NFC所蔵外国映画選集

ヨーロッパ映画名作選

おもいで
大な大地で多種多様な文化を培ってきたヨーロッパ。そこでは、映画大国イタリア、ドイツ、フランスのみならず、日本の観客にとっては未だなじみの浅い国々もまた良質な映画作りをめざして地道に製作を続けてきました。フィルムセンターは、これまでに様々な国の映画を紹介する中、ヨーロッパにおいては15カ国の映画を国別に特集し、各国の諸相をスクリーンに投影してきました。
この度もそうしたヨーロッパ映画の豊かな広がりに着目して、フィルムセンターが所蔵する外国映画作品の中から、北欧、東欧、中欧も含めた欧州9カ国で生み出された23作品(無声映画8本、トーキー映画15本)を紹介する「ヨーロッパ映画名作選」を開催します。本企画は、知名度の高い名作に加え、1910年代のデンマークの無声映画、チェコのトーキー初期作品、さらには1950年代のハンガリー映画を含むヴァラエティに富んだ上映プログラム構成となっています。世界映画史に名を刻む古典的ヨーロッパ映画の世界をご堪能ください。

なお、12月4日から9日まで(プログラム1~6)は、無声映画をピアノの生伴奏つきで上映します。その都度つむぎ出されるメロディは、作品の新たな魅力を引き出してくれることでしょう。皆様のご来場をお待ち申し上げます。

ピアノ伴奏者紹介(50音順)

天池穂高(あまいけ・ほだか) 東京芸術大学音楽学部作曲科卒、同大学院修了。第15回現音作曲新人賞入賞。作品はソロからオーケストラまで幅広く、また邦楽器のためにも作曲を行っている。代表作は松尾葉子の初演指揮による「流動模様~オーケストラのための」、「透明架け橋~能管とオーケストラのための」など。バレエのレッスン・ピアニストとしても活動している。フィルムセンターでは、これまでに「小津安二郎の藝術」や「生誕百年の監督たち」などで演奏を披露した。

小林弘人(こばやし・ひろと) 東京芸術大学音楽学部作曲科卒、同大学院修了。管弦楽、舞台音楽などの委嘱作曲・編曲を手がける。1998年東京国際室内楽作曲コンクール第3位、同年より電子音楽の研究を開始。また自作をはじめソロ、室内楽からジャズ、オペラまで幅広いジャンルの演奏活動を続ける。フィルムセンターでは、「D・W・グリフィス選集」や「小津安二郎の藝術」などで即興演奏を披露。東京芸術大学、東京音楽大学非常勤講師。

柳下美恵(やなした・みえ) 無声映画伴奏者。欧米スタイルのピアノ伴奏で見せるサイレント映画上映会で活躍中。武蔵野音楽大学器楽科(ピアノ専攻)卒業。1995年、朝日新聞社主催の映画生誕100年記念上映会でデビュー以来、フィルムセンターの数々の企画で演奏を披露。国内外の映画祭で公演し、手掛けた作品は300を越える。2006年度日本映画ペンクラブ奨励賞受賞。紀伊国屋書店クリティカル・エディション・シリーズ『裁かるるジャンヌ』『魔女』の音楽を担当。

料金
〈無声映画プログラム〉 定員:301名(各回入替制)
一般1000円 高校・大学生・シニア800円 小・中学生600円 障害者(付添者は原則1名まで)は無料
〈トーキー映画プログラム〉 定員:310名(各回入替制)
料金一般500円 高校・大学生・シニア300円 小・中学生100円 障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。発券は各回1名につき1枚のみ。
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール
http://www.momat.go.jp/

2007年12月4日(火)~12月27日(日)まで
※ただし毎週月曜日は休館

スケジュール
12/4(火) 15:00pm 『ズィゴ 催眠鬼X』(13分)『怖ろしき一夜(魔女の豫言)』(17分)『狂熱(41分)』 伴奏=天池穂高 / 19:00pm 『死の曲(63分)』 伴奏=小林弘人
12/5(水) 15:00pm 『過去からの呼聲』(86分) 伴奏=柳下美恵
19:00pm 『ヴェルダン―歴史の幻想』(116分) 伴奏=柳下美恵
12/6(木) 15:00pm 『ロビンソン・クルーソー漂流記』(65分) 伴奏=小林弘人
19:00pm 『ヴァリエテ 曲芸団』(112分) 伴奏=天池穂高
12/7(金) 15:00pm 『ヴェルダン―歴史の幻想』(116分) 伴奏=柳下美恵 / 19:00pm 『ズィゴ 催眠鬼X』(13分)『怖ろしき一夜(魔女の豫言)』(17分)『狂熱(41分)』 伴奏=天池穂高
12/8(土) 13:00pm 『死の曲(63分)』 伴奏=小林弘人
16:00pm 『過去からの呼聲』(86分) 伴奏=柳下美恵
12/9(日) 13:00pm 『ロビンソン・クルーソー漂流記』(65分) 伴奏=小林弘人
16:00pm 『ヴァリエテ 曲芸団』(112分) 伴奏=天池穂高
12/11(火) 15:00pm 『春の調べ』(70分) /  19:00pm 『私と女王様』(84分)
12/12(水) 15:00pm 『おもかげ』(91分) / 19:00pm 『魂を失へる男』(87分)
12/13(木) 15:00pm 『ピグマリオン』(86分) / 19:00pm 『バーバラ少佐』(100分)
12/14(金) 15:00pm 『春の驟雨』(68分) / 19:00pm 『ヨーロッパの何処かで』(94分)
12/15(土) 13:00pm 『2ペンスの希望』(100分) / 16:00pm 『ローマ11時』(100分)
12/16(日) 13:00pm 『ホブスンの婿選び』(108分) / 16:00pm 『女ともだち』(103分)
12/18(火) 15:00pm 『メリー・ゴー・ラウンド』(93分) / 19:00pm 『ハンニバル教授』(92分)
12/19(水) 15:00pm 『濁流』(104分) / 19:00pm 『2ペンスの希望』(100分)
12/20(木) 15:00pm 『私と女王様』(84分) / 19:00pm 『おもかげ』(91分)
12/21(金) 15:00pm 『バーバラ少佐』(100分) / 19:00pm 『ローマ11時』(100分)
12/22(土) 13:00pm 『春の調べ』(70分) / 16:00pm 『ピグマリオン』(86分)
12/23(日) 13:00pm 『魂を失へる男』(87分) / 16:00pm 『春の驟雨』(68分)
12/25(火) 15:00pm 『ヨーロッパの何処かで』(94分) / 19:00pm 『ホブスンの婿選び』(108分)
12/26(水) 15:00pm 『女ともだち』(103分) / 19:00pm 『メリー・ゴー・ラウンド』(93分)
12/27(木) 15:00pm 『ハンニバル教授』(92分) / 19:00pm 『濁流』(104分)
上映タイトル一覧

◆無声映画プログラム(ピアノ伴奏つき上映)

12月4日(火) 15:00~ / 12月7日(金) 19:00~ / 伴奏=天池穂高

ズィゴ 催眠鬼X ZIGO (13分・18fps・35mm・無声・染色)

’14(デンマーク)(監)カイ・ヴァン・デァ・オー・クーレ(出)エミーリエ・サンノム、ラスムス・オッテセン、ヴァルデマー・ムラー

悪者のジプシーは夫も子もいる女性(E・サンノム)を催眠術でものにするが、やがて二人で堕落の一途を辿り……。洗練された撮影・編集テクニックと画面構成により当時高く評価された。アクロバティックな演技を得意としたE・サンノムは一時日本でも人気を得た。

怖ろしき一夜(魔女の豫言)
EN RÆDSOM NAT (17分・18fps・35mm・無声・染色・不完全)

’14(デンマーク)(監)カイ・ヴァン・デァ・オー・クーレ(出)O・キアツナー、ヴァルデマー・ムラー、カイ・リン、グズルン・ホウルベア、ヒルドゥア・ムラー、リカーズ・イェセン、エレン・タイナー、ペトリーネ・ソンネ

老婆の予言によりジプシーたちが国の王位争いに巻き込まれるというのが全体のあらすじ。陰謀を企てた王族の男が王位に就くところまでのみフィルムが残存する。本作で登場する航空機、気球や曲芸などのアクションは、本作を製作したダンマーク社の他作品にも共通する特徴の一つと言われている。

狂熱 FIÈVRE (41分・18fps・35mm・無声・白黒)

’21(フランス)(監)(脚)ルイ・デリュック(撮)アルフォンス・ジボリ、アルフォンス・リュカ(美)ベカン(出)エヴ・フランシス、アドモン・ヴァン・ダエル、エレナ・サグラリ、ガストン・モド、ジョルジュ・フォーティ、イヴォンヌ・オレル

独自の映画理論を打ち出したルイ・デリュックの数少ない作品の一つ。マルセイユのバーでの娼婦と客の男たちの絡み合いという当時では珍しい題材が、批判の的となった。退廃的な雰囲気の中にほのかな詩情が込められている。

12月4日(火) 19:00~ / 12月8日(土) 13:00~ / 伴奏=小林弘人
死の曲

死の曲 MONICA VOGELSANG
(63分・18fps・35mm・無声・染色)

’19(ドイツ)(監)ルドルフ・ビーブラッハ(原)フェリクス・フィリッピ(脚)ハンス・クレーリ(撮)ヴィリー・ゲーベル、ブルーノ・フェルマー(美)ジャック・ウィンター、エミール・ハスラー(出)グスタフ・ボーツ、ヘンニー・ポルテン、エルザ・ヴァーグナー、ユリウス・ザックス、パウル・ハルトマン、イルカ・グリュニヒ、エルンスト・ドイッチュ

不真面目な男の介入により悲劇の人生を歩むことになった恋人たちの話。脚本はドイツ時代のルビッチ作品の脚本を多数手がけたH・クレーリによる。H・ポルテンやP・ハルトマン、E・ドイッチュなど、ドイツ映画に欠かせない大俳優たちが出演している。

12月5日(水) 15:00~ / 12月8日(土) 16:00~ / 伴奏=柳下美恵

過去からの呼聲 IL RICHIAMO (86分・18fps・35mm・無声・染調色)

’21(イタリア)(監)ジェンナロ・リゲッリ(原)ファウスト・マリア・マルティーニ(脚)ルチアーノ・ドリア(撮)トゥリオ・キリアーニ(出)マリア・ヤコビーニ、カルロ・ベネッティ、リド・マネッティ、セシル・トライアン

子供を失った母親が養子を引き取り育てるが、月日が流れ、母は立派な青年に成長した息子が自分に恋心を抱いていることを知る。我が国で最も高く評価されたイタリア無声映画の一本で、巧みな心理描写とマリア・ヤコビーニの名演技が観客を魅了した。

12月6日(木) 19:00~ / 12月9日(日) 16:00~ / 伴奏=天池穂高
ヴァリエテ

ヴァリエテ 曲芸団
VARIÉTÉ (112分・18fps・35mm・無声・白黒)

’25(ドイツ)(監)(脚)エヴァルト・アンドレ・デュポン(脚)レオ・ビリンスキ(原)フェリクス・ホレンダー(撮)カール・フロイント(美)オスカー・フリードリヒ・ヴェルンドルフ(出)エミール・ヤニングス、リア・デ・プッティ、ウォーウィック・ウォード、マリー・デルシャフト

E・A・デュポンの名を世界映画史に刻んだ、ドイツ無声映画の代表的作品の一つ。中年の曲芸師が若い娘の魅力にとりつかれ駆け落ちをするが、二人の前に若い曲芸師が現れて・・・。エミール・ヤニングスの名演と新人リア・デ・プッティの魅力、官能的な描写と大胆なカメラ・ワークが評判を呼んだ。

12月6日(木) 15:00~ / 12月9日(日) 13:00~ / 伴奏=小林弘人

ロビンソン・クルーソー漂流記
ROBINSON CRUSOE (65分・24fps・35mm・無声・白黒)

’28(イギリス)(監)(出)M・A・ウェセレル(原)ダニエル・デフォー(撮)J・ローゼンタール(出)フェイ・コンプトン、ハーバート・ウェイス

ダニエル・デフォーの名著を地学、動物学者のM・A・ウェセレルが自らの製作、監督、主演で映画化。商業主義の悪弊を避け、英領西インド諸島に長期のロケーションを敢行した。撮影のJ・ローゼンタールはアーバン社の日露戦争映画でも知られるイギリス映画史最古参のカメラマン。

12月5日(水) 19:00~ / 12月7日(金) 15:00~ / 伴奏=柳下美恵

ヴェルダン―歴史の幻想
VERDUN, VISION D’HISTOIRE (116分・18fps・35mm・無声・白黒)

’28(フランス)(監)(脚)レオン・ポワリエ(撮)ロベール・バットン、ジョルジュ・ミリオン(出)ジャンヌ=マリー・ロラン、ピエール・ネイ、アントナン・アルトー、アルベール・プレジャン、トミー・ブルデル、ハンス・ブラウゼヴェッター

第一次大戦中の、ドイツに近いフランスの都市ヴェルダンにおける激しい攻防戦を描いた作品。大戦終結10周年を記念する本作を、監督は仏軍のヴェルダン死守に払われた多数の犠牲に捧げて作ったという。演劇人として有名なA・アルトーも出演している。

◆トーキー映画プログラム

12月11日(火) 15:00~ / 12月22日(土) 13:00~
春の調べ

春の調べ EKSTASE (70分・35mm・白黒)

’32(チェコスロバキア)(監)(脚)グスタフ・マハティ(脚)フランティシェク・ホルキ(撮)ヤン・スタリヒ(美)ヘシュ、S・コペツキ(音)ジュゼッペ・ベッツェ(出) ヘディ・キースラー、ズヴォニミール・ロゴツ、アリベルト・モーグ、レオポルト・クラマー

初老の夫との結婚生活に耐える若い妻が“性の解放”に目覚めてゆくさまを芸術的趣向を凝らして描き、国際的な注目を集めた最初のチェコスロバキア映画。公開当時にはヘディ・キースラー(後のヘディ・ラマール)が瞬間的だが全裸で画面を横切る場面が話題を呼んだ。

12月11日(火) 19:00~ / 12月20日(木) 15:00~

私と女王様 ICH UND DIE KAISERIN (84分・35mm・白黒)

’33(ドイツ)(監)フリードリヒ・ホレンダー(原)フェリクス・ザルテン(脚)ヴァルター・ライシュ、ロベルト・リープマン(撮)フリーデル・ベーン=グルント(美)ロベルト・ヘールト、ヴァルター・レーリヒ(音)フランツ・ヴァクスマン(出)マディ・クリスチャンス、コンラート・ファイト、リリアン・ハーヴィー、ハインツ・リューマン、フリーデル・シュスター、フーベルト・フォン・マイヤーリンク

女王の理髪師の女は落とした靴下留めを探す中、侯爵と奇妙な出逢いをして・・・。『嘆きの天使』(1930)の主題歌を手がけた作曲家F・ホレンダーが監督した音楽映画。プロデューサーはドイツ映画史上の数々の傑作を手がけたエリッヒ・ポマーで、本作はドイツで製作した最後の作品。

12月12日(水) 15:00~ / 12月20日(木) 19:00~
おもかげ

おもかげ
CASTA DIVA (91分・35mm・白黒)

’35(イタリア)(監)カルミネ・ガローネ(脚)ヴァルター・ライシュ(撮)フランツ・プラナー、マッシモ・テルツァーノ(美)ヴェルナー・シュリヒティンク(音)ヴィンチェンツォ・ベリーニ(出)マルタ・エッゲルト、サンドロ・パルミエリ、ランベルト・ピカソ、エンニオ・チェルレージ

ロッシーニらとともに19世紀イタリア・オペラの黄金時代を築いた、夭折の作曲家ヴィンチェンツォ・ベリーニの没後百年記念映画。戦前戦後を通じて多くの音楽映画を生み出したカルミネ・ガローネが、若き天才とナポリ大官令嬢マダレーナとの悲恋を美しく描いている。第3回ヴェネツィア映画祭最優秀イタリア映画賞を受賞。

12月12日(水) 19:00~ / 12月23日(日) 13:00~

魂を失へる男 DIE EWIGE MASKE (87分・35mm・白黒)

’36(スイス)(監)(脚)ヴェルナー・ホッホバウム(原)(脚)レオ・ラペール(撮)オスカー・シュニルフ(美)ハンス・ヤコビ(音)アントン・プロフェス(出)ペーター・ペーターゼン、マティアス・ヴィーマン、トム・クラア、オルガ・チェホーワ

瀕死の患者に新発明の医療を用いた医師は、その直後の患者の死亡に対し過重な責任を背負わされ、同僚の精神科医の治療を受けることになる。斬新な編集で知られるW・ホッホバウムの本作は、米国批評会議で最優秀外国映画賞を受賞。

12月13日(木) 15:00~ / 12月22日(金) 16:00~

ピグマリオン PYGMALION (86分・35mm・白黒)

’38(イギリス)(監)アンソニー・アスクィス(監)(出)レスリー・ハワード(原) ジョージ・バーナード・ショー(脚) W・P・リプスカム、セシル・ルイス、イアン・ダルリンプル(撮)ハリー・ストラドリング(美)ローレンス・アーヴィング(音)アルテュール・オネゲル(出)ウェンディ・ヒラー、ウィルフリド・ロースン、マリー・ロー

言語学者が親友と賭けをして貧しい花売娘に正しい英語と礼儀作法を教えようとするが・・・。ジョージ・バーナード・ショーが1913年に発表した同名戯曲の映画化。オードリー・ヘップバーン主演で映画化(1964)されたヒット・ミュージカル「マイ・フェア・レディ」の原形となった。

12月13日(木) 19:00~ / 12月21日(金) 15:00~

バーバラ少佐 MAJOR BARBARA (100分・35mm・白黒)

’41(イギリス)(監)ガブリエル・パスカル(原)(脚)ジョージ・バーナード・ショー(撮)ロナルド・ニーム(美)ヴィンセント・コルダ(音)ウィリアム・ウォルトン(出)ウェンディ・ヒラー、レックス・ハリスン、ロバート・モーリー、ロバート・ニュートン、デボラ・カー

『ピグマリオン』を製作したガブリエル・パスカルが、引き続きバーナード・ショーから映画化権を与えられ自ら監督した作品。軍需産業の大コンツェルンを経営する富豪の娘で、救世軍の少佐として活躍するバーバラが、恋人と結婚するに及んで父親からの遺産相続を承諾し救世軍から身を引いてしまうまでが描かれる。

12月14日(金) 15:00~ / 12月23日(日) 16:00~

春の驟雨 MARIE (TAVASZI ZAPOR)(68分・35mm・白黒)

’32(ハンガリー)(監)(脚)パウル・フェヨシュ(脚)イロナ・フュレプ(撮)パヴェレル・マーリー、イシュトヴァーン・アイベン(美)セルジュ・ピメノフ(音)ラースロー・アンギャル、ジョルジー・ランキ(出)アナベラ、イシュトヴァーン・ジェルジェ、イロナ・ダイブカート、カローラ・ザーラ

天国の母親が娘の純潔を護るために春の夜の驟雨を降らすという伝説に基づく物語。R・クレールの『ル・ミリオン』でスターとなったアナベラ出演作品。

12月14日(金) 19:00~ / 12月25日(火) 15:00~

ヨーロッパの何処かで VALAHOL EURÓPÁBAN (94分・35mm・白黒)

’48(ハンガリー)(監)(脚)ゲーザ・ラドヴァニ(脚)ベラ・バラージュ(撮)バルナバーシュ・ヘジイ(美)ヨーゼフ・パン(音)デネシュ・ブダイ(出)ラディスラス・ホルヴァート、ニコラス・ガーボル、アルトゥール・ショムライ、ジュジャ・バーンキ

戦火で荒廃したハンガリーの町や村の実景を取り入れながら、次第に大きな集団を作り上げていく戦災孤児たちの姿を描く。映画理論家・評論家としても著名なベラ・バラージュが脚本に参加。本作によりハンガリー映画が戦後はじめて国際的な脚光を集めることになった。

12月15日(土) 13:00~ / 12月19日(水) 19:00~

2ペンスの希望 DUE SOLDI DI SPERANZA (100分・35mm・白黒)

’51(イタリア)(監)(原)(脚)レナート・カステラーニ(原)エットーレ・マリア・マルガドンナ(脚)ティティーナ・デ・フィリッポ(撮)アルトゥーロ・ガッレア(音)アレッサンドロ・チコニーニ(出)マリア・フィオーレ、ヴィンチェンツォ・ムゾリーノ、フィロメーナ・ルッソ、フェリチア・レッティエリ、カルメラ・チリッロ、ジーナ・マセッティ

明るい太陽の輝くナポリ近郊の小さな村を舞台に、戦後の貧しさにとらわれずささやかな希望に明日を託す若い恋人たちの姿を描く。<ネオレアリズモ>の流れに新しい傾向を示したレナート・カステラーニ監督の代表作。カンヌ国際映画祭グラン・プリ(当時の最高賞)を受賞。

12月15日(土) 16:00~ / 12月21日(金) 19:00~

ローマ11時 ROMA ORE 11 (100分・35mm・白黒)

’51(イタリア)(監)(脚)ジュゼッペ・デ・サンティス(脚)チェザーレ・ザヴァッティーニ、バジリオ・フランキーナ、ロドルフォ・ソネーゴ、ジャンニ・プッチーニ(撮)オテッロ・マルテッリ(美)レオン・バルザック(音)マリオ・ナシンベーネ(出)カルラ・デル・ポッジオ、マッシモ・ジロッティ、ルチア・ボーゼ、ラフ・ヴァローネ、エレナ・ヴァルツィ、レア・パドヴァーニ、デリア・スカラ

ジュゼッペ・デ・サンティスの第4作。厳しい失業問題に悩む敗戦後のローマで、わずかな就職の機会を狙って大勢の失業女性が押し寄せたことから起こった階段の崩壊事故。病院に収容された負傷者たちそれぞれの身の上が明かされていく。

12月16日(日) 13:00~ / 12月25日(火) 19:00~

ホブスンの婿選び HOBSON’S CHOICE (108分・35mm・白黒)

’54(イギリス)(監)(脚)デヴィッド・リーン(原)ハロルド・ブリグハウス (脚)ノーマン・スペンサー、ウィンヤード・ブラウン (撮)ジャック・ヒルドヤード(美)ウィルフリド・シングルトン(音)マルコム・アーノルド(出)チャールズ・ロートン、ジョン・ミルズ、ブレンダ・デ・バンジー、ダフニ・アンダースン、プルネラ・スケールズ

妻に先立たれた靴職人の家庭で、呑ん兵衛の頑固親父に結婚適齢期を迎えた3人の娘が”造反”する。チャールズ・ロートンの名演が光る世話物喜劇。原作はハロルド・ブリグハウスの戯曲で、デヴィッド・リーン監督の本作は3度目の映画化にあたる。

12月16日(日) 16:00~ / 12月26日(水) 15:00~

女ともだち LE AMICHE (103分・35mm・白黒)

’55(イタリア)(監)(脚)ミケランジェロ・アントニオーニ(原)チェザーレ・パヴェーゼ(脚)スーゾ・チェッキ・ダミーコ(撮)ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ(美)ジャンニ・ポリドーリ(音)ジョヴァンニ・フスコ(出)エレオノーラ・ロッシ・ドラゴ、ガブリエレ・フェルゼッティ、ヴァレンティナ・コルテーゼ、イヴォンヌ・フュルノー、マドレーヌ・フィッシェー、エットーレ・マンニ、アンナ・マリア・パンカーニ

不倫に悩む一人の女の自殺未遂がきっかけで出逢った5人の女たちが、それぞれ不毛な愛に心乱されながら自己を見出そうとする。当時すでに国際的に活躍する俳優たちが多数出演する作品で、ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞に輝いた。

12月18日(火) 15:00~ / 12月26日(水) 19:00~

メリー・ゴー・ラウンド KÖRHINTA (93分・35mm・白黒)

’56(ハンガリー)(監)(脚)(美)ゾルタン・ファーブリ(原)イムレ・シャルカディ(脚)ラスロー・ナダシ(撮)バルナバーシュ・ヘジイ(音)ジョルジ・ラーンキ(出)マリ・テレチック、イムレ・ショーシュ、ベラ・バルシ、マニュイ・キス、アーダーム・シルテシュ

農業関係者の間に激しい貧富の差があった1950年代のハンガリーで、協同組合側と個人農側という互いに対立する立場に置かれた若い男女の恋が描かれている。ゾルタン・ファーブリは国際的に知名度の高いハンガリーの映画監督で、本作はカンヌ国際映画祭で紹介され、大好評を得た。

12月18日(火) 19:00~ / 12月27日(木) 15:00~

ハンニバル教授 HANNIBÁL TANÁR ÚR (92分・35mm・白黒)

’56(ハンガリー)(監)(脚)(美)ゾルタン・ファーブリ(原)フェレンツ・モラ(脚)イシュトヴァン・ジェネシュ、ペーテル・サース(撮)フェレンツ・セーチューニ(音)ズデンコー・タマーシ(出)エルネ・サボー、マニ・キス、フェレンツ・ベシェネイ、ゾルタン・グレグス、ゾルタン・マクララーイー、ヒルダ・ゴービ、ノエミ・アポル、ルドルフ・ショモジュヴァーリ

古代ローマ帝国に反旗を翻したハンニバルを熱心に研究する教授が、ファシストたちには反対勢力と映ってしまい、厳しい状況に置かれる。本作は、東欧最大と言われる映画の祭典カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭でグランプリを受賞した。

12月19日(水) 15:00~ / 12月27日(木) 19:00~

濁流 MORT EN FRAUDE (104分・35mm・白黒)

’57(フランス)(監)(脚)マルセル・カミュ(原)(脚)ジャン・ウグロン(脚)ミシェル・オーディアル(撮)エドモン・セシャン(美)ポール=ルイ・ブティエ(音)グエン・フー・バー(出)ダニエル・ジェラン、アンヌ・メシャール、ダン・ヴァン・タン、レ・ティ・ナム、チン・チャック、ジャック・シャンセル、リュシアン・カラマン

第1次インドシナ戦争中、当時のサイゴン付近の農村で、仏人青年が現地の娘と出逢う。A・アストリュック監督などの下で助監督をつとめたM・カミュは、本作で長篇監督デビューを果たし、2年後には『黒いオルフェ』によりカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した。

料金

〈無声映画プログラム〉 定員:301名(各回入替制)
一般1000円 高校・大学生・シニア800円 小・中学生600円 障害者(付添者は原則1名まで)は無料
〈トーキー映画プログラム〉 定員:310名(各回入替制)
料金一般500円 高校・大学生・シニア300円 小・中学生100円 障害者(付添者は原則1名まで)は無料
観覧券は当日・当該回にのみ有効。発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切。
学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、要証明書。発券は各回1名につき1枚のみ。
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール
http://www.momat.go.jp/

2007年12月4日(火)~12月27日(木)まで
※ただし毎週月曜日は休館

2007/12/08/15:23 | トラックバック (1)
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Tracked on 2010/11/03(水)17:04:24

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