足立 フミ

　仕事の出来そうな３０代の女がこういう映画を見て、密かに憧れたり、共感したりしている事には悪態の限りを尽くしてやりたくなるものです。
　うっかり自分もブロンド娘になり、しげ子という立派な本名もいつのまにかSHIGEKO気分で、結構本気だったりするからです。
　目と目の離れたブロンド娘は何したって可愛いもんです。素直にしてればそのまま可愛いし、憎まれ顔をすれば、これまた可愛い。 どっちに転んでも成功する、完成度の高い女こそが目と目の離れたブロンド娘と言えます。 おかめ納豆糸ひきネバネバみたいな女は憎まれ顔をした日には最後、刺される事すら覚悟せねばなりません。
　しかし日本人女性の８割を占めるおかめ納豆達は、 このブロンド娘が決して完璧な美人タイプではない事をいい事につい親近感を抱いてしまうものです。
　そもそもこの十日間に持ち込む事すら困難であり、そのためには一定の水準をクリアしてる事が条件だという事は完全にシカトし、 万人に平等に与えられているものだと思っているので困ったものです。
　明日にでも出会いのチャンスが舞い降りて、いつか来るパーティーで背中の開いたドレスを着る為に、 早速背中の手入れに余念のない女性が続出するのではないでしょうか。
　非常事態です。こんな私も久しぶりに足の毛を剃ってみました。