日本・ウズベキスタン国交樹立15周年記念

ウズベキスタン映画祭

I WISH
料金
一般500円 高校・大学生・シニア300円
小・中学生100円
障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。
発券・開場は開映の30分前から行い、
定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。発券は各回1名につき1枚のみ。

会場:東京国立近代美術館フィルムセンター
大ホール

定員:310名(各回入替制)
http://www.momat.go.jp/

シルクロードのほぼ中央に位置し、中央アジア第一の大都市タシケント、そしてサマルカンドやブハラ、ヒヴァなど優美なイスラーム建築に彩られた都市を擁するウズベキスタンは、1991年にソ連からの独立を果たし、その翌年には日本との国交を樹立して、中央アジア地域への関心の高まりとともに日本でも近年ますますその注目の度を増しています。
また、ソ連時代(ウズベク共和国)から国営のウズベクフィルムによる映画製作が盛んで、独立後に公開されたSF映画『UFO少年アブドラジャン』(1992年)が日本でも人気を博したウズベキスタンは、カザフスタンと並ぶ中央アジア映画の拠点とも言えるでしょう。現在も、ズルフィカル・ムサコフ、ユスフ・ラジコフといった監督が精力的に活躍を続け、ウズベク民族の歴史と伝統、そして現代ウズベク社会の変貌をフィルムに刻み込んでいます。
この「ウズベキスタン映画祭」は、ウズベキスタン文化・芸術フォーラム基金との共催により、ソ連時代の名作、独立後の作品に、参考上映作品を加えた計11本を集め上映するもので、フィルムセンターとしては中央アジア地域の映画を紹介する初の上映企画となります。


2007年9月27日(木)~10月7日(日)まで
※ただし毎週月曜日は休館

スケジュール
EVENT

トーク・イベント

9月28日(金)3:00pm 『I WISH…』上映終了後
【講師】上田信氏(『I WISH…』プロデューサー)
※第2回NHKアジア・フィルム・フェスティバルで、ムサコフ監督の『I WISH…』をプロデュースした。

9月29日(土)4:00pm 『トゥルクシブ』上映終了後
【講師】岡田一男氏(東京シネマ新社代表、プロデューサー、ディレクター)
※ウズベキスタン映画祭実行委員会メンバー。旧ソ連の国立映画大学(VGIK)を卒業し、中央アジア地域での映像取材経験も豊富。

9月30日(日)1:00pm 『タシケントはパンの町』上映終了後
【講師】山田和夫氏(映画評論家/国際シネマ・ライブラリー代表)
※ソビエト映画の第一人者。1968年からウズベキスタンの首都タシケントで開催されたアジア・アフリカ・ラテンアメリカ諸国国際映画祭(通称タシケント国際映画祭)のすべての回に参加。

10月4日(木)7:00pm 『男が踊るとき』上映終了後
【講師】 佐藤忠男氏(映画評論家)
※長らく「アジアフォーカス・福岡映画祭」のディレクターを務め、同映画祭でウズベキスタン映画を紹介してきた。

10月7日(日)4:00pm 『オイジョン(母)』、『鳥』上映終了後
【講師】 岡田一男氏(東京シネマ新社代表、プロデューサー、ディレクター)× 佐野伸寿氏(プロデューサー)× 井上 徹氏(映画史・ユーラシア文化研究者)
※ウズベキスタン映画祭実行委員会メンバーによる鼎談。
会場 大ホール ※トークのみのご入場はできません。

上映タイトル一覧
9月27日(木) 19:00~ / 10月6日(土)13:00~

『UFO少年アブドラジャン』
Абдулладжан, или посвещается Стивену Спилбергу ( 88分・35mm・カラー )

’92(ヴァタン)(監)(脚)ズルフィカル・ムサコフ(脚)リフシヴォイ・ムハメジャーノフ(撮)タルガト・マンスーロフ(美)ハムザ・ハジクーロフ(音)ミルハリル・マフムードフ(出)トゥチ・ユスーポワ、ラジャブ・アダーシェフ、ミルホシル・オリポフ、シュフラト・カユモフ、ウラジーミル・メニショフ、ウラジーミル・ツヴェトフ

まるで鍋のような奇妙な円盤に乗って地球に落ちてきた少年が、ある平凡な一家に引き取られ、やがて巨大なスイカを実らせるなど村に数々の奇跡を起こすが…。ウズベキスタン国民の半数以上が鑑賞したとも言われるSFファンタジーで、いたって素朴な特撮技術と、人物たちの愛すべきキャラクターに基づく大らかな笑いが特徴である。『E.T.』のスティーヴン・スピルバーグ監督に語りかける形式のナレーションも微笑ましい。[配給:パンドラ]

9月28日(金)15:00~ / 10月6日(土)16:00~

『I WISH…』 Я хочу ( 108分・35mm・カラー )

’97(プライド・スタジオ=NHK)(監)(脚)ズルフィカル・ムサコフ(撮)ナジミディン・グリャーモフ(美)バブル・イスマイロフ(音)ミルハリル・マフムードフ(出)ルスタム・サグドゥラーエフ、バフティヨル・ザキーロフ、エレーナ・ロパトコ、ナジム・トゥラフジャエフ、バトゥル・ハリコフ、リフシヴォイ・アリエフ

劇場の経理係サディクは、ごく平凡な暮らしを送っていた。悲観的な人物で奇跡など信じていなかったが、あるとき突然、念じたことがかなう奇跡を起こす能力が自分にあることを知る。そして、友人の俳優にハムレット役を演じさせることにするが、無理に起こした奇跡は、二人を思いがけない窮地へと追い込むことになる。ムサコフ監督独特のユーモアがあふれた作品で、日本のNHKとの共同製作。[フィルム提供:NHKエンタープライズ、協力:(財)国際文化交流推進協会(エース・ジャパン)]

9月28日(金)19:00~ / 10月7日(日)13:00~

『演説者』 Voiz ( 83分・35mm・カラー )

’99(ウズベクキノ)(監)(脚)ユスフ・ラジコフ(撮)ウルグベク・ハムラーエフ(美)ダニエル・アブドラフマノフ(音)ドミトリー・ヤノフ=ヤノフスキー(出)バハディル・アディロフ、ローラ・エルトエワ、ジャヴァヒール・ザキーロフ、ショフサナム・ハムラクーロワ、アサル・アリホジャーエワ

ロシア革命前、イスラームの結婚戒律に従って3人の妻を持った荷馬車ひきのイスカンデルは、逃走中の革命家たちをかくまった。革命後、以前助けた革命家たちと再会したイスカンデルは、演説の才能を見出されてアジテーターとなる。長い演説旅行から故郷へ帰ると、ムスリム女性の解放運動の最中で、一夫多妻も許されず、イスカンデルは妻たちとの離婚を求められる。1991年にデビューした、独立後の世代を代表するラジコフ監督の第3作。初主演のアディロフの本職は、映画監督・プロデューサー。ベルリンやロッテルダムなど西欧の主要な映画祭にも招待され、日本では「ウズベキスタン映画祭2002」および同年のアジアフォーカス・福岡映画祭で上映された。[フィルム提供:福岡市総合図書館]

9月27日(木)15:00~ / 10月7日(日)16:00~

『オイジョン(母)』 Oyijon ( 76分・35mm・カラー )

2001(ウズベクフィルム)(監)(脚)ズルフィカル・ムサコフ、バハディル・アディロフ(撮)アブドゥラヒム・イスマイロフ、アブドゥワヒド・ガニエフ(美)イリーナ・リトヴィネンコ(音)アンヴァル・エルガシェフ(出)秋尾沙戸子、青島健太、ファランギス・ジャマルハノワ、バフロム・マトジャノフ

母をなくした少女ナルギスは、美しいモスクで知られる古都サマルカンドで、母にそっくりな日本人女性ケイコと出会う。ケイコは子供ができないことに悩んでおり、ナルギスを自分の娘にしようと日本に招待する。サマルカンドとはまったく違う日本の風物に楽しんでふれながらも、ナルギスは望郷の念をつのらせる。サマルカンドと東京を舞台に、親子の愛情と国境を越えて深まる絆とを描く。『I WISH…』で日本との共同製作を経験したムサコフ監督が、国際交流基金の助成と日本側スタッフの全面協力を得て撮ったもので、ウズベキスタン映画で初めて日本ロケを敢行した作品。「ウズベキスタン映画祭2002」で上映されたが、日本語字幕つきの上映は今回が初めてとなる。

[追加上映] 『鳥』 Qush ( 20分・35mm・カラー )
2006(ウズベクキノ・ウズベクフィルム)(監)(脚)ナジム・トゥラフジャエフ(脚)アレクサンドル・ファインベルグ(撮)オリガ・バロク(美)バブル・イスマイロフ(音)フェリクス・ヤノフ=ヤノフスキー

陶工の親方の元で働く少年は、鳥をつくるのが好きだった。仕事場でも、手本通りではなく、自分の好きな鳥をモチーフにしたものを作るので、怒った親方は、鳥の姿をした少年の凧を燃やさせる。しかし、少年が手本通りに作り上げた水差しを窯で焼くと…。『雨はやさしく…』の監督による創造の力と自由をめぐるアニメーション。※『鳥』のみのご鑑賞はできません。

9月29日(土)13:00~ / 10月4日(木)19:00~

『男が踊るとき』 Dilhiroj ( 75分・35mm・カラー )

2002(ウズベクキノ)(監)(脚)ユスフ・ラジコフ(脚)エルキン・アザム(撮)ハタム・ファイジエフ(美)バブル・イスマイロフ(音)ジャムシェド・イザモフ(出)アリシェル・ハムラーエフ、セヴィンチ・ムミノワ、トゥチ・ユスポワ、ザキル・ムハメジャノフ

幼少の頃から約束されたカップルだと予言されながら、適齢期になっても家族の不幸や兵役などの問題でなかなか結婚にたどり着けない男女を、ウズベクの伝統文化や牧歌的な生活の中に描いたラジコフ監督の第5作。原題の「ディルヒロジ」はウズベク族の男の踊りの総称で、二人が結婚に至るまでの様々な場面で登場している。ウズベキスタンの中でも、多様な民族の独自の伝統文化が残っているボイスン地方でロケが行われている。2005年のアジアフォーカス・福岡映画祭に出品されたが、東京での上映は初めて。[フィルム提供:福岡市総合図書館]

9月29日(土)16:00~ / 10月3日(水)19:00~

『雨はやさしく…』 Будет ласковый дождь ( 10分・35mm・カラー )

’84(ウズベクフィルム)(監)(脚)ナジム・トゥラフジャエフ(原)レイ・ブラッドベリ(撮)ウラジーミル・ニキーチン(美)セルゲイ・アリベコフ(音)フェリクス・ヤノフ=ヤノフスキー

朝7時、機械が朝食を用意して食卓に並べる。しかし、その食卓につくべき人間の家族たちの姿はない…。米国の作家ブラッドベリの短篇SF「優しく雨ぞ降りしきる」をもとに、核兵器とオートメーション化がもたらす不気味な未来を映像化したアニメーション。

『トゥルクシブ』 Турксиб ( 56分・24fps・35mm・白黒・無声 )
’29(ヴォストークキノ)(監)ヴィクトル・トゥーリン(脚)ヤーコフ・アーロン、ヴィクトル・シクロフスキー(撮)ボリス・フランツィソン、エヴゲーニー・スラヴィンスキー

シベリア鉄道をトルキスタン(現在の中央アジア地域)と結ぶ支線トゥルクシブ鉄道の建設をめぐるソ連の煽動宣伝映画。1930年の完工目標に向けて、トルキスタンの産物とロシアの穀物とを交換輸送する意義、建設に向けての一致団結を説き、集団労働への力感あふれる讃歌にもなっている。「本当のドキュメンタリーに対するソビエト的アプローチを明らかにした」(ポール・ローサ)とも称された、世界ドキュメンタリー映画史の揺るぎない古典である。なお、建設場面は主として現在のカザフスタン領内だが、トルキスタンにおける重要な生産活動として、ウズベク人による綿花栽培が登場する。

9月30日(日)13:00~ / 10月3日(水)15:00~

『タシケントはパンの町』 Ташкент – город хлебный ( 85分・35mm・白黒 )

’68(ウズベクフィルム)(監)シュフラト・アッバーソフ(原)アレクサンドル・ネヴェーロフ(脚)アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキー(撮)ハタム・ファイジエフ(美)エモヌエル・カランタロフ(音)アリベルト・マラーホフ(出)ウラジーミル・ヴォロベイ、ウラジーミル・クデンコフ、バフティヨル・ナビエフ、ナターリヤ・アリンバサロワ、ニコライ・チモフェーエフ

ロシア革命後の国内戦の時期、未曾有の飢餓に面したヴォルガ河一帯の人々は、中央アジア穀倉地帯の豊かな町タシケントの噂を聞いて旅立った。少年ミーシカも家族のためタシケントへ向かい、さまざまな道中の苦難を乗り越えてたどり着き、ぶどう園で働く。しかし、穀物を持って故郷へ戻った少年を待ち受けていたのはつらい現実だった。原作は作者の実体験をもとにした児童文学で、1923年に発表されて人気を博したもの。中央アジアでの劇映画製作が本格化した60年代の代表的作品の一つであり、若き日のロシアの名監督アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキーが脚本を手がけ、少年のたくましい姿を描いている。[フィルム提供:ロシア映画社]

9月30日(日)16:00~ / 10月5日(金)15:00~

『恋するものたち』 Влюбленные ( 83分・35mm・白黒 )

’69(ウズベクフィルム)(監)エリヨル・イシムハメドフ(脚)オデリシャ・アギシェフ(撮)ガサン・トゥトゥノフ(美)マゴメト・チョチエフ、サドリディン・ジヤムハメドフ(音)ボグダン・トロツュク(出)ロジオン・ナハペートフ、アナスタシヤ・ヴェルチンスカヤ、ルスタム・サグドゥラーエフ、ギュザル・アパナエワ、カレン・ハチャトゥリアン、ロフシャン・アグザモフ、エヴゲーニー・グーロフ

タシケントの寮に住むロージンは、ターニャと相思相愛の仲だった。しかし、ロージンは出張で留守がちなため、ターニャはほかの男性とも付き合うようになる。ある日、ターニャの住まいを訪れたロージンは、ターニャのもう一人の恋人と鉢合わせする。一方、ロージンと同室のタソスはギリシャ人で、祖国へ戻り、母と妹を見つける。脚本家自身とその周辺の人びとの実際のエピソードをもとに、自由な雰囲気にあふれる60年代タシケントの青春群像を描き出したメロドラマ。[フィルム提供:ロシア映画社]

10月2日(火)15:00~ / 10月5日(金)19:00~

『ブハラ大公の秘密の旅』 Тайное путешествие эмира ( 87分・35mm・カラー )

’86(ウズベクフィルム)(監)ファリド・ダヴレトシン(原)ガフル・グラム(脚)ボリス・サーコフ(撮)ユーリー・リュプシン(美)イーゴリ・グレンコ(音)フェリクス・ヤノフ=ヤノフスキー(出)グリナラ・アブドゥラフマーノワ、イワン・アガフォノフ、ガリーナ・ヤツキナ、シュフラト・エルガシェフ、ムラド・ラジャボフ、エルキン・カミロフ

ロシア帝国支配下にあるブハラ・ハン国の後継者アリムハン大公は、羊飼いの娘ネタイの可憐さに心を奪われるが、自分のものにできずにいる。折しもロシア帝国に革命の機運高まる20世紀初頭、大公はロシア皇帝の支援をあおぐため極秘で旅路につくが、ネタイの家の近くで政敵から襲撃され、ネタイの両親も殺される。生き延びて孤児となったネタイは、娼館の主人に誘拐され、大公の妾となることを拒んで悲運の最期を遂げる。ウズベク映画に新風を吹き込んだダヴレトシン監督の第1作。

10月2日(火)19:00~ / 10月4日(木)15:00~

『ドラゴンヘッド』 ( 122分・35mm・カラー )

2003(TBS=電通=アミューズピクチャーズ=東宝=TOKYO FM=毎日新聞社=WOWOW=カルチュア・パブリッシャーズ=スポーツニッポン=ツインズジャパン)(監)(脚)飯田譲治(原)望月峯太郎(脚)NAKA雅MURA、斉藤ひろし(撮)林淳一郎(美)丸尾知行(音)池頼広(出)妻夫木聡、SAYAKA、山田孝之、藤木直人、近藤芳正、根津甚八、寺田農、谷津勲、大川翔太、吉岡祥仁、松重豊、奥貫薫、嶋田久作

望月峯太郎の人気漫画を原作に、天変地異による鉄道事故を生き残った3人の少年少女が、廃墟となった大地をさまよいながら東京を目指すというパニック大作。純粋な日本映画だが、ウズベキスタン政府の協力のもと、全篇が2か月にわたるウズベキスタンでのロケーションで撮影されており、破壊されたJR渋谷駅のセットなどにあえて「中央アジアに構築された日本」を見る楽しみもある。トンネル事故に遭った新幹線の車両も、国立の鉄工所で組み立てられた精巧なものである。[配給:東宝]

料金

一般500円 高校・大学生・シニア300円 小・中学生100円 障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。
発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。発券は各回1名につき1枚のみ。
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール
定員:310名(各回入替制) http://www.momat.go.jp/

2007年9月27日(木)~10月7日(日)まで
※ただし毎週月曜日は休館

2007/09/27/19:35 | トラックバック (0)
国立映画アーカイブ(元フィルムセンター)
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