)  (撮)ミハウ・エングレルト
農民の生活を静かに追ったドキュメンタリー。詩情豊かな映像から、彼らの素朴な生活が感じられる。ラストショットは奇跡的な一瞬をとらえている。

9月19日(水)18:00~ / 9月28日(金)14:00~ / 9月30日(日)12:00~

4『ポーランド短篇名作選集1』( 計92分 )

イウジャ産陶器 Ceramika iłżecka (9分・35mm・白黒)
'51(監)(脚)アンジェイ・ワイダ (撮)イェジー・リプマン (語り)アントニ・ボフジェヴィチ
アンジェイ・ワイダ3本目の習作。陶器の制作を題材にした、正攻法の文化映画(記録映画)。撮影は『地下水道』など「ポーランド派」の傑作群で知られるリプマンが担当。

太陽のない時間 Godzina bez słońca (16分・35mm・白黒)
'54(監)(脚)パヴェウ・コモロフスキ(1930-)  (撮)イェジー・ヴイチク (出)アンジェイ・コザク,ロマン・ポランスキ
3人の少年のささいないたずらの結末を描く、ほのぼのとしたフィクション。撮影は『灰とダイヤモンド』のイェジー・ヴイチク。若き日のロマン・ポランスキが出演している。

ロンド Rondo (15分・35mm・白黒)
'58(監)(脚)ヤヌシュ・マイェフスキ(1931-)  (撮)ヴィトルト・レシュチンスキ (音)カジミェシュ・セロツキ (出)スワヴォミル・ムロジェク,ステファン・シュラフティチ
シュールでグロテスクな感覚の作品。幾何学模様にテーブルが配置されたレストランで繰り広げられる、逃げるウェイターとそれを追いかける男の話。主演は、劇作家・小説家として知られるムロジェク。

ランプ Lampa (8分・35mm・白黒)
'58(監)(脚)(出)ロマン・ポランスキ (撮)クシシュトフ・ロマノフスキ
老人が人形をつくっている。仕事を終えた老人が帰ったあとには、人形たちの世界がはじまる。

遊び Zabawa (9分・35mm・白黒)
'60(監)ヴィトルト・レシュチンスキ(1933-) (撮)アンジェイ・コステンコ,ヴォイチェフ・パルモフスキ (出)エヴァ・フリコフスカ,ヴウォジミェシュ・ビェリツキ
「雪解け時代」の、フランス映画のような自由な雰囲気が漂う作品。自家用車競争を題材にした異色作。

エロティック Erotyk (3分・35mm・白黒)
'61(監)イェジー・スコリモフスキ(1936-) (撮)ヤツェク・スタフレフスキ (出)エルジビェタ・チジェフスカ,グスタフ・ホロウベク
新聞紙が一面に吊るされた部屋に鏡がひとつ。そこに男と女がいる。スコリモフスキらしい、挑発的な作品。

100人以上の乗客のためのコンパートメント Przedział na sto i więcej osób (4分・35mm・白黒)
'65(監)マレク・ピヴォフスキ(1935-) (撮)ズビグニェフ・レブズダ (出)ヴウォジミェシュ・スコチラス,ロマン・シリヴォニク
電車のコンパートメントで繰り広げられるシンプルな密室劇。新聞を開くとそこには向かいに座っている男の写真。男はさりげなく立ち去ろうとするが…。

役所 Urząd (6分・35mm・白黒)
'66(監)(脚)クシシュトフ・キェシロフスキ (撮)レホスワフ・チシェンソフスキ
年金申請窓口での事務員と人々とのやりとりを記録したドキュメンタリー。事務員は問い続ける。「今までの人生で、あなたは何をしてきましたか?」。

両手を挙げて Z podniesionymi rękami (6分・35mm・白黒)
'85(監)(脚)ミトコ・パノフ(1963-) (撮)ヤロスワフ・ショダ (音)ヤヌシュ・ハイドゥン (出)ヤロスワフ・ドゥナイ,モニカ・モゼル,クシシュトフ・フラニョ
マケドニア出身の監督が撮ったカンヌ国際映画祭短篇部門パルム・ドール受賞作。ワルシャワのゲットーで両手を挙げている少年の写真。その直後を想定したフィクション。

グーチャ Gucia (16分・35mm・白黒)
'85(監)(脚)ドロタ・ケンジェジャフスカ(1957-)  (原)イェジー・アンジェイェフスキ (撮)ヤロスワフ・ショダ (音)ズビグニェフ・ザマホフスキ (出)ヴァルデク・カリシュ,アガタ・ポコロフスカ
7歳の男の子トメクと女の子グーチャの小さな恋の物語。ケンジェジャフスカは女性らしい感性で子供の表情を引き出していく。彼女の最新作『僕がいない場所』(2005年)は、今秋日本公開予定。

9月20日(木)14:00~ / 9月29日(土)15:00~

5『ポーランド短篇名作選集2』( 計85分 )[英語字幕のみ]

いつもと同じ一日 Jak co dzień… (11分・35mm・白黒)
'55(監)(脚)カジミェシュ・カラバシュ(1933-) (撮)ズビグニェフ・カルポヴィチ
ポーランドを代表するドキュメンタリスト、カラバシュの作品(記録映画)。鉄道を舞台にした社会主義色の濃い作品ではあるが、随所に構図の面白さが見られる。

舟は夜明けに出港する Łodzie wypłyną o świcie (15分・35mm・白黒)
'55(監)(脚)リシャルト・ベル(1933-2004) (撮)ヴィトルト・ソボチンスキ
漁師たちの生活を題材にしたフィクション的要素を持つドキュメンタリー。海に反射する朝日の色が印象に残る。

パーティーをぶち壊そう Rozbijemy zabawę (9分・35mm・白黒)
'57(監)(脚)ロマン・ポランスキ (撮)マレク・ノヴィツキ,アンジェイ・ガリンスキ (音)クシシュトフ・コメダ (出)ヤン・ルトキェヴィチ
パーティー好きのポランスキは、学校で破天荒なパーティーを企画する。知り合いのフーリガンにそれをぶち壊しに来てもらい、フィルムに収めた。これによりポランスキが放校されかけたというのも伝説になっている。

いざこざ Konflikty (7分・35mm・パートカラー)
'60(監)ダニエル・シュチェフラ(1930-) (撮)スタニスワフ・シリスコフスキ (音)エドワルト・パウワシュ (出)イレナ・カミンスカ,ユリアン・ジェイモ,イェジー・ルツキ
共産主義の検閲を皮肉ったアニメーション映画。ピストルでみんな死んでしまう映画を、3人の検閲官がハッピー・エンドに変えてしまう。

不用品をどうぞ Każdemu to, czego mu wcale nie trzeba (12分・35mm・白黒)
'66(監)グジェゴシュ・クルリキェヴィチ(1939-) (撮)スワヴォミル・イジャク (出)アリナ・ソハ,アンジェイ・コヴァレフスキ,マレク・ピヴォフスキ
1967年ウッチ学生映画祭受賞作品。独特の実験映画理論で知られるクルリキェヴィチ監督の習作。撮影は現在ハリウッドの第一線で活躍しているスワヴォミル・イジャク。

カーク・ダグラス Kirk Douglas (10分・35mm・白黒)
'66(監)(撮)フェリドゥン・エロル(1938-),マレク・ピヴォフスキ(1935-)
カーク・ダグラスが学校を訪問した模様をアイロニカルに記録したドキュメンタリー。当時の学生たちの熱気が伝わってくる。名優は、即席のセットでポーランド人学生相手に西部劇を演じてみせる。

リクエスト番組 Koncert życzeń (16分・35mm・白黒)
'67(監)(脚)(出) クシシュトフ・キェシロフスキ (撮)レホスワフ・チシェンソフスキ (出)エヴァ・コナルスカ,イェジー・フェドロヴィチ,ヴァルデマル・コジェニョフスキ
キェシロフスキの習作。恋人とバイクで旅行中の青年が道にテントを落とし、それを若者たちがひろう。彼らはテントと引き換えに彼女を差し出すように言う。

構成6800 Skład 6800 (5分・35mm・カラー)
'72(監)(脚)ズビグニェフ・リプチンスキ
リプチンスキが『四角』と同年に作った作品。アナログ映像ながらデジタル的な要素を彷彿とさせる。

9月20日(木)18:00~ / 9月29日(土)12:00~

6『ポーランド短篇名作選集3』( 計95分 ) [英語字幕のみ]

Twarz (16分・35mm・カラー)
'83(監)ロベルト・トゥタク(1954-) (撮)アンジェイ・アダムチャク
プログラム3の『顔』と同名の別作品。電車の中でカメラは老人達の顔を捉える。トーマス・マンの「ベニスに死す」からの引用が、11歳の時にベニスで過ごしたという老人の遠い昔の思い出と交錯する。

クラカタウ島 Krakatau (11分・35mm・白黒)
'86(監)(脚)マリウシュ・グジェゴジェク(1962-) (撮)アンジェイ・ムシャウ (出)カタジナ・バルギェウォフスカ
精神病棟のような密室に女がひとり。飛行機事故や、飛行船爆発などのニュースリールが挿入される。女は次第に狂気へと突き進む。

オレンジ色の選択肢 Pomarańczowa alternatywa (24分・35mm・パートカラー)
'88(監)ミロスワフ・デムビンスキ(1959-) (撮)マチェイ・オドリンスキ (音)ピョトル・ヴィルチンスキ
共産主義の〈赤〉に対抗して〈オレンジ〉色をシンボルにした若者の集団が現れた。彼らの路上でのハプニングを克明に記録したドキュメンタリー。

年ごろのお嬢さん Pańcia (14分・35mm・カラー)
'95(監)(脚)イヴォナ・シェキェジンスカ(1967-) (撮)マレク・ヴァイゼル (美)マウゴジャタ・ラトシェヴィチ (音)グジェゴシュ・スグリンスキ (出)シルヴィア・カルチマルチク,ピョトル・ドゥマワ
学生アカデミー賞ノミネート作品。犬が友達の13歳のシルヴィアは、ある日神父に恋をしてしまう。不器用ながらもなんとか気持ちを伝えようとするが……。

明日 Jutro (11分・35mm・カラー)
2004(監)(脚)レイフ・イゴル・デヴォルト(1977-) (脚)スタニスワフ・オジェウ (撮)シモン・レンコフスキ (美)ズビグニェフ・オレイニチャク (出)ウカシュ・フシュシチ,ベアタ・バンドゥルスカ,アンナ・グラジナ・スホツカ
10代の少年と年上の理容師の恋の物語。彼はなにもかも捨て街を去ろうと決意をするのだが……。

メロドラマ Melodramat (19分・35mm・カラー)
2005(監)(脚)フィリプ・マルチェフスキ(1974-) (撮)ラドスワフ・ワトチュク (美)ズビグニェフ・オレイニチャク (出)アラン・アンデルシュ,モニカ・ヤヌシュキェヴィチ,アグニェシュカ・クルクヴナ
モスクワ国際学生映画祭入賞作品。姉とそのフィアンセに複雑な想いを抱く14歳の少年と、彼に一方的に思いをよせている美少女を題材にそれぞれの愛の憧れを描く。

9月21日(金)14:00~ / 9月25日(火)18:00~

7『水の中のナイフ』 Nóż w wodzie (94分・35mm・白黒)

'62(監)(脚)ロマン・ポランスキ (脚)イェジー・スコリモフスキ,ヤクプ・ゴルドベルク (撮)イェジー・リプマン (美)ボレスワフ・カムィコフスキ (音)クシシュトフ・コメダ (出)レオン・ニェムチク,ヨランタ・ウミェツカ,ジグムント・マラノヴィチ

ポランスキの名を世界中に知らしめた長篇第1作。湖上に浮かぶ自家用ヨットを舞台に、中年男と若い妻、無鉄砲な若者の葛藤と心の空虚を描く。ヴェネチア国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。

9月21日(金)18:00~ / 9月27日(木)14:00~

8『出発』 Le Départ / Start (89分・35mm・白黒)

'67(監)(脚)イェジー・スコリモフスキ (脚)アンジェイ・コステンコ (撮)ウィリ・クーラント (音)クシシュトフ・コメダ (出)ジャン=ピエール・レオー,カトリーヌ・デュポール,ジャクリーヌ・ビル,ポール・ローラン,ヨーン・ドブリニーネ

スコリモフスキが祖国を離れベルギーで監督した長篇4作。ポルシェを手に入れようと四苦八苦するレース狂の若者を仏〈ヌーヴェル・ヴァーグ〉作品で馴染みのJ=P・レオーが演じている。ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞。

9月22日(土)15:00~ / 9月27日(木)18:00~

9『鉄の男』 Człowiek z żelaza (153分・35mm・カラー)

'81(監)アンジェイ・ワイダ (脚)アレクサンデル・シチボル=リルスキ (撮)エドヴァルト・クウォシンスキ (美)アラン・スタルスキ (音)アンジェイ・コジンスキ (出)イェジー・ラジヴィウォヴィチ,クリスティナ・ヤンダ,マリヤン・オパニャ,イレーナ・ビルスカ,レフ・ワレサ

ワイダが「連帯」運動高揚期に製作した作品で『大理石の男』(1977年)の続編にあたる。スターリン時代の労働英雄ビルクートの息子は民主化運動に加わり、「父」を追跡する映画を撮っていたアグニェシカと結ばれる。クライマックスは、80年8月の「連帯」と共産党の政労合意調印式。カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞。

9月22日(土)12:00~ / 9月25日(火)14:00~

10『太陽の年』 Rok spokojnego słońca (110分・35mm・カラー)

'84(監)(脚)クシシュトフ・ザヌーシ (撮)スワヴォミル・イジャク (美)ヤヌシュ・ソスノフスキ (音)ヴォイチェフ・キラール (出)マヤ・コモロフスカ,スコット・ウィルソン,ダニエル・ウェブ,ハンナ・スカルジャンカ

大戦後、ポーランドは東方領土をソ連に譲る代わりにドイツから西方領土を得た。46年の旧独領ポーランドを舞台に、東から移住した戦争未亡人とナチスの戦争犯罪を調査する米軍の運転手の結ばれぬ愛を描く。ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したポーランド、西ドイツ、アメリカの合作。

料金

一般500円 高校・大学生・シニア300円 小・中学生100円 障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。
発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。発券は各回1名につき1枚のみ。
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 小ホール(地下1階)
定員:151名(各回入替制) http://www.momat.go.jp/

2007年9月18日(火)~9月30日(日)まで連日上映
※ただし毎週月曜日は休館

2007/09/15/08:06 | トラックバック (0)
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